早苗田に風紋散るや発車待ち

風紋に早苗の騒ぎ収まらず

風紋を力となせり早苗かな

電車に乗って発車を待つ。

駅から見える田んぼには随分と水が張られ、すでに田植えを終えた田んぼもある。

発車待ちの電車の中で田んぼを眺めていると、風だろうか、苗が小刻みに揺れ、水面に風紋が散っていった。

風紋は風の通り道にできるのだろう、ひと所に風紋が出たかと思うと、すーっと散っていく。

風と水に揺さぶられた苗は小刻みに揺れる。


田植えを終えてしばらくすると水草が生え水面が緑色になると風紋も起きないだろう、苗が成長した後では風紋が広がることもない。

その意味では、風紋ができる一瞬は限られるのか。そんなことを考えながら眺めていた。


電車が動き出した。


棚田の田植え