1国税通則法の原則
期限内申告書を提出すべきであった者は、その提出期限後においても、決定があるまでは、納税申告書を税務署長に提出することができる。この申告書を期限後申告書という。

2相続税法の特則
(1)相続税の期限内申告書の提出期限後において次に掲げる事由が生じたため新たに期限内申告書を提出すべき用件に該当することとなった者は、期限後申告書を提出することができる。

①未分割遺産に対する課税の規定により分割されていない財産について民法(寄与分を除く。)の規定による相続分又は包括遺贈の割合に従って課税価格が計算されていた場合において、その後その財産の分割が行われ、共同相続人又は包括受遺者がその分割により取得した財産に係る課税価格がその相続分又は包括遺贈の割合に従って計算された課税価格と異なるとなったこと。
②相続任の廃除又はその取消しに関する裁判の確定、相続の回復、相続の放棄の取消しその他の事由により相続人に異動を生じたこと。
③遺留分による減殺の請求に基づき返還すべき、又は弁償すべき額が確定したこと。
④遺贈に係る遺言書が発見され、又は遺贈の放棄があったこと。
⑤条件を付して物納を許可がされた場合(その物納の許可が取り消され、又は取り消されることとなる場合に限る。)において、その条件に係る物納に充てた財産の性質その他の事情に関し一定の事由が生じたこと。
⑥ ①から⑤の事由に準ずるものとして一定の事由が生じたこと。

(2)贈与税の期限内申告書の提出期限後において(1)①から⑥の事由が生じたことにより相続又は遺贈による財産の取得をしないこととなったため新たに期限内申告書を提出すべき用件に該当することとなった者は、期限後申告書を提出することができる。


3措置法の特則
国等に対して相続財産を贈与した場合等の相続税の非課税の規定の適用を受けた者は、これらの規定の適用を受けた財産についてその財産の贈与を受けた特定の公益法人等、認定特定非営利活動法人又は金銭を受け入れた特定公益信託が、その贈与があった日又はその受け入れの日から2年を経過した日までに特定の公益法人等、認定特定非営利活動法人又は特定公益信託に該当しないこととなったこと、又はその贈与により取得した財産を同日においてなおその公益を目的とする事業の用若しくは特定非営利活動に係る事業の用に供していないことに伴いその財産の価格を相続税の課税価格に算入すべきこととなったことにより、相続税の期限内申告書を提出すべきこととなった場合には、その2年を経過した日の翌日から4月以内に期限後申告書を提出しなければならない。

4納付

期限後申告書を提出した者は、その申告書を提出した日まで又はその申告書の提出期限内に、その申告書に記載した相続税額又は贈与税に相当する相続税又は贈与税を国に納付しなけれなならない。

5その他

(1)相続税法の特則の任意的期限後申告書を提出したことにより納付すべき相続税額又は贈与税額に係る延滞税については、法定納期限の翌日からその申告書の提出があった日までの期限は、延滞税の計算の基礎となる期限に参入しない。
(2)措置法の特則の義務的期限後申告書で提出期限内に提出されたものについては、期限内申告書とみなす。
(3)期限後申告書には、一定の事項を記載し、一定の書類を添付しなければならない。


(注)上記において
①遺贈は、死因贈与を含む。
②相続人は、相続を放棄した者及び相続権を失った者を含まない。
③贈与は、死因贈与を除く。

NO34 納税地

1居住無制限納税義務者又は特定納税義務者

居住無制限納税義務者又は特定納税義務者に該当する者については、法施行地にある住所地(法施行地に住所を有しないこととなった場合には、居住地)をもって、その納税地とする。

2非居住無制限納税義務者、制限納税義務者及び出国する者

非居住無制限納税義務者又は制限納税義務者に該当する者及び居住無制限納税義務者又は特定納税義務者に該当する者で法施行地に住所及び居所を有しないこととなったものは、納税地を定めて、納税地の所轄税務署長に申告しなければならない。
その申告がないときは、国税庁長官がその納税地を指定し、これを通知する。


3納税義務者が死亡した場合

納税義務者が死亡した場合においては、その者に係る相続税又は贈与税については、その死亡した者の死亡当時の納税地をもって、その納税地とする。


4被相続人の住所が法施行地にある場合の特例
相続または遺贈により財産を取得した者(その相続に係る被相続人から相続時精算課税適用財産を贈与により取得した者を含む。以下同じ。)のその被相続人の死亡の時における住所が法施行地にある場合においては、その財産を取得した者については、当分の間、相続税に係る納税地は、1及び2の規定にもかかわらず、被相続人の死亡の時における住所地とする。

5人格のない社団等及び持分の定めのない法人の住所
代表者又は管理者の定めのある人格のない社団又は財団(以下人格のない社団等」という。)及び持分の定めのない法人(持分の定めのある法人で持分を有する者がないものを含む。以下同じ)が個人とみなされて納税義務者とされる場合における1及び2に掲げる住所は、その人格のない社団等及び持分の定めのない法人の主たる営業所又は事務所の所在地にあるものとみなす。


(注) 上記において、
① 居住無制限納税義務者は、相続、遺贈又は贈与により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するものをいう。
②特定納税義務者は、贈与により相続時精算課税適用財産

1国税通則法の期限内申告

(1)期限内申告
申告納税方式による納税者は、納税申告書を法定申告期限までに税務署長に提出しなければならない。この納税申告書を、期限内申告書という。

(2)期限の延長
税務署長等は、災害その他やむを得ない理由により、申告書を提出期限までに提出することができないと認めるときは、その理由のやんだ日から2月以内に限り、その期限を延長することができる

2相続税法における相続税の期限内申告

(1)本来の提出義務者
①一般の場合
相続又は遺贈(相続時精算課税に係る贈与を含む。以下同じ)により財産を取得した者及びその被相続人に係る相続時精算課税適用者は、その被相続人からこれらの事由により財産を取得したすべての者に係る相続税の課税価格(生前贈与加算又は相続時精算課税の規定の適用がある場合には、これらの規定により相続税の課税価格とみなされた金額。以下同じ)の合計額がその遺産に係る基礎控除額を超える場合において、その者に係る相続税の課税価格に係る相続税額(配偶者の税額軽減の規定の適用を受けないものとして計算した金額)があるときは、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内に期限内申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない
②相続財産法人に係る財産分与の事由が生じた場合
相続財産法人に係る財産分与の事由が生じたため新たな期限内申告書を提出すべき用件に該当することとなった者は、①の規定にかかわらず、その事由が生じたことを知った日の翌日から10月以内に期限内申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない

(2)提出義務の承継者
(1)の規定により期限内申告書を提出すべき者がその申告書の提出期限前にその申告書を提出しないで死亡した場合には、その者の相続人(包括受遺者を含む。以下同じ。)は、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内に、その死亡した者に係る期限内申告書をその死亡した者の納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

(3)提出期限の特例
(1)又は(2)に該当する者が納税管理人の届出をしないでそれぞれに掲げる期限内に法施行地に住所及び居所をしないこととなるときは、その住所及び居所を有しないこととなる日までに期限内申告書を提出しなければならない。

(4)提出を要しない場合
(1)又は(2)の規定は、その期限内申告書の提出期限に相続税について決定があった場合には、適用しない。

(5)申告書の添付書類
期限内申告書を提出する場合には、その申告書に被相続人の死亡の時における財産及び債務、その被相続人から相続又は遺贈により財産を取得したすべての者がこれらの事由により取得した財産又は承継した債務の各人ごとの明細その他一定の事項を記載した明細書その他一定の書類を添付しなければならない。

(6)申告書の共同提出
同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した者又はその者の相続人で期限内申告書を提出すべきもの又は提出することができるものが2人以上ある場合において、その申告書の提出先の税務署長が同一であるときは、これらの者は、その申告書を共同して提出することができる

3納付

期限内申告書を提出した者は、その申告書の提出期限までに、その申告書に記載した相続税額に相当する相続税を国に納付しなければならない

(注) 上記において、
①遺贈は、死因贈与を含む。
②被相続人は、遺贈をした者を含む。
③贈与は、死因贈与を除く。
④相続時精算課税適用者は、相続時精算課税選択届出書を提出した者をいう。
⑤相続人は、相続を放棄した者及び相続権を失った者を含まない。

NO.11財産の所在

1内容
次に掲げる財産の所在については、次に規定する場所による。


(1)動産若しくは不動産又は不動産の上に存する権利
その動産又は不動産の所在。ただし、船舶又は航空機については、船籍又は航空機の登録をした機関の所在

(2)鉱業権若しくは租鉱権又は採石権
鉱区又は採石場の所在

(3)漁業権又は入漁権
漁場に最も近い沿岸の属する市町村又はこれに相当する行政区画

(4)金融機関に対する預金、貯金、積金又は寄託金で一定のもの
その預金等の受入れをした営業所又は事業所の所在

(5)保険金
その保険の契約に係る保険会社等の本店又は主たる事務所(法施行地に本店又は主たる事務所がない場合において、法施行地にその保険の契約に係る事務を行う営業所、事務所その他これらに準ずるものを有するときにあっては、その営業所、事務所その他これらに準ずるもの。(6)においても同じ)の所在

(6) 退職手当金等
その退職手当金等を支払った者の住所又は本店若しくは主たる事務所の所在

(7)貸付金債権
その債務者の住所又は本店若しくは主たる事務所の所在

(8)社債若しくは株式、法人に対する出資又は外国預託証券
その発行法人等の本店又は主たる事務所の所在

(9)集団投資信託又は法人課税信託に関する権利
これらの信託の引受けをした営業所、事務所その他これらに準ずるものの所在

(10)特許権等で登録されているもの、商標権等登録されているもの
その登録をした機関の所在

(11)著作権でこれらの権利の目的物が発行されているもの
これを発行する営業所又は事務所の所在

(12)低額譲渡益の規定により贈与又は遺贈により取得したものとみなされる金銭
そのみなされる基因となった財産の種類に応じ、それぞれに規定する場所

(13) (1)から(12)に掲げる財産を除くほか、営業所又は事務所を有する者のその営業所又は事業所に係る営業上又は事業上の権利
その営業所又は事業所の所在

(14)国債又は地方債
法施行地(外国又は外国の地方公共団体その他これに準ずるものの発行する公債は、その外国)

(15)上記に掲げる財産以外の財産
被相続人又は贈与をした者の住所の所在


2判明時期
1に掲げる財産の所在の判定は、その財産を相続、遺贈又は贈与により取得した時の現況による。


(注)上記において、
①保険金は、共済金を含む。
②贈与は、死因贈与を除く。
③遺贈は、死因贈与を含む。
④被相続人は、遺贈をした者を含む。


1 趣旨
 資産移転の円滑化を図り、相続税と贈与税の一本化するため設けられた。


2 相続時精算課税の選択



(1)適用要件
 贈与により財産を取得した者がその贈与をした者の推定相続人(その贈与をした者の直系卑属である者のうちその年1月1日において20歳以上であるものに限る)であり、かつ、その贈与をした者が同日において65歳以上の者である場合には、その贈与により財産を取得した者は、その贈与に係る財産について、相続時精算課税の規定の適用を受けることができる。
(2)手続規定
 (1)の規定の適用を受けようとする者は、贈与税の期限内申告者の提出期限に(1)に規定する贈与をした者からその年中における贈与により取得した財産についてこの規定の適用を受けようとする旨その他一定の事項を記載した届出書(以下「相続時精算課税選択届出書」という。)納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
(3)贈与税額の計算
 相続時精算課税選択届出書に係る贈与をした者からの贈与により取得する財産については、その届出書に係る年分以後、相続時精算課税の規定により、贈与税額を計算する。
(4)不適用
 その年1月1日において20歳以上の者が同日において65歳以上の者からの贈与により財産を取得した場合にその年の中途においてその者の養子となったこととその他の事由によりその者の推定相続人となったとき(配偶者となったときを除く。)には、推定相続人となった事前にその者からの贈与により取得した財産については、(1)の規定の適用はないものとする。
(5)継続適用
 相続時精算課税選択届出書を提出した者(以下「相続時精算課税適用者」という。)が、その届出書に係る贈与をした者(以下「特定贈与者」という。)の推定相続人でなくなった場合においても、その特定贈与者からの贈与により取得した財産については、この規定の適用があるものとする。
(6)撤回不能
 相続時精算課税適用者は、相続時精算課税選択届出書を撤回することができない。

3 相続時精算課税に係る贈与税額の計算等


(1)相続時精算課税に係る贈与税の課税価格
 相続時精算課税適用者が特定贈与者からの贈与により取得した財産については、特定贈与者ごとにその年中において贈与により取得した財産の価格を合計し、それぞれの合計額をもって、贈与税の課税価格とする。
(2)適用除外
 相続時精算課税適用者が特定贈与者からの贈与により取得した財産については、贈与税の基礎控除、贈与税の配偶者控除及び贈与税の超過累進税率の規定は、適用しない。


(3)相続時精算課税に係る贈与税の特別控除
 ①控除額
 相続時精算課税適用者がその年中において特定贈与者からの贈与により取得した財産に係るその年分の贈与税については、特定贈与者ごとの贈与税の課税価格からそれぞれ次に掲げる金額のうちいずれか低い金額を控除する。
イ 2,500万円(既にこの規定の適用をうけて控除した金額がある場合には、その金額の合計額を控除した残額)
ロ 特定贈与者ごとの贈与税の課税価格
②手続規定
①の規定は、税務署長がやむを得ない事情があると認める場合を除き、贈与税の期限内申告書に一定の事項の記載がある場合に限り、適用する


(4) 相続時精算課税に係る贈与税の税率
 相続時精算課税適用者がその年中において特定贈与者からの贈与により取得した財産に係るその年分の贈与税の額は、特定贈与者ごとに、(1)の規定により計算された贈与税の課税価格((3)①の規定の適用がある場合には、その規定による控除後の金額)にそれぞれ20/100の税率を乗じて計算した金額とする。

4 相続時精算課税に係る相続税額



(1) 相続又は遺贈により財産を取得した相続時精算課税適用者
特定贈与者から相続又は遺贈により財産を取得した相続時精算課税適用者については、その特定贈与者からの贈与により取得した相続時精算課税適用財産(その取得の日に属する年分の贈与税の課税価格計算の基礎に算入されるものに限る)の価額を相続税の課税価格に加算した価格をもって、相続税の課税価格とする。


(2) 相続又は遺贈により財産を取得しなかった相続時精算課税適用者
①特定贈与者から相続又は遺贈により財産を取得しなかった相続時精算課税適用者については、その特定贈与者からの贈与により取得した相続時精算課税適用財産をその特定贈与者から相続(その相続時精算課税適用者がその特定贈与者の相続人以外の者である場合には、遺贈)により取得したものとみなして相続税を課する。
② ①により、特定贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなされて相続税の課税価格に算入される財産の価額は、贈与時における価格による。


(3) 相続時精算課税に係る贈与税額控除
(1)又は(2)①の場合において、この規定の適用を受ける財産につき課せられた贈与税があるときは、相続税額からその贈与税の税額(贈与税の外国税額控除前の税額とし、付帯税を除く。)に相当する金額を控除した金額をもって、その納付すべき相続税とする。