デビューから短い間にたくさんのオリジナルアルバムを出してきたが
狂った太陽とそのツアーの後は少しだけ期間が空いて
セルフカバーアルバム、殺シノ調べが発売される。
これもとても売れた作品で、ビートロック期の曲も洗礼された音像になっていてとても良い。
ジャケットも超かっこいいのでAmazonの宣伝であれだが、載せておく。
さて、その後各メンバーのソロ活動なんかもあったこともあり
期間は少し空いてしまったが
のちにdarker than darkness style93
と呼ばれるアルバムのセッションが始まったという。
当初はコンセプトもなく、今井氏のとにかくやってみないとわからんっていうところと
もう一人のソングライター星野氏は手探りで曲を作っていったのが始まりでアルバム制作が進み始めた。
出てきた楽曲の方向性は今井氏、星野氏とは大きく違っており、
特に星野氏はギターがあまりないような楽曲を出してきており、
戸惑いがあったというが、それはそれだろうというところで個性を損なわずに行ったところ、
BUCK-TICKのバラード名曲であるドレスが生まれるに至った。
一方で今井氏のほうはアバンギャルドで独自の世界観を追及したところ、
ジャズともメタルともインダトリアルとも言えないような都市伝説的な世界観の神風という曲を生む。
ライブ盤であるが、なんともメランコリックで美しい映像だ。
あまり語られない曲ではあるが私自身最初の方にB-Tに衝撃を受けた楽曲で
是非皆さんに知ってもらいたいと思う。
一方櫻井敦司氏の死生観は前述のブログで書いたようにブッディズムな雰囲気を出し始めており、
なんとその名もdieという曲では輪廻や、仏教の空的な世界観があり、
死というテーマなのだが、どこか爽やかな雰囲気が出ている。
全体的に前作狂った太陽よりもアコースティックな雰囲気を持ちながらよりも
BUCK-TICKの持つ無常観や死の匂いというものがより出てきた作品である。
個人的にはBUCK-TICKでも最初の方に手に入れた作品の一つであり、
今まで聴いてきた音楽とは何もかもが違う、衝撃を受けた作品である。
一般にファンの間でもドレスが収録されている事を除けば地味な作品と言われるが、
本作の芸術性の高さは埋もれるにはあまりにもったいない。