前作悪の華で飛ぶ鳥を落とす如くに跳躍して
時の人となったBUCK-TICK。
その勢いでツアーに出たBUCK-TICK、櫻井敦司氏に最愛の母の死という出来事が重くのしかかる
櫻井敦司氏にそっくりで血液型や誕生日も同じだったという父は不器用で時には暴力でしか愛情を表現できない方で、まだ櫻井氏が若い頃に亡くなってしまったようだ。
一方で母は櫻井氏を勇気づけ元気づけ愛情を与えた方でバンドも彼女の後押しで続けられた
絶対的な存在で合ったようだ。
この母の死は櫻井氏の歌詞や歌い方、ひいてはバンドの音楽に独自の死生観、ブッディズムをもたらすことにつながった。
そんな中リリースされた狂った太陽は
スタジオのシンセサイザーを弄り尽くしたという今井氏の創作意欲でエレクトロな作風を含みながらも
櫻井氏の歌はナチュラルに表現力を増して、
歌だけでなく全てが以前よりも一曲一曲の説得力や音の深みが出てきたような印象だ。
今井氏のエレクトロな路線と今までのBUCK-TICKの軽快なビートロック、歌詞に漂う冷たい絶望感、ロックながらこういう死の匂いを含むようになった。
お母さんのことを歌った曲。
淡々としたビートと何か別れきれないような
どこか櫻井氏の童心まで出てきてしまったような感じがある。
改めて聴くととても哀しい歌だ。
さくらはストレートな悲しみだとしたら
こちらは感情の死んでしまった
心が空っぽになってしまったような音。
作った時の櫻井氏の気持ちはとても辛いものだったと思うが、
高校生の頃くらいの自分の無力感をこの曲は癒してくれた。
この時代もBUCK-TICKを代表する名曲がたくさんあるのだが、上記で挙げた曲の方が深くBUCK-TICKの世界を知れるし、今後の変貌に至るところでは大切と思うが一応。
表の代表曲
二曲。
裏代表曲
この精神面、サウンド面を合わせた攻撃性に
自分の世の中に出した棘を重ねた
ロックバンドを好きになるってのはそういうことなんですよ。
その後は再レコーディングのベストアルバム
そして各々のソロ活動に入っていく。
ここに来て黄金期はひとまず終わりかと思う。
流石に語らなくてはいけない名曲が多く大変だったが
俺個人的にBUCK-TICKの本当に素晴らしい時期はこの後と考えている。
また気合を入れて書いていこう。
だんだん雰囲気がダークになってく櫻井氏