バンドマンなのでギターをもって出歩かなければならない。
以前ギターを池袋でパクられて以来、
持ち歩くギターは極力資産価値があったり、
思い入れのあるものを避けるようにしている。
そんなここ数年よく使う一本がINORANモデルである。
LUNASEAのINORANさんというギタリストのモデルで、
僕がギターを始めたばかりの頃、
バンドやろうぜという雑誌でINORANさんや他のビジュアル系のヒーローたちと共に
アーティストモデルの広告が出ていて、
お値段と共に、夢でもみるような気持ちで目で雑誌に穴をあけたものだった。
しかし当時量産されたのであろう
時代と共に残念ながら価格の高いもの、安いものにわかれ、
たまにえっという値段と共にリサイクルショップに置いてあるものだ。
以前、新潟に旅行した際、手に入れたINORANモデルは破格であった。
正直言うとINORANさんはほかのギターヒーローに比べると職人肌なのもあって
残念ながらちょっと価値がなくなっちゃった方のギターなのである。
日本のギターメーカーであるESPは
同じアーティストのモデルでも、
一番高いESP製、その次がEdwards製、そして一番安いのがグラスルーツというブランド別戦略をとっていて、
ESPはほぼプロ仕様、Edwardsはちょっとした部分で価格を削っているのだけれど、
なるべくESPに近づけようと一流のパーツをきちっと作った
日本のメーカーと職人の涙ぐましい努力がつまったブランドであった。
今回紹介する俺の所持するINORANモデルもEdwards製である。
INORANさんは通好みのギタリストというか、ギターが出す空間で勝負するタイプのギタリストで
俺のように不器用で一本気なギタリストとは全然違うギタリストだから、
当時新潟で見つけた時も値段は安いし、趣味として所持しておく
+ちょっと空間っぽいのを録りたい時に使うか程度の感じで買ったのだが、
実際はとんでもなく実用的なギターで最悪何かあっても余裕で買いなおせるのもあいまり
便利な道具として、本当に愛用させてもらっている。
まずINORANモデルの特徴としては、ギターで言うとレスポールタイプという
どちらかという分厚い音を出す仕様の多いギターの中で、シングルコイルという
ジャキジャキ鳴らせる音のシングルコイルピックアップを搭載しているというのが特徴である。
同じLUNASEAのSUGIZOモデルはより尖った仕様で全てがシングルコイルなのだが、
リアピックアップというギターの伴奏で太い音を出す際に使用するところがハムバッカーという、
従来のレスポールと同じ仕様になっているのが、俺の中では泣くほどうれしくて、
所謂俺のデフォルトスタイルであるハードロックギターを、このリアポジションで弾いて、
ジャキジャキした音やきれいな音をセンター、フロントというポジションのシングルコイルで弾く事ができる。
例えば、セッションのような席に出ると、
がちがちのメタルをやった後に、夜に駆けるを弾いたりと
ジャンルが全く違うという事もあるので、一本で凡そ常識的なジャンルの全てを抑えられるというのは
とてもありがたい事なのである。
ちなみに世間的なINORANさんのプレイはこのシングルコイルなので、
このギターのありがたポイントはなかなか世に出ない情報であると思う。
またそれ自体は最近流行っているスーパーストラトと呼ばれるタイプの
所謂なんでも弾けるうまい人のギターでもできるのであるが、
INORANさんのモデルはレスポールタイプというのが味噌である。
ギターはその形状によって、ロングスケールとショートスケールというネックに分かれており、
当然ロングスケールというのはネックが長い。
ネックが長いという事は一つ一つのポジションが広く、ショートスケールに対し、
ちょっと指を伸ばしたりという事が必要だ。
INORANモデルはデフォルトがレスポールという形の類のため、ショートスケールであり、
痒い所にすっと手が届く楽さがある。
実は特にライブというのは本当に過酷な環境でこういったちょっとした違いが結構大事であり、
弾くのが楽というのはとても価値がある。
そしてショートスケールは化学原理でロングスケールよりもチューニングが狂いやすいのだが、
そこのパーツをちゃんとGOTOHという一流メーカーの物を使う事でフォローしているあたり、
本当によくできていると感心してしまう。
ギターというのは希少価値とかブランド製でお値段が変わったりするアイテムで、
私自身も見栄っ張りな性格もあいまり、そういったギターも数本所持はしているのだが、
需要より供給が上回ってしまった結果、価値が低いとされるこのギターをとても愛している。
初心者で将来レスポールタイプでいきたいと思っている方がいるなら、
是非ともこれを探してみてはどうだろうか?
中級者になっていろいろとほしくなるのはあるあるなんだけど、
なんでも一定以上のレベルでやれちゃうこのギターは
どんなギター人生を送るにせよ、いい意味で穴を埋めちゃう一本なんだろうと思う。
逆に尖ったギターやジャンルが好きになってしまった人も、安心してそういうのにお金が使えちゃうわけだしね。
「Edwards INORANモデル」と調べればどこでだって買えちゃうんだからね。
最後にちょっとだけ変な話をすると、
夢の中でなぜか結構昔からこのギターを持っているという夢を見ることがあった。
結果INORANさんとは違うタイプのギタリストだが、なぜか所持しているという今になってしまった。



