『地獄』『女教師』『淑女は何を忘れたか』『赤い波止場』『青空娘』『サムライ』他、2020.12月 | レイモン大和屋の <シネ!ブラボー>

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映画感想、読書感想を備忘録として書いてます。
三浦しをん氏のエッセイを愛読しています。
記憶に残る映画と1本でも多く出会えることを願っています。

 鑑賞した作品の紹介文と画像を今まで別々にしてきましたが、ブロ友さんから紹介記事と画像が別々で読みずらい」という御指摘を受けましたので、今後は観た作品の紹介文と画像を連動するようにしていこうと思います。星取り観客的観点から見た評価です。(☆5が満点。★は0.5点)評価が違う際はご容赦ください。

 

 

『地獄』(1960年 監督中川信夫 脚本中川信夫・宮川一郎) 怪談映画の巨匠中川信夫が描く悪夢的映像の地獄絵図。(☆☆☆☆☆)      三ツ矢歌子       天上園とは何ぞや           三ツ矢歌子と天知茂           血の池地獄            針地獄  

 

 

『淑女は何を忘れたか』(1937年 監督小津安二郎 脚本・伏見晃・ゼームス槇)

 桑野通子(31歳で病死)がもっと長生きだったならば、田中絹代や高峰秀子に引けを取らない大女優になっていたのではないだろうか。豆腐屋小津安二郎の面目躍如。(☆☆☆☆)左、斎藤達雄 中、栗島すみ子 右、桑野通子

 

 

『ディア・ドクター』(2009年 原作監督脚本西川美和) 本物の医者より偽医者。(☆☆☆☆★)   右、八千草薫  左、看護師の余貴美子         左、女医の井川遥

 

 

『僕たちは世界を変えることができない。』(2011年 原作葉田甲太 監督深作健太 脚本山岡慎介) 

医科大の学生たちがボランティアでカンボジアに学校を作るために奮闘する実話に基ずく作品。(☆☆☆☆)左、向井理 右、村川絵梨     窪田正孝

 

 

『まほろ駅前多田便利軒』(2011年 原作・三浦しをん 

監督脚本・大森立嗣 ) 

多田便利軒にある種の憧れ。(☆☆☆☆)左から、松田龍平、永山瑛太、 片岡礼子、鈴木杏 中央、本上まなみ

 

 

『女教師』(1977年 原作・清水一行 監督・田中登 

脚本・中島丈博) 

砂塚秀夫がロマンポルノに出演しているとは知らず、

ラストに東松山(以前居住)の大鳥居や吉見百穴が出てきて

驚いた。それにしても凄い映画。中島丈博の脚本は怖い。(☆☆☆☆☆)左、絵沢萌子 右、砂塚秀夫左から蟹江敬三、永島暎子、樹木希林

 

 

『エロチックな関係』(1978年 原作レイモン・マルロー 監督・長谷部安春 脚本中島紘一・長谷部安春)

ラストの銃撃戦が撮りたくて、長谷部監督はこの作品を引き受けたのではあるまいか。ヒロインの新人牧ひとみは本田翼の雰囲気を持っていて良。(☆☆☆★)

 

 

『嵐を呼ぶ男』(1957年 原作監督・井上梅次 

脚本・井上梅次 西島大)

石原裕次郎の人気を決定づけた大ヒット作。

赤字だった日活がこの作品で復活。(☆☆☆☆)

 

 

『赤い波止場』(1958年 舛田利雄監督 脚本・池田一朗・

舛田利雄) 

『望郷』(ジュリアン・デュヴィヴィエ)をヒントにしたのが『赤い波止場』の裕次郎。『勝手にしやがれ』(ジャン・リュック・ゴダール)のベルモンドをイメージしたのが渡哲也主演のリメーク作品「紅の流れ星』。どちらも時代の雰囲気(気分)と

主演俳優の個性が引き立つ傑作。両作品とも監督が同じ舛田利雄だけに何度観比べても観飽きることはなく面白さは尽きない。

『赤い波止場』と『紅の流れ星』の主な登場人物の対照関係は次の通り。

富永二郎(石原裕次郎)⇒杉浦五郎(渡哲也) 

杉田圭子(北原三枝)⇒白川啓子(浅丘ルリ子) 

ママさん(轟夕起子)⇒(富永美沙子)

野呂刑事(大坂志郎)⇒宇須刑事(藤竜也) 

タア坊(岡田真澄)⇒キー坊(杉良太郎) 

マミー(中原早苗)⇒ユカリ(松尾嘉代) 

二郎の兄貴分勝又(二谷英明)⇒五郎の兄貴分大沢(深江章喜) 新聞記者白石(柳沢真一)⇒新聞記者黒岩(谷村昌彦)

殺し屋土田(土方弘)⇒殺し屋沢井(宍戸錠) 

タア坊の恋人美津子(清水まゆみ)⇒キー坊の恋人駒子(奥村チヨ) 

脚本池田一朗・舛田利雄⇒池上金男・舛田利雄 

音楽=両作品とも鏑木創(かぶらぎはじめ) 

美術=両作品とも木村威夫

撮影姫田真佐久⇒高村倉太郎。(☆☆☆☆☆)岡田真澄と清水まゆみ                裕次郎と北原三枝           裕次郎(左)中央・中原早苗、二谷英明(右) 五郎(渡哲也)とユカリ(松尾嘉代) 不貞腐れてジェンカを踊る五郎   啓子(浅丘ルリ子)を口説く五郎  啓子(浅丘ルリ子)と宇須刑事(藤竜也)五郎と殺し屋沢井(宍戸錠)、キー坊(杉良太郎)コッコ(奥村

チヨ)

 啓子(浅丘ルリ子)を説得する五郎(渡哲也) 警官に追いつめられる五郎  パリに思いをはせるペペ(ジャン・ギャバン)左、ジャン・ギャバン 右、ミレーユ・バラン左、ジーン・セバーグ 右、ジャン=ポール・ベルモンド

 

 

『夕陽の丘』(1964年 原作菊村到 監督松尾昭典 

脚本・国弘威雄・山崎巌) 

浅丘ルリ子が二役。

外れ馬券が舞う夜の函館競馬場での銃撃シーン。

ラスト、海岸を去ってゆく裕次郎の淋しい後姿がたまらない。(☆☆☆☆☆) 左、野呂圭介 中、裕次郎 右、和田浩治

 

 

『刺青一代』(1965年 監督・鈴木清順 脚本・直居欽也・服部佳) 

ラストの斬り込みに至る一連の見事な様式美は今や伝説。

人間群像のメリハリ感も素晴らしい。和泉雅子が超キュート。

松尾嘉代、伊藤弘子の色艶。赤い靴の男は・・・(☆☆☆☆☆)      松尾嘉代

 

 

『拳銃(コルト)は俺のパスポート』(1967年 原作・藤原審爾 監督野村孝 脚本永原秀一・山田信夫) 

日本のハードボイルド映画の最高峰。作品公開時の日活のプレスシートで、塩崎(ジェリー藤尾)が殺されたと書かれたため、

その後DVD発売時の紹介記事もそのままになっているという。

塩崎は生き延び、悪の領袖内田朝雄と佐々木孝丸は爆死したはず。(☆☆☆☆☆)     左、小林千登勢 右、武智豊子

       右、小林千登勢        ラストの銃撃戦

 

 

『黒の試走車」(1962年 原作梶山季之 監督増村保造 

脚本・石松愛弘・舟橋和郎) 

産業スパイがこの頃ブーム。(☆☆☆☆☆)         ライバル会社の情報を売り込む上田吉二郎      田宮二郎と叶順子ああ、やっとまともな暮らしが出来る(溜息)。

 

 

『青空娘』(1957年 原作源氏鶏太 監督増村保造 脚本・白坂依志夫) 

増村保造監督第2作目。

とにかく明るい若尾さん。(☆☆☆☆☆)右、わてが蝶々だっせ

 

       若尾文子と菅原謙二

 

『バベットの晩餐会』(1987年 原作アイザック・ディネーセン 監督脚本・ガブリエル・アクセル) 

デンマーク映画。アカデミー賞最優秀外国語映画賞受賞作品。

ステファーヌ・オードラン後期の代表作。(☆☆☆☆☆)ステファーヌ・オードラン

 

 

『サムライ』(1967年 監督脚本ジャン=ピエール・メルヴィル) 

アンリ・ドカエ(ドカ)のシャープな映像と無駄をそぎ落としたメルヴィルのクールな演出。ナタリー・ドロン、カティ・ロジェ、カトリーヌ・ジュールダンの魅惑。

しびれるラスト、フィルム・ノワールの名作。(☆☆☆☆☆)カティ・ロジェ左、ナタリー・ドロン 右、フランソワ・ペリエ左、カトリーヌ・ジュールダン