映画批評家や映画ファンの間で高評価の作品。原作は「太陽がいっぱい」のパトリシア・ハイスミスの自伝的小説。この作品が映画化されるまでには様々な紆余曲折があり、監督やテレーズ役で出演予定の女優が途中降板するなど、詳しい事情は分からないが色々あった模様だ。「ある、魅惑的な年上の女性と出会った若い娘の成長物語?」というのが観終わったあとの率直な感想だが、どうも監督が描こうとしたテーマが今一つピンとこなかった。「人は理由なく惹かれるものさ」「心に従って生きなければ人生は無意味よ」これは映画の中にある台詞だが、予告編でもこのセリフが強調されているので、どうやらこれがこの作品のテーマのようだ。1950年代が舞台だが、”同性愛”は現在でも偏見を持って見られているので、それに対するアンチテーゼ的な作品でもある。原作者のパトリシア・ハイスミスも監督のトッド・ヘインズも同性愛者を公表しており、おそらくこの事が作品の重要なテーマになっているのだろう。テレーズを演じたルーニー・マーラは素晴らしい演技だったが、主人公キャロル役のケイト・ブランシェットはセレブリティな奥様感は良く出ていたが、演技が露骨すぎて引いてしまうようなシーンがいくつかあった。これは監督の指示によるものか、彼女自身が考えた役作りだったのかは分からないが。ルーニー・マーラのカンヌ国際映画祭主演女優賞はほぼ納得、作品が「正式招待作品」止まりだったのも納得。☆☆☆★(☆5つが満点)
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