『狂熱の季節』『妻二人』『懲役十八年』『仁義なき戦い』『緋牡丹博徒 お竜参上』他、2022・12 | レイモン大和屋の <シネ!ブラボー>

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映画感想、読書感想を備忘録として書いてます。
三浦しをん氏のエッセイを愛読しています。
記憶に残る映画と1本でも多く出会えることを願っています。

1ヵ月に観た映画の鑑賞記録を1回にまとめて記事にするのは、時間的にも記憶の面でも難しいので、5,6本観た時点で簡潔な感想で記事にしようと思います。星取は観客目線の満足度を基準にしています。★5が満点 は0.5点

 

 

『狂熱の季節』1960年

監督・蔵原惟繕 原作・河野典生『狂熱のデュエット』

脚本・山田信夫 撮影・間宮義雄 音楽・黛敏郎

 

出演 川地民夫、千代侑子、郷鍈治、松本典子、長門裕之、

チコ・ローランド、深江章喜 ほか。

 

60年安保で騒然としていた年、日本でこんな映画が作られていたことにある種の感慨を覚えた。真夏の太陽は人を狂わせるのか、黒人ジャズに狂った若者・明(川地民夫)狂っているのは社会的地位?を持つ新聞記者も現代アートの芸術家も同じ。★★★★☆

 

 

『妻二人』1967年

監督・増村保造 原作・パトリック・クェンティン『酔いどれ波止場』 脚本・新藤兼人 撮影・宗川信夫 音楽・山内正

 

出演 若尾文子 岡田茉莉子 高橋幸治 伊藤孝雄 江波杏子

   三島雅夫 村田扶美子 長谷川待子 早川雄三 ほか。

 

増村保造×新藤兼人、プラス若尾文子、岡田茉莉子二大女優共演にしてはひねりも狂おしさもなくどこか物足りない内容。

原作が淡泊すぎるのか。★★★★

 

 

『懲役十八年』1967年

監督・加藤泰 脚本・笠原和夫・森田新 撮影・古谷伸    

   音楽・鏑木創 

 

出演 安藤昇 小池朝雄 桜町弘子 若山富三郎 近藤正臣 

   小松方正 山城新伍 水島道太郎 沢淑子 汐路章 ほか

 

昭和22年、特攻隊の生き残りの元海軍大尉・川田(安藤昇)と副官・塚田(小池朝雄)は戦争未亡人のための遺族救済のマーケットを作ろうとするが、川田が窃盗、傷害で刑務所に入ったことから暗転。近藤正臣の凶暴性が強烈。★★★★

 

 

『仁義なき戦い』1973年

監督・深作欣二 原作・飯干晃二 脚本・笠原和夫 撮影・吉田貞次 音楽・津島利章

 

出演 菅原文太 松方弘樹 梅宮辰夫 金子信雄 川地民夫   中村英子 三上真一郎 木村俊惠 伊吹五郎 高宮敬二 渡瀬恒彦 田中邦衛 曽根晴美 内田朝雄 渚まゆみ 志賀勝 名和宏川谷拓三 遠藤辰雄 福本清三 ナレーター小池朝雄 他。

 

「オヤジさん。言うといたるがのォ、あんた、初めからワシらが担いどる神輿じゃないの! 組がここまでなるのに誰が血ィ流しとるの。神輿が勝手に歩ける言うんなら歩いてみないや、おう!「山守さん・・・・弾はまだ残っとるがよう・・・」

 

昭和22年(1947)~昭和31年(1956)ヤクザ社会で生きる男たちの野望、裏切り、凄惨な死。★★★★★

 

『緋牡丹博徒 お竜参上』1970年

監督脚本・加藤泰 脚本・鈴木則文・撮影・赤塚滋 音楽・斎藤一郎

 

出演 藤純子(富司純子)菅原文太 安部徹 嵐寛寿郎 名和宏

   山岸映子 長谷川明男 三原葉子 夏珠美 山城新伍

   若山富三郎 天津敏 汐路章 沢淑子 林彰太郎 他。

 

雪の今戸橋のお竜と青山常次郎の別れは映画史に残る名シーン。『緋牡丹博徒シリーズ」の最高傑作。お竜とお君を左右に、画面の中央でミカンを食べ続ける三原葉子の名演技。

菅原文太出演作私的ベスト5。★★★★★

 

 

『長江哀歌(エレジー)』2006年

監督・脚本 ジャ・ジャクー 撮影・ユー・リクウァイ 音楽・リン・チャン

 

出演 チャオ・タオ ハン・サンミン ワン・ホンウェイ リー・チュウビン 他。

 

中国の国家的プロジェクト、三峡ダム建設によって水没する古都・奉節(フォンジェ)。長江流域に暮らす100万人の人々が強制移住を強いられる。ダム開発による水資源の安定、経済発展、観光開発の陰で取り残され貧困生活を余儀なくされる人々。発展の裏側にある現代中国の一断面。ゆるやかに流れる時間。★★★★☆