こんばんは。


遅くなってしまいましたが、昨日(現在午前1時照れ)行われた新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』製作発表記者会見について。






既にネット等で詳細出ているので、今更…なのですが。


個人的に印象に残った事をお伝えできたらな、と思います。


1982年に雑誌「アニメージュ」で連載が開始され、足掛け13年をかけて完結した『風の谷のナウシカ』。


1984年に映画化され、日本だけでなく、世界中で愛されてきました。


その作品が、ついについに、今年12月新作歌舞伎として、新橋演舞場で上演されることになったわけです。


しかも。


松竹の安孫子副社長によると、新作歌舞伎が昼夜通しで行われるというのは…おそらく江戸時代に遡るのではないか、ということでしたびっくり






スタジオジブリの鈴木プロデューサーは…。


「今回僕らは原作を提供すると。その原作が歌舞伎となって、どんな風になるのか。期待する立場なんですよね。
だから、映画を作る時とは違って気が楽なんですけれど。」


と話すと、少し緊張技のように見えた菊之助さんも笑顔に照れ


そして。


「宮崎にとって、この『風の谷のナウシカ』というのは一番大事な作品なんですよ。精魂込めて自分の持っているもの全てをぶつけた作品。
その後『ラピュタ』とかその他の色んな作品を作りましたが、彼の中心にあるのは全てナウシカでした。
『ラピュタ』をはじめ『風立ちぬ』など、彼の中では『風の谷のナウシカ』の一部を切り取って作品にしたものが多いんですよね。」


と、宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』にかける強い想いというのも教えてくださいました。






そんな宮崎監督。


鈴木プロデューサーは歌舞伎で上演する事を断ると思っていたそうです。


「歌舞伎にすると話したのは約5年前。多分、彼が嫌がると思ってたんですよ。
というのも、各方面から色々頼まれて。
ハリウッドからと実写映画にしたいという話があったんですけど、全部お断りしてきたんですよ。
ところが今回に限ってはなぜか“やる”と、“やろう”といってくれたんですよね。
僕は断られると思ってたから、菊之助さんにお話をいただいた時、“『もののけ姫』はどうですか?”みたいな話しをした事もあるんですよ。
だけど、菊之助さんがやりたいのはナウシカだ、と。その一念で今日の日を迎えることになったんですよ。」


とのこと。


ただ、そこに宮崎監督が出した条件があったそうで…w


「1つ、『風の谷のナウシカ』というタイトルを変えないでほしい。
2つ目、これから記者会見その他色んなものがあるだろうけれど、俺は協力しないよ。笑
それを鈴木さんが全部やってくれるならOKだ、と。笑」


そして、鈴木プロデューサー自身も今回の作品に関われる事を喜んでらっしゃいました。


というのも…。


「僕のお袋が大の歌舞伎ファンでした。
歌舞伎という仕事にほんの少しなんですけれど関わらせていただいて、今回は本当に楽しい仕事になっています。
期待してます。いい作品を作ってください!」


と話し、菊之助さんや七之助さん、演出を手掛けるG2さんにエールを送っていましたニコニコ






そして、前述のG2さんは。


「1984年『ナウシカ』が公開された当時は、僕が大学を出て、エンタテイメント業界の末席に名を連ねたのと同じ時期なんです。
大変な衝撃を受けた事をずっと覚えています。
原作は濃密な全7巻ということで、先程七之助さんとも話していたんですけど、多分…これを演出する人は初日の後に灰になってるんじゃないかと。笑
なるべく古典歌舞伎の手法で、という菊之助さんの言葉もあり、知力、気力、体力の限界まで頑張りたいと思います。」


と意気込みを語ってくださいました照れ






今回、約5年をかけて準備をしたという菊之助さんは…。


「この日の記者発表を迎えられました事、今日皆様にお伝え出来ることに、今武者震いをしております。
初日まで約2ヶ月位となり、今も色んな準備や制作の方と舞踊ですとか衣装、道具、場面の背景など打ち合わせが盛り沢山ですけれど。
生み出す苦しみというよりも、ジブリの作品に寄り添い、歌舞伎ファンの方にもジブリファンの方にも絶対に納得していただける作品にしようと、鋭意制作段階に入っております。
今のラグビー日本ではないですけれど、“One for all, all for one“ 。1人が皆のために、皆が1人のために。一場面一場面しっかりと一座力を合わせて作り上げていきたいと思っています。」


と、熱い想いを話してくださいました。


そもそもは、東京オリンピックに向けて何か作れないかというところが出発点だったそうで。


世界中にファンが多いこの作品を歌舞伎として上演したいと思ったという菊之助さん。


この作品の魅力について…。






「絵の力、そしてナウシカという女性の持っている力強さ、可憐さに惹かれました。
そして原作の存在を知り、読んだ時にその深いテーマ性、壮大さの魅力に益々惹かれていきました。
この作品が描かれたの1980年代、日本がこれからバブル経済に突入していく、少し日本が浮き足立っていた時に、宮崎監督はユートピアではなくディストピアを描かれた。
戦争であり、エネルギー問題、環境問題、核の問題、遺伝子の問題まで描かれておりまして。
当時そこまで世の中の多くの人がそういった事を脅威に感じていたかというと、そうではなかったと思うんですよね。
それが2000年代になって、時間が経ち当時を振り返った時に…変な言い方ですけど、このテーマ性にこの現代というのが追いついてきた。
当時描かれていた問題を、現代の方が身近に感じている。」


と話して下さいました。


さらに…。


「ナウシカを演じるにあたり、ナウシカの可憐さは出していにいといけないな、と思っています。
【腐海】という現象を解きたいという謎解きから始まったものの、クシャナはじめ、トルメキア、土鬼(ドルク)といった色んな人物に会うことで、ナウシカは腐海ではなく、地球全体がナウシカと相対する。
7巻読み終える頃にはナウシカはすごく成長していると思うんです。そのナウシカの成長物語としても捉えています。」


ともおっしゃっていました。






七之助さんは…。


「菊之助のお兄様から電話がかかってきまして。
“『風の谷のナウシカ』をやるので力を貸してほしい”と言われた時に、『風の谷のナウシカ』をやると⁈と、純粋に驚きました。笑
私、以前ジブリ作品に出させていただいた時に、うちの兄もジブリ作品の大ファンでございまして。
ナウシカが初恋の人なんです。笑
これ、本当の話ですよ。
なので、私が声を録りにジブリのスタジオへ兄の運転で愛さんと3人で行った際に“やった〜!初めてジブリのスタジオに行ける♪”と大いに盛り上がっているんですけど。笑
僕は愛してるジブリの作品に仕事として今からやる、っていうのでずっと胃が痛くて…笑
関わらせていただいて本当に嬉しかった思い出があります。笑
そして、時を経て『風の谷のナウシカ』を、しかも私達のホームである歌舞伎でやらせていただけると…本当に嬉しく思います。」


と語って下さいました。






ご自身が演じるクシャナという役については…。


「映画でのクシャナと原作のクシャナは勿論違いますし、歌舞伎でのクシャナも多少違うんですけれど。
皆さまの想像するクシャナって、かっこよくて、最初は悪人で出てくるわけじゃないですか。
でも、原作では、ナウシカと会う事によって、自分の中の家族との関係性であったり、女性的と言いますか…常に父親を憎んでいるんですけど、どこかで愛していたりする中で、(父親に)ずっと蔑まされていて…。可哀想な女性でもあると思うんですよね。
力強さだけではなく、何故そういう行動に出てしまうのかといった心の揺れなどを考えて役作りをし、稽古に励んでいきたいなと思います。」


と真剣に話す一方で…。


記者の方からの「七之助さんといえば華麗な殺陣、そちらも楽しみにしています。」という言葉に対して…。


「そうですね。勿論、立ち回りだったり、大仕掛けなど多々あるんですが、そこはグリコのおまけですので…。」


とお茶目な一面を見せる場面もありました照れ






今回、メーヴェやオームなどのシーンについては、昨今の今風の手法ではなく、いかにも歌舞伎な手法を駆使していく、とのこと。


ただ…。


「主要人物に関しては観ていただく方にご負担をおかけしてはいけないと思っておりまして。
登場してすぐにナウシカであるとお分かりいただけるように、少し寄り添っていこうと思っております。
また、ナウシカで言うと、髪型ですとか衣装のエッセンスを、歌舞伎とどう融合するのか、合流地点を探しているところです。」


と菊之助さんはおっしゃっていました。


また、衣装などはデザイナーの方にお願いするのではなく、いつも歌舞伎を手がけている松竹の衣装さん、そして床山さんにお願いしているそうで。


皆さん手探りの中で頑張って試行錯誤してらっしゃるとの事でした。






どんな作品になるのか、全く想像はつきませんが…w


報道陣もいつも以上に集まり、海外のメディアもいらしていて、この作品に対する注目の高さが伺えました。


会見後、私も買おう!と意気込んでネットをチェックしたものの…。


一般発売を前に一等席と桟敷以外はほぼ完売びっくりびっくりびっくり


一般発売はかなり倍率が高そうです。


チケットは今月19日より販売開始、とのこと。


頑張るぞー。おー。


ではではでは。