山里の誰言い初めしさくらかな

天からは花に隠れて山の里


妻と東吉野村の高見の郷という枝垂れ桜の名所を訪れた。山腹に千本もの枝垂れ桜が咲き誇ると一面ピンク色に彩られるという。

9時開園というので8時半頃に到着したのだが、第七駐車場だけが空車という。なんということだ。

駐車場に車を停めてシャトルバスを待っていると、およそ10分で満車となり、駐車場待ちの長い車列となっていた先で係員が、停める場所はもうないと説明していた。

ギリギリやったな。

この駐車場からシャトルバスで高見の郷の前まで移動し、そこで入園料1人1500円を払って、今度はカートに乗って移動となる。

ここでもカート待ちの長い列となっていたので、歩いて桜のスポットまだ行くことにした。


坂を登りきったところでは、眼前に桜一色の世界が広がっていた。一面の薄桃色だ。

すでに園内は多くの人でいっぱいだったが、敷地が広いせいか、それほどの窮屈さを感じない。














休憩所でさくらロールケーキとバームクーヘンをセットで注文した。こうしたスイーツは観光地で残念な結果となりがちだが、ここのロールケーキは美味しかった。


枝垂れ桜に圧倒されて俳句は何も浮かばない。

もうしばらくして思い起こそう。


ただ、この高見の郷がある集落は、なんと桜の多いことだろう。鄙びた山里ではあるが、それぞれの家に桜があり、加えて路傍や畑の際にも点々と桜があり、集落全体で桜の共演が実現している。

桜の美しさを再認識した。