新藁や実りの熱の冷めやらぬ
積み上げた新藁そろりねこ車
先週からこの辺りの田んぼの稲刈りが始まって、この土日には大方の田んぼが刈り終わってしまった。
秋日和の続く中に急いで刈り取ったという感じがしないでもない。
刈り取られた田んぼには残照があるかの如くほのかな熱が感じられる。
畑には幾らかの敷き藁が必要となるため、知り合いの方から藁をもらい受けた。
電話がかかってきて、今なら藁が運べるという。
借りた猫車に藁を積み上げて運んだ。
田んぼは一部は少しぬかるみがあり、刻んだ藁の小さな道をだどって猫車を押すのだが、欲張って積み上げたせいか押すたびに荷崩れしそうで、安定性に欠ける。そろりそろりと田んぼの中を押し、畦道を押して行った。
もらい受けた藁はまだほのかに温みがあった。
秋の日差しの温みだろうか?それとも秋の実りの熱が残っているのだろうか?
その温みはほのかに立つ藁の匂いと相まって心地いい。古から多くの農民が一年の実りを五感で感じたものだろう。
藁を小屋の一角(前に畑を借りていた人が手作りした物置があるので使わせてもらっている)に積み上げた。これで一年、畑の敷き藁に困ることはない。
何やらこれからの一年の実りが期待できそうで、安堵し、嬉しい。
刈り取られた田んぼの向こうに秋の空