「2016年鑑賞 日本映画ベストテン」 | レイモン大和屋の <シネ!ブラボー>

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映画感想、読書感想を備忘録として書いてます。
三浦しをん氏のエッセイを愛読しています。
記憶に残る映画と1本でも多く出会えることを願っています。


 製作年度に関係なく、2016年に初見だった日本映画全てが対象。       1位 セトウツミ 2位 地の群れ 3位 恋人たち 4位 野のなななのか 5位 ほとりの朔子 6位 その夜の侍 7位 ヒメアノ~ル 8位 クリーピー偽りの隣人9位 さらば愛しき大地 10位 ちはやふる(下の句)次点 異邦人の河     映画を観て「愛しさ」を感じる作品にめぐり会うことなど滅多にあるわけではないが、大森立嗣監督の「セトウツミ」にはそれがあった。20年後の瀬戸と内海にまた会いたい。映画を観続けてよかった。2位「地の群れ」は井上光晴原作、熊井啓監督のATG作品。新人の紀比呂子が主演、鈴木瑞穂、松本典子、奈良岡朋子、北林谷栄、宇野重吉ら演劇界の名優が脇を固めた。部落差別、朝鮮人差別、原爆被災者差別などに切り込み、DVD化は不可能と言われていた作品。3位「恋人たち」ワークショップ絡みで制作された作品で主演俳優の演技力にやや違和感があり評価をさげたが、橋口亮輔はやっぱりいい。4位「野のなななのか」大林宣彦監督の北海道芦別映画。死者の魂がこの世をさまよっているという四十九日の出来事を過去と現在を多彩に織り交ぜて描く。群像劇だが、その中心にいるのが品川徹。大林監督の映画魔術はこの作品でも縦横無尽。5位「ほとりの朔子」久々に現れたレイモン大和屋イチ押し深田晃司監督作品。二階堂ふみ主演の群像劇。鶴田真由、古舘寛治、杉野希妃ら脇役陣が絶品。6位「その夜の侍」堺雅人、山田孝之W主演のサスペンス風ヒューマンドラマ。最愛の妻を交通事故で亡くした零細工場の経営者堺雅人の復讐劇。演劇出身赤堀雅秋監督の力強い演出力。共演の谷村美月、田口トモロヲも好演。7位「ヒメアノ~ル」𠮷田恵介監督の本年公開作品。おぞましい暴力描写(殺人)の数々から主人公(森田剛)の痛みと哀しみが伝わってきた。佐津川愛美が演技力のあるところを披露。8位「クリーピー偽りの隣人」黒沢清の新作。香川照之のサイコパス人間、竹内結子の洗脳されて行く隣人、地下に落下する笹野高志、人間真空パックを作る藤野涼子、見どころが一杯のホラーサスペンス。9位「さらば愛しき大地」共感できる人物がほとんど登場しないという柳町光男監督作品。弟を可愛がる親に拗ねて覚せい剤に溺れる根津甚八が痛々しくもあわれ。秋吉久美子の茨城弁を堪能できる貴重な一作。10位「ちはやふる~下の句~」広瀬すず主演の青春部活系映画。エンタメ色が強かった上の句とは一変して、すずの最強のライバル松岡茉優なども登場し「かるた」に懸ける青春群像をじっくり描く。次点「異邦人の河」在日朝鮮人の主人公をジョニー大倉が韓国名で演じている。大関優子(現佳那晃子)がヒロインを演じ、プロデュースを兼ねた中村敦夫や殺し屋役で藤田敏八も登場。ほかに印象に残った作品としてピエール瀧の凶暴ぶりが印象的な「凶悪」、真木よう子を観ているだけで幸せを感じ、阿部寛の気持ちが痛いほど解った是枝裕和「海よりもまだ深く」河瀨直美「あん」𠮷田恵介「ばしゃ馬さんとビッグマウス」「銀の匙 Silver Spoon」土居裕泰「ビリギャル」安藤桃子「0,5ミリ」などがあった。(追記 先日記事にした「2016年鑑賞外国映画ベストテン」で「愛、アムール」「さざなみ」を忘れていたので、それぞれ第2位、第3位として以下順位を繰り下げ、8位以下の作品を10位に変更しました)
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