『やくざ絶唱』『悪太郎』『黒い太陽』『肉弾』『ハレンチ学園』他、2021.1月 | レイモン大和屋の <シネ!ブラボー>

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映画感想、読書感想を備忘録として書いてます。
三浦しをん氏のエッセイを愛読しています。
記憶に残る映画と1本でも多く出会えることを願っています。

 星取り(作品評価)は観客視点から観た満足度が基準です。(☆5が満点 ★が0.5点)作品紹介は製作年度の古い作品から紹介しています。評価が違う際はご容赦ください。(追記 数日前から訪問しているブログにいいね!ボタンが表示されずいいね!が出来ない状態です。悪しからずご了解お願い致します。) 

 

『雄呂血』(1925年 監督二川文太郎 脚本寿々喜多呂九平) 阪東妻三郎プロダクション設立第1作。

数十人の捕り手役人を向こうに回した阪東妻三郎伝説の大立ち回り。サイレント映画だが、弁士松田春翠の活弁版DVDも発売。

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

『妻よ薔薇のやうに』(1935年 原作中野実 監督・脚本成瀬巳喜男 ) 成瀬巳喜男前期の代表作。(☆☆☆☆☆) 

 

 

『愛染かつら(新篇・総集篇)』(1938年 原作川口松太郎 監督野村浩将 脚本野田高梧) 

前篇・後篇が焼失したため総集篇のみ現存。(☆☆☆☆★) 

 

 

『銀座化粧』(1951年 原作井上友一郎 監督成瀬巳喜男 脚本岸松雄) 後年高峰秀子が主演した成瀬作品『女が階段を上るとき』と比較鑑賞してみるのも一興。助監督石井輝男。(☆☆☆☆)

 

 

 

『原爆の子』(1952年 監督・脚本新藤兼人) 

1945年8月6日広島に原爆投下。1952年、7年後の広島の残像。(☆☆☆☆☆) 

 

 

『鋼鉄の巨人 怪星人の魔城』(1957年 監督石井輝男 脚本宮川一郎) その後の石井輝男を予見させる怪作。(☆☆☆☆☆) 

 

 

『悪太郎』(1963年 原作今東光 監督鈴木清順 

脚本笠原良三) 

「人には若い時にしか出来ないものがある。二十歳のときに出来ることを四十、五十になってやろうとしても出来はしない。

人生の年輪を作るためにも自分をみつめ考え、行動することは結構なことだ。絶望するなかれ。」 

鈴木清順の大正ロマンチシズム。(☆☆☆☆☆) 

 

 

『黒い太陽』(1964年 原作河野典生 監督蔵原惟繕 

脚本山田信夫) 

映画評論家的な評価はともかく、1964年東京オリンピックが開催される当時の銀座、取り壊し寸前の渋谷の廃墟の教会、荒涼たる晴海埠頭、来日中のマックス・ローチグループの音楽、アビー・リンカーンの唄、千代侑子、新人藤竜也を見ることが出来るだけで貴重な作品。(☆☆☆☆☆) 

 

 

『悪太郎伝 悪い星の下でも』(1965年 原作今東光 監督鈴木清順 脚本笠原良三) 

『悪太郎』と同じ笠原良三の脚本だが、こちらはドタバタ劇の様相。このあと作られる『けんかえれじい』『河内カルメン』を予感させる。(☆☆☆☆) 

 

 

『肉弾』(1968年 監督・脚本岡本喜八) 

岡本喜八的戦争観、人間観。ATGの一千万映画でこんな作品が作れるとは。(☆☆☆☆☆) 

 

 

『白昼堂々』(1968年 原作結城昌治 監督野村芳太郎 脚本野村芳太郎・吉田剛) 

『男はつらいよシリーズ』の寅さん渥美清と妹さくらの倍賞千恵子がここでは目出度く夫婦になって万引き稼業に精を出す。

のちに同じ原作で松坂慶子主演の「女咲かせます」(監督森崎東)も作られる。(☆☆☆☆☆) 

 

 

『妖怪大戦争』(1968年 監督黒田義之 脚本吉田哲郎) 実写版でもこんなに面白い妖怪映画が作れることを証明。(☆☆☆☆☆)​​​​​​ 

 

 

『ハレンチ学園』(1970年 原作永井豪 監督丹野雄二

 脚本・鴨井達比古・山崎巌) 

社会問題を巻き起こした?学園ナンセンス喜劇の傑作。

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

『ハレンチ学園 身体検査の巻』(1970年 原作永井豪 監督丹野雄二 脚本鴨井達比古・山崎巌) 

『ハレンチ学園シリーズ』第2作。1作目に登場した小松方正、由利徹、藤村俊二、大泉晃、雷門ケン坊らが俳優交代でパワーダウン。伊藤るり子、真理アンヌが収穫。(☆☆☆★)

 

 

『やくざ絶唱』(1970年 原作黒岩重吾「西成山王ホテル 崖の花」 監督増村保造 脚本池田一朗) 

妹を愛し過ぎてしまったヤクザな兄の壮絶な末路。

☆☆☆☆☆

 

 

 

『俺ら東京さ行ぐだ』(1985年 監督栗山富夫 脚本関根俊夫・高橋正國)

 吉幾三の同名ヒット曲の映画化。東京に出てカメラマンを目指す息子が心配で、東京に様子を見にやってきた両親と親に反発する息子。ありふれたパターンだが、植木等の父と林美智子の母親が好演。柏原芳恵の『太陽は知っている』が挿入歌で使われ、

吉幾三もタクシー運転手役で達者な演技。☆☆☆☆ 

 

 

『顔』(2000年 監督阪本順治 脚本宇野オサム・阪本順治) 2000年キネマ旬報ベストワンほか、主演女優賞(藤山直美)助演女優賞(大楠道代)など多数の映画賞受賞。☆☆☆☆★