こんばんは。
先日お伝えした【秀山祭】の取材会の様子。
全て書ききれなかったので、続きを…。
約40分に渡って行われた取材会。
集まった報道陣を終始笑顔和ませて下さったお2人でしたが。
特に相好を崩したのが…。
吉右衛門さんの孫・丑之助さんのお話が出た時でした
夜の部で共演することについて聞かれると…。
「菅秀才をやりますけど、長く座っている役なので大丈夫かな、と思いますけど(笑)
一緒に食事に行きましたら、七夕の短冊を付けるところがありまして。
彼が一生懸命字をおばあちゃんに聞きながら書いていて。
何を書いていたかというと“菅秀才ができますように”と書いて短冊につけてましたので、ああ、良かったな、と思いましたね。
今のところ気持ちものってますけれど、これがお稽古に入って長い間座っていたらどうなるかわかりませんけれど(笑)」
と、吉右衛門さん、満面の笑みで答えてらっしゃいました
そして、又五郎さんの孫であり、歌昇さんの長男・綜真くんが初お目見得することに関しても…。
「【沼津】の最初の出、というのは、お客様をウキウキさせなきゃいけないんですね。
こちらが沈んでしまうとお客様もウキウキしないですし。
今回は歌昇くんのお子さんが初お目見得というので、ウキウキ出来るなぁと(笑)
これもまた、お子さんの力をもって私は勤めたいと思っております。
夜の寺子屋も孫の力をへて勤めたいと思っております(笑)」
それを受けて歌六さんが…。
「毎日機嫌よく舞台に出てくれれば100点だと思いますよ。
僕は初お目見得の時、月の半分くらいしか出ませんでしたから(笑)
今日は痒いからやだ、って(笑)」
と話すと…。
吉右衛門さん「僕は初お目見得なんて、なかったよ(笑)」
歌六さん「いや、初お目見得って、ただ出されただけなんですよね。
チラシに名前ものりませんよ。
気が向いた時だけ出る、みたいな(笑)
当時のことは覚えてないですよ、何にも。3歳位なんで。
記録はあるけど記憶はない(笑)」
吉右衛門さん「今のお子さんは、本当にわかって出来る。すごい。」
歌六さん「凄いですよねぇ。」
吉右衛門さん「僕なんか初舞台しかやってないけど、初舞台からしばらくの間記憶ないですよ(笑)」
と、当時の事を思い出しながら、お二人盛り上がってらっしゃいました
そしてそして。
今回、夜の部で福助さんが出演される事についてもお話しされていました。
「だいぶ元気になりましたね。リハビリというのは大変苦しいものだと思いますけれど、それを乗り越えて今回も出演してくれるので、本当に嬉しく思っております。
ずっと一緒にやっていける女型さんだなぁ、と思っておりましたので、復活してくださって僕も共に喜んでおります。」
なんだか…。
吉右衛門さんのお言葉が温かくて。
横にいる歌六さんも、その言葉にゆっくりとうなずいてらっしゃって。
お二人の気持ちが伝わってきました。
夜の部の【寺子屋】。
お孫さんとの共演。
福助さんとの共演。
楽しみですね
また、先日人間国宝に認定された竹本葵太夫さんについて…。
「義太夫狂言の場合は、大夫さんと三味線さんのお二方の力に五分、六分…七分…頼っています。
おんぶに抱っこでございますよ、実のところ。
ですから、共演者が同じ方向を見て下さってるのとそうでないのでは、やってて役者として本当に違いますよ。
葵さんはここの所ずっと一緒にやって下さってますんでね。
共演の役者さんと同じように、こちらの気心が知れています。
気心が知れていると余計な心配をしないで役作りだけに没頭できるので、結果いい方向にいくと思っております。」
と、吉右衛門さんはお話されていました。
先日、そんな吉右衛門さんの著書「夢見鳥」が発売されました
「夢見鳥」というのは“揚羽蝶”という意味だそうで。
紋が揚羽蝶という事で、このタイトルにしたとの事でした。
タイトルの「夢」にかけて、「今どんな夢を抱いているか」という問いに対して吉右衛門さんは…。
「そりゃもう、初代と並ぶような歌舞伎役者になりたいなぁ、と。
それが夢でございます。
もう一つは80才で勧進帳の弁慶が出来たらいいなぁと思っております。」
と語ってらっしゃいました
そして、歌六さんは…。
「皆、一緒だと思うんですけど。
少しでもいい役者になりたい、というのが最終的な夢ですよね。
多分、僕ら役者はそれしかないんじゃないですかね。」
と話してらっしゃいました。
これだけ素晴らしい役者のお二人が…。
少しでもいい役者になりたい。
と話す姿に、なんだか、胸打たれました。
ちなみに。
夜の部の【松浦の太鼓】について。
「昔は忠臣蔵というのは日本人は誰でも知っていましたけどね。
最近は知らない若い方が増えているようですから。
忠臣蔵がわからないと、ちょっと意味がわからないかもしれないですね。
逆に忠臣蔵がわかっていればこんなにわかりやすい芝居はないんですよ(笑)」
と歌六さんは仰っていました。
もし、忠臣蔵をあまり知らないという方がいらしたら…。
少し知ってから行くと、より楽しめるかもしれません
今回、お二人の貴重なお話を伺うことが出来、個人的には…かけがいのない時間となりました
なるべく、そこでの様子やお話などを、余すところなくお伝え出来るようにしたいと思っているのですが…。
中々上手く伝えきれない部分もある中で。(他の記事に載っている内容は省いてる箇所もあります。)
乱文長文にも関わらず、最後までお読みいただき有難うございました








