2022 8~10月の読書記録『夏物語』他 | レイモン大和屋の <シネ!ブラボー>

レイモン大和屋の <シネ!ブラボー>

映画感想、読書感想を備忘録として書いてます。
三浦しをん氏のエッセイを愛読しています。
記憶に残る映画と1本でも多く出会えることを願っています。

 パソコンの不具合でブログにログインできず記事を更新できなかった間(8月~10月)に読んだ本は以下の通りです。

森鴎外と谷崎潤一郎の作品は図書館返却期限に読み切れない作品が何篇かありました。そのほかの作品は全て読了していますが、記憶力の関係でほとんど断片的な印象しか残っておらず、感想を書くことは出来ませんでした。参考までに一覧の最後に印象に残った作品二十四選を挙げておきます。

(尚、ノートにメモを取らなかったので忘却している作品があるかも知れません。実用書関係の本は除外。)

 

 

『夏物語』 川上未映子(文藝春秋社)

 

 

 

 

『発光地帯』 川上未映子(中央公論社)

 

 

 

 

『人生激情』 三浦しをん(新潮文庫)

 

 

 

『ふむふむ教えて、お仕事!』 三浦しをん(新潮文庫)

 

 

 

『木暮荘物語』 三浦しをん (祥伝社)

 

 

 

『神去なあなあ日常』 三浦しをん (徳間文庫)

 

 

 

『風が強く吹いている』 三浦しをん (新潮文庫)

 

 

 

『まほろ駅前多田便利軒』 三浦しをん (文春文庫)

 

 

 

『まほろ駅前番外地』 三浦しをん (文春文庫)

 

 

 

『人間失格』 太宰治(新潮文庫)

 

 

『走れメロス』 太宰治 (新潮文庫)

収録作品 『女生徒』『富嶽百景』『東京八景』『駆込み訴え』

     『ダス・ゲマイネ』ほか全9篇。

 

 

『斜陽・パンドラの匣』 太宰治 (文春文庫)

 

 

 

『青銅の基督』   長與善郎 (筑摩現代文学全集23)

『竹沢先生と云ふ人』 〃       〃

 

『真知子』  野上彌生子       〃

『明月』     〃         〃

 

 

 

森鴎外  (ちくま日本文学全集)

収録作品 大発見・鼡坂・妄想・百物語・かのように・護持院原の敵討・じいさんばあさん・安井夫人・山椒大夫・魚玄機・最後の一句・高瀬舟・寒山拾得・文づかい・舞姫・沙羅の木

 

 

谷崎潤一郎  (ちくま日本文学全集)

収録作品 刺青・秘密・母を恋うる記・友田と松永の話

     吉野葛・春琴抄・文章読本抄

 

 

 

江戸川乱歩  (ちくま日本文学全集)

収録作品 白昼夢・火星の運河・二銭銅貨・心理試験         百面相役者・屋根裏の散歩者・人間椅子・鏡地獄・押絵と旅する男・防空壕・恋と神様・乱歩打明け話・もくず塚・旅順海戦館

映画の恐怖・幻影の城主・群衆の中のロビンソン・クルーソー

「探偵小説の謎より」(奇矯な着想・意外な犯人・隠し方のトリック・変身願望)

 

 

尾崎翠  (ちくま日本文学全集)

収録作品 こおろぎ嬢・地下室アントンの一夜・歩行・第七官界  彷徨・山村氏の鼻・詩人の靴・新嫉妬価値・途上にて・アップルパイの午後・花束・初恋・無風帯から・杖と帽子と偏執者・匂い

捧ぐる言葉・詩(神々に捧ぐる詩)

 

 

 

福永武彦  (ちくま日本文学全集)

収録作品 心の中を流れる河・幼年・遠方のパトス・深淵

     完全犯罪・岡鹿之助の詩的世界

     ゴッホとゴーギャン内面への道

     詩(夜及びその他のソネット・死と転生

       及びその他の詩)

 

 

 

岡本かの子   (ちくま日本文学全集)

 

収録作品 鯉魚・混沌未分・金魚繚乱・みちのく・鮨・家霊

     老妓抄・河明り・雛妓・短歌(かろきねたみより

     愛のねたみより・わが最終歌集より)

     太郎への手紙より 

 

 

  稲垣足穂   (ちくま日本文学全集) 

収録作品 一千一秒物語・鶏泥棒・チョコレット・星を売る店

     放熱器・フェヴァリット・死の館にて・横寺日記

     雪ヶ谷日記・山ン本五郎左衛門只今退散仕る

     空の美と芸術について・われら神仙主義

     似而非物語・タッチとダッシュ・異物と滑翔

 

 

 

夢野久作  (ちくま日本文学全集)

収録作品 いなか、の、じけん抄・瓶詰地獄・押絵の奇蹟

     氷の涯・人間腸詰・猟奇歌・謡曲黒白談より

     杉山茂丸

 

 

泉鏡花   (ちくま日本文学全集)

 

収録作品 雛がたり・国貞えがく・三尺角・高野聖・山吹

     天守物語・縁結び・歌行燈・湯島の境内

 

 

色川武大   (ちくま日本文学全集)

収録作品 ひとり博打・怪しい来客簿より・空襲のあと

     尻の穴から槍が・名なしのごんべえ・たすけておくれ

     唄えば天国ジャズソングより・アラビアの唄

     フウ?・チョイと出ました四人組・プランを変えて

     風と灯とけむりたち・善人ハム・ふくちんれでい

     オールドボーイ・男の花道・離婚・喰いたい放題より

     練馬の冷やしワンタン・大喰いでなければ

 

 

 幸田文  (ちくま日本文学全集)

収録作品 勲章・姦声・髪・段・雛・笛・鳩・黒い裾

     蜜柑の花まで・浅間山からの手紙・結婚雑談

     長い時のあと・みそっかす・対談樹木と語るたのしさ

 

印象に残った作品 二十四選

 

『女生徒』(太宰治)

『斜陽』(太宰治)

『パンドラの匣』(太宰治)

『高瀬舟』(森鴎外)

『友田と松永の話』(谷崎潤一郎)

『二銭銅貨』(江戸川乱歩)

『心理試験』(江戸川乱歩)

『鏡地獄』(江戸川乱歩)

『竹沢先生と云ふ人』(長与善郎)

『真知子』(野上弥生子)

『こおろぎ嬢』(尾崎翠)

『地下室アントンの一夜』(尾崎翠)

『アップルパイの午後』(尾崎翠)

『無風帯から』(尾崎翠)

『混沌未分』(岡本かの子)

『金魚繚乱』(岡本かの子)

『山ン本五郎左衛門只今退散仕る』(稲垣足穂)

『いなか、の、じけん抄』(夢野久作)

『人間腸詰』(夢野久作)

『高野聖』(泉鏡花)

『風と灯とけむりたち』(色川武大)

『男の花道』(色川武大)

『姦声』(幸田文)

『みそっかす』(幸田文)

 

「ちくま日本文学全集」は文庫本サイズの全集(全60巻)で、作家の数多い作品のほんの一端に触れるものではあっても、文庫サイズなので手軽に手に取れ、気になる作家の入門書的な意味で大変役に立った(解説と簡単な年譜あり)。特に以前から気になっていた尾崎翠の作品が「日本文学全集」に編まれ、読むことが出来たのは幸運だった。

 

個々の作品は断片的な印象しか残っていないので詳しい感想は書けないが、今手元にあり読み返せる『女生徒』(太宰治)は圧巻。谷崎の『友田と松永の話』はミステリーな要素で最後まで引き込まれ、内容も自分好み。江戸川乱歩は謎解きの面白さを越えて楽しめる。尾崎翠の感覚的な文章は新鮮で惹かれた。岡本かの子がこんなに面白かったとは。野上弥生子の文学探求の真摯さ、幸田文と父露伴、継母や弟とのエピソードにも打たれた。夢野久作のユーモアの効いた残酷さ、稲垣足穂の天体への少年のような憧憬、泉鏡花の夢幻的豊穣、色川武大の持病(ナルコレプシー)との果てしなき闘争、日本文学の豊かさと面白さ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パソコンの不具合でブログにログインできず記事を更新できなかった間(8月~10月)に読んだ本は以下の通りです。

森鴎外と谷崎潤一郎の作品は図書館返却期限に読み切れない作品が何篇かありました。そのほかの作品は全て読了していますが、記憶力の関係でほとんど断片的な印象しか残っておらず、感想を書くことは出来ませんでした。参考までに一覧の最後に印象に残った作品二十四選を挙げておきます。

(尚、ノートにメモを取らなかったので忘却している作品があるかも知れません。実用書関係の本は除外。)

 

 

『夏物語』 川上未映子(文藝春秋社)

 

 

 

 

『発光地帯』 川上未映子(中央公論社)

 

 

 

 

『人生激情』 三浦しをん(新潮文庫)

 

 

 

『ふむふむ教えて、お仕事!』 三浦しをん(新潮文庫)

 

 

 

『木暮荘物語』 三浦しをん (祥伝社)

 

 

 

『神去なあなあ日常』 三浦しをん (徳間文庫)

 

 

 

『風が強く吹いている』 三浦しをん (新潮文庫)

 

 

 

『まほろ駅前多田便利軒』 三浦しをん (文春文庫)

 

 

 

『まほろ駅前番外地』 三浦しをん (文春文庫)

 

 

 

『人間失格』 太宰治(新潮文庫)

 

 

『走れメロス』 太宰治 (新潮文庫)

収録作品 『女生徒』『富嶽百景』『東京八景』『駆込み訴え』

     『ダス・ゲマイネ』ほか全9篇。

 

 

『斜陽・パンドラの匣』 太宰治 (文春文庫)

 

 

 

『青銅の基督』   長與善郎 (筑摩現代文学全集23)

『竹沢先生と云ふ人』 〃       〃

 

『真知子』  野上彌生子       〃

『明月』     〃         〃

 

 

 

森鴎外  (ちくま日本文学全集)

収録作品 大発見・鼡坂・妄想・百物語・かのように・護持院原の敵討・じいさんばあさん・安井夫人・山椒大夫・魚玄機・最後の一句・高瀬舟・寒山拾得・文づかい・舞姫・沙羅の木

 

 

谷崎潤一郎  (ちくま日本文学全集)

収録作品 刺青・秘密・母を恋うる記・友田と松永の話

     吉野葛・春琴抄・文章読本抄

 

 

 

江戸川乱歩  (ちくま日本文学全集)

収録作品 白昼夢・火星の運河・二銭銅貨・心理試験         百面相役者・屋根裏の散歩者・人間椅子・鏡地獄・押絵と旅する男・防空壕・恋と神様・乱歩打明け話・もくず塚・旅順海戦館

映画の恐怖・幻影の城主・群衆の中のロビンソン・クルーソー

「探偵小説の謎より」(奇矯な着想・意外な犯人・隠し方のトリック・変身願望)

 

 

尾崎翠  (ちくま日本文学全集)

収録作品 こおろぎ嬢・地下室アントンの一夜・歩行・第七官界  彷徨・山村氏の鼻・詩人の靴・新嫉妬価値・途上にて・アップルパイの午後・花束・初恋・無風帯から・杖と帽子と偏執者・匂い

捧ぐる言葉・詩(神々に捧ぐる詩)

 

 

 

福永武彦  (ちくま日本文学全集)

収録作品 心の中を流れる河・幼年・遠方のパトス・深淵

     完全犯罪・岡鹿之助の詩的世界

     ゴッホとゴーギャン内面への道

     詩(夜及びその他のソネット・死と転生

       及びその他の詩)

 

 

 

岡本かの子   (ちくま日本文学全集)

 

収録作品 鯉魚・混沌未分・金魚繚乱・みちのく・鮨・家霊

     老妓抄・河明り・雛妓・短歌(かろきねたみより

     愛のねたみより・わが最終歌集より)

     太郎への手紙より 

 

 

  稲垣足穂   (ちくま日本文学全集) 

収録作品 一千一秒物語・鶏泥棒・チョコレット・星を売る店

     放熱器・フェヴァリット・死の館にて・横寺日記

     雪ヶ谷日記・山ン本五郎左衛門只今退散仕る

     空の美と芸術について・われら神仙主義

     似而非物語・タッチとダッシュ・異物と滑翔

 

 

 

夢野久作  (ちくま日本文学全集)

収録作品 いなか、の、じけん抄・瓶詰地獄・押絵の奇蹟

     氷の涯・人間腸詰・猟奇歌・謡曲黒白談より

     杉山茂丸

 

 

泉鏡花   (ちくま日本文学全集)

 

収録作品 雛がたり・国貞えがく・三尺角・高野聖・山吹

     天守物語・縁結び・歌行燈・湯島の境内

 

 

色川武大   (ちくま日本文学全集)

収録作品 ひとり博打・怪しい来客簿より・空襲のあと

     尻の穴から槍が・名なしのごんべえ・たすけておくれ

     唄えば天国ジャズソングより・アラビアの唄

     フウ?・チョイと出ました四人組・プランを変えて

     風と灯とけむりたち・善人ハム・ふくちんれでい

     オールドボーイ・男の花道・離婚・喰いたい放題より

     練馬の冷やしワンタン・大喰いでなければ

 

 

 幸田文  (ちくま日本文学全集)

収録作品 勲章・姦声・髪・段・雛・笛・鳩・黒い裾

     蜜柑の花まで・浅間山からの手紙・結婚雑談

     長い時のあと・みそっかす・対談樹木と語るたのしさ

 

印象に残った作品 二十四選

 

『女生徒』(太宰治)

『斜陽』(太宰治)

『パンドラの匣』(太宰治)

『高瀬舟』(森鴎外)

『友田と松永の話』(谷崎潤一郎)

『二銭銅貨』(江戸川乱歩)

『心理試験』(江戸川乱歩)

『鏡地獄』(江戸川乱歩)

『竹沢先生と云ふ人』(長与善郎)

『真知子』(野上弥生子)

『こおろぎ嬢』(尾崎翠)

『地下室アントンの一夜』(尾崎翠)

『アップルパイの午後』(尾崎翠)

『無風帯から』(尾崎翠)

『混沌未分』(岡本かの子)

『金魚繚乱』(岡本かの子)

『山ン本五郎左衛門只今退散仕る』(稲垣足穂)

『いなか、の、じけん抄』(夢野久作)

『人間腸詰』(夢野久作)

『高野聖』(泉鏡花)

『風と灯とけむりたち』(色川武大)

『男の花道』(色川武大)

『姦声』(幸田文)

『みそっかす』(幸田文)

 

「ちくま日本文学全集」は文庫本サイズの全集(全60巻)で、作家の数多い作品のほんの一端に触れるものではあっても、文庫サイズなので手軽に手に取れ、気になる作家の入門書的な意味で大変役に立った(解説と簡単な年譜あり)。特に以前から気になっていた尾崎翠の作品が「日本文学全集」に編まれ、読むことが出来たのは幸運だった。

 

個々の作品は断片的な印象しか残っていないので詳しい感想は書けないが、今手元にあり読み返せる『女生徒』(太宰治)は圧巻。谷崎の『友田と松永の話』はミステリーな要素で最後まで引き込まれ、内容も自分好み。江戸川乱歩は謎解きの面白さを越えて楽しめる。尾崎翠の感覚的な文章は新鮮で惹かれた。岡本かの子がこんなに面白かったとは。野上弥生子の文学探求の真摯さ、幸田文と父露伴、継母や弟とのエピソードにも打たれた。夢野久作のユーモアの効いた残酷さ、稲垣足穂の天体への少年のような憧憬、泉鏡花の夢幻的豊穣、色川武大の持病(ナルコレプシー)との果てしなき闘争、日本文学の豊かさと面白さ。