7日間ブックカバーチャレンジ、2日目。



佐々木たづさんは、1日目にご紹介した童話集『白いぼうしの丘』を捜していた時、



わずかな手がかりを求めて一時期よくお名前を検索していたので、おそらくそれで出会った一冊ですが



後に私にとって、とても特別な一冊になりました。



都内の進学校に通う高校3年生の夏休みに突然見舞われた失明の兆し、



それを知ったご両親の驚き、悲しみ、その後の献身的なサポート、



失明を受け入れてからのご本人の努力と童話との出会い、



盲導犬を求めて渡英し現地での訓練、盲導犬ロバータを連れて日本に帰ってきてからの日々、



最後の富士山麓での散歩のシーンまで、一気に読了し、読後も心を打たれずにはいられませんでした。



戦後まもない時代の良識ある人々の思慮深さ、会話、行動は今、読むと驚かされることばかりで、



まだ自分が生まれていない昭和20年代、30年代に対する憧れというか、何か今とは違ったエネルギーがあったのではないかという思い



もちろん現在の方がよいこともたくさんあって、多くは幻想でもあるとはわかっているのですが



その頃の日本人が今の日本人とは違っていた、という思いは強くするのです。




『ロバータ  さあ歩きましょう』
佐々木たづ 
偕成社文庫 2000年 15刷



昭和39年(1964)に朝日新聞社から出版された本は、日本エッセイストクラブ賞を受賞しました。