元官僚の八幡和郎氏による日韓史である。これも保守派の論客であり、論調は以前に読んだ本()と似ている。同氏のネット記事をみて興味を持って本書を読んだ。Amazonレヴューが低めだったから気になったが、読了した感想としては、たしかにやや読みにくい箇所が散見される。出版社の校正がダメなんだと思うが、大まかには日韓関係を通史で説明しており、悪くはない。


古代において朝鮮南部の任那は日本の領土であったし、百済・新羅を臣下としたこともあったが(広開土王碑に記されている。また、McEvedy & Jones の推定では当時の日本の人口規模は西暦400~600年時点で朝鮮の3倍で国力の差は明らか)。その後、小国だった新羅が中国に隷従する代わりに後ろ盾になってもらって、唐の主導で高句麗・百済は滅ぼされ、朝鮮半島を統一したという。朝鮮に配慮して古代の力関係は朝鮮優位という論調だが、実際はずっと日本の方が大国であり、また朝鮮南部には倭人が多く住み、日本から伝わった古墳・土器なども出土している。なお、半島の北部は中国の楽浪郡が置かれて、中国の一部であった。朝鮮の方が先進的だったのもおかしな話で、たしかに陶磁器技術は朝鮮から伝わるなど文化の流入はあったが、建築技術等では遥かに日本が高度だった。それは名古屋城・大阪城などの巨大で壮麗な日本の建築に比べると、韓国の建築はどれも小規模で貧相だ。

 

朝鮮を統一した新羅の歴史をみると、倭人出身の王もいたこともあるが、朝鮮半島の古代史において日本の存在は無視されている。滅ぼされた百済の遺民などは九州に多数渡っているが、朝鮮半島から日本にわたってきた一族は、漢民族が過半数だった。日本でも有名な秦氏・東漢氏・王仁博士などはすべて漢民族である。朝鮮人が日本に技術・文化を伝えたというのはおこがましい。

 

朝鮮は長らく中国の一部だったり、隷従国家であったが、最近は歴史の改竄が酷い。朝鮮は、渤海を朝鮮史に組み込もうとしているが、渤海は日本に朝貢していたこともある。渤海を朝鮮史に取り込んだ場合、コリアン史観では日本は格下なのに、なぜか朝鮮の国の渤海は日本に朝貢していたという矛盾が生じる。朝鮮は自国を偉大に見せるために試行錯誤するが、結局、辻褄が合わない箇所が出てきてしまう。他にも、朝鮮は日本に侵略したことがないと主張する場合があるが、元寇の際に、高麗軍も日本侵略を行っている。元の支配下だったから仕方がないという人もいるが、事大主義の朝鮮よろしく、高麗は元朝に隷従し、さっさとモンゴル化して積極的に日本侵略に加担していた。そもそも歴史をさかのぼれば、朝鮮半島南部の日本領だった任那や日本の友好国だった百済も、新羅に滅ぼされているが、これも侵略に他ならない。

 

近現代史はすでに常識的だが、一部で虐殺等はあったが、日本から莫大な投資があったことは事実であり、また、ハングルの普及をしたのは日本であるなど、朝鮮の近代化に大いに貢献した。なお、伊藤博文を暗殺した安重根は朝鮮では英雄だとされているが、伊藤博文は朝鮮を保護国のままに近代国家化し親日国にする予定だったらしい。この暗殺のせいで日本国内で朝鮮の併合論が強まったというから、皮肉な話である。朝鮮は戦後に南北分断される悲劇に見舞われるが、これは米ソ対立の問題で日本に責任を押し付けるのはナンセンスである。

 

韓国の近現代史の改竄・捏造は十分周知されているが、古代~中世については、もう少し周知されても良いだろう。日本に伝わった技術・文化は多くが中国の物であり、それを伝えた渡来人も朝鮮人ではなく漢民族であるというのは知らない人が多い。また、日本は、人口規模や国土面積は一貫して朝鮮よりも大きく、渤海などの周辺諸国が日本に朝貢していた等の事実も周知されてしかるべきである。また、朝鮮は、渤海を朝鮮史に組み込もうとしたりと”歴史の横取り”に勤しんでおり、日本だと知られていないが、高句麗論争などをはじめとして中国との間で歴史論争が多い。実際、中国での韓国人の好感度は低く、好感度調査では中国人の日本への好感度は思いのほか高く8か国中の2位だが、韓国は5位に過ぎなかった。

 

慰安婦に徴用工問題で韓国は暴走しており、日本側の配慮や譲歩は無意味どころか有害だった。韓国は中国の一部または隷従の歴史が長く、ガバナンスの能力が低いのだ。軍事政権下では国内を暴力で押さえていたが(軍事政権下では自国民の拷問・虐殺が横行していた)、民主化したことでコントロールが効かなくなった。そこで仮想敵国を設定し、また愛国心を鼓舞し国を統治しようとするが、国内は滅茶苦茶だ。両班の名残りもあり社会格差は固定化し、過剰な競争社会で、教育コストが高いので出生率は著しく低く、今年の出生率は世界で唯一1人を割る予測だ。自虐的に韓国では「ヘル朝鮮」という言葉が流行語になっていることからも悲壮感が伝わってくる。セルコントロール能力が低い韓国に必要なのは宗主国かもしれない。中国が朝鮮半島を手懐ければ、東アジアは少しは安定するかもしれない。

安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が14日、会談し、昭和31(1956)年の日ソ共同宣言を基礎に今後3年以内の平和条約締結を目指すことで合意しました。これにより日露交渉が大きく動き出すことになります。この機会に、大きな懸案となってきた北方領土をめぐる問題についてまとめました。-- 産経新聞

 

北方問題が急に動き出した。私も北方四島は日本の領土と学習したし、実際に昔から日本人が居住していた事実がある。しかし、領土というものは可変的である。カリブのにはオランダ領島、南アメリカにはイギリス・フランスの領土があるし、イベリア半島のジブラルタル海峡はイギリス領だ。「昔から日本人が住んでいたので返してください」という感情論は国際政治学ではお話にならない。

 

日本はサンフランシスコ条約で千島列島を放棄している(北海道の付属島である歯舞群島と色丹島は含まれない)。しかし、米ソ冷戦において、米国のダレス国務長官が、南千島(国後・択捉)も日本の領土と認める意向を示し、その頃日本側は二島返還を進めようとしていたが、米国側が拒否したことで領土問題は暗礁に乗り上げた。当時、沖縄は米国の占領下にあって、米国側の意向を無視するわけにはいかなかった。以降、四島一括返還で日露は対立することになる。米国の戦略としては、冷戦において日露が対立している方が好都合ということだったのである。そもそも条文解釈論としても、放棄した千島列島には、南千島が含まれていないという日本側の主張はこじつけに近い。

 

日本の固有の領土との主張も説得力はない。前述のとおり領土など可変的なものだ。ある民族が住んでいるとして、その領土がその民族のものだというのは、近代に生じた政治的なイデオロギーに過ぎない。そもそも日本人の固有の領土といっても、北方四島を開拓したのはアイヌ人であって、当時は蝦夷地と呼ばれ差別されており、倭人とは民族を異にする。そもそも固有領土だと言い張ってロシアが返還してくれるなら楽な話だ。こうした感情論では紛争解決がなされないので、近代社会において”非人格的な法”による支配が発達したのであって、法的な拘束力のない固有領土論は無意味だ。こうした固有の領土論に理があるとすると、尖閣諸島は中国の固有の領土だという無茶苦茶な主張も一考しなければならない。

 

日本が経済的に圧倒的に優位だった時期もロシアは四島一括返還には応じなかった。日本は衰退国家であり、ますます国力は落ちる。二島返還で決着させ、ロシアとの関係におけるしこりは無くしておいた方が賢明というものだろう。


ロシアとしても状況は同じだ。ロシアは国土面積が広く、軍事力もあるので大国のイメージがあるが、一人当たり名目GDP(米ドル換算)ではブラジル・中国と大差なく、日本の4分の1に過ぎない。出生率は回復傾向とはいえロシアの人口減少は著しく、広大な領土だが、2050年にも人口は1.2億人にまで減る。新興国の成長もあり、相対的に国力が落ちており、広大な領土を持つロシアとしては領土問題を確定させておくことが合理的なのだ。

 

北方領土問題を解決した場合、他国に実効支配されている我が国の領土は竹島だけとなる。サンフランシスコ条約は我が国の敗戦の結果であって、敗戦国としての現実を受け入れて、同条約に沿った解決をはかる他ないだろう。

 

 

前記事を書き、韓国史に興味が出たので、別の本も読んでみた。モンゴル史の研究者の宮脇氏の書いた韓国史である。一応興味深く読ませてもらったが、あくまで朝鮮史が専門ではないので、著者の憶測の域を出ない箇所も散見される。日本のおかげとかいう恩着せがましい表現もあるが、朝鮮側から「大きなお世話だった」といわれればそれまでだろう(以後、大韓民国を言う場合は韓国、朝鮮半島全体をいう場合は朝鮮と表現する)。日本の自虐史観もどうかと思うし、朝鮮側の日本悪玉論もまともではないが、日本保守層のこうした親切な日本人像を歴史や政治にも当てはめて、日本人がそんなことするはずないというのはナンセンスだ。特に朝鮮人差別が全くなかったという箇所も疑わしい。現代日本の外国人労働者への冷遇ぶりをみれば、教育水準も民度も現在より低かった100年前に、差別が無かったとは到底思えない。日本人ですら労働者の権利が十分に保護されてなかった時代である。たしかに朝鮮人で日本に渡り出世した人もいるが、当時、朝鮮は極貧で、そんな地域からの移民への差別がなかったとは到底思えない。

 

しかし、大日本帝国の韓国支配が過酷だったというのもナンセンスだ。衛生状態が改善され、食糧増産は進んだことで日本統治時代に朝鮮の人口は増加し、GDPも増えた。これは統計から明らかだ。朝鮮は貧しく歳入が不足した際は、日本から補填していた。日本の支配によって近代化したは紛れもない事実である。しかし、”親切な”日本が朝鮮人のために朝鮮を発展させたというのもナンセンスだ。道徳や感情論で歴史を語るのがわかりやすいが、頭が悪い人向けだ。日本は覇権国を目指していたのだろうし、朝鮮半島が列強の手におちたら日本侵攻の拠点になるので国防上の問題も過分にあったはずであるし、列強に伍するために国土拡大を図っていたのも事実だろう。歴史は様々な要因・思惑が絡みあい、単純に善・悪で簡単に分けられない。大陸の端っこの島国で、呑気に平和に暮らしてきた日本人からすると、世界史は理解し難いが、世界的にみれば、長らく平和で呑気に暮らしている日本の方が特殊なのである。現在でこそ平和な欧州も、権謀術数が渦巻く戦乱・殺戮の地域だった。

 

個人的に気になるのは、日本の通俗的な歴史観だと、日本は遅れた土地で中国・朝鮮半島などから文化・技術などを輸入したとなっている。しかし、McEvedy & Jonesの推定では西暦400年時点で朝鮮 50万人、日本 150万人の規模で、古代日本の人口規模は朝鮮の3倍だった。この人口比は時期によるがほとんどの時期を通し、日本の方が3~4倍の人口規模だ。現在の北朝鮮と韓国を合計しても、朝鮮半島の面積220,571km2しかない。日本は377,972 km²だから、日本を100とした場合、58.3 程度の広さしかない。朝鮮半島は、面積・人口規模において、日本に劣る弱小国に過ぎなかった。日本と朝鮮の力関係が、朝鮮半島の方が優位だったとは到底理解できない。ちなみに、かつて日本は貧しかったというイメージもあるが、マディソンの推計では、世界の一人当たりGDPに対する日本の一人当たりGDP倍率はおおむね0.9~1倍で、おおよそ平均的な豊かさの水準だった。

 

朝鮮半島がそんなに強国だったわけではないことは、歴史的な資料からも明らかだ。広開土王碑や中原高句麗碑などの韓国側の資料にも新羅等は倭(日本の)の支配を受けたとあり、4世紀頃には朝鮮半島南部は日本の一部だった。こんな領土争いは世界史をみればごく普通の話だが、日本だと韓国側に配慮してか、あまり知られていない。朝鮮が日本に朝貢していたことがあるというのも歴史的な事実だ。結局、新羅は唐と結託し、唐の軍事力を背景に朝鮮半島を統一するが、ここで朝鮮半島は大国の属国となり生きていくことが決定的になる。以後、朝鮮半島は、モンゴル・中国・ロシア・日本と、その時々の一番強い国にすがり、ときにその国の一部になって隷従の歴史を歩むことになる。

 

近代では「民族自決」「民族国家」という言葉に代表されるように、国家は民族単位で存在すべきだという考えがある。これはオスマン帝国・清王朝などの多民族国家を弱体化させるために好都合であり、また、ナチスドイツの拡大においては、自国と同じ民族が住んでいるということが侵略の口実になっていった。ただの政治的イデオロギーに過ぎない。日本は大陸から隔絶しているので、民族の同質性が高く、国家は民族国家だと思いがちで、その視点から歴史を観るがナンセンスだ。朝鮮半島は民族が入り乱れる土地で、朝鮮人なる概念も流動的で、特に北部はモンゴル等の侵略を数多受けたので非常に混血が進んでいる。4~5世紀、朝鮮半島南部には倭の支配が及んでいたのは前述のとおりで、また日本からの移住者も多く、日本から朝鮮半島に文化流入もあったことは、日本式の古墳・土師器が見つかっており、実証されている。朝鮮半島から一方的に文化・技術などが流入していたかのような歴史観は明らかに誤りなのだ。長い歴史をとおして力関係では日本が上であり、江戸時代の朝鮮通信使も、韓国側に配慮して対等な交流となっているが、あれは朝貢である。1600年の人口推計をみると、日本の人口は朝鮮半島の5倍であり、文禄・慶長の役ではあっという間に日本側が朝鮮半島を制圧していることからも分かるように、人口規模でも軍事力でも日本が上だった。その是非はどうであれ、圧倒的差のある二国が対等なわけがない。それであるのに、日本側の譲歩でユネスコに登録されてしまった。日本のお人よしもここまでくるとおめでたい。

 

それにしても、本書を読んで、あらためて朝鮮がすごいと思ったのは、変わり身の早さだ。中国が強ければ中国に朝貢し、元に攻められれば元に下ってモンゴル化し、ロシアが強いとみればロシアにすり寄り、日本に併合されれば日本人化して、日本敗戦で朝鮮が独立したと思えば、被害者だと大騒ぎして乞食のように援助・謝罪を求める。日清戦争で、清に見切りをつけた朝鮮王は、「露館播遷」してロシア公使館から朝鮮半島を統治していたという事実には驚かされる。こうして勝ち馬に乗れの精神は隷従国家ゆえだ。戦後もずっと反日政策だったわけではなく、日本が高度成長期には友好ムードを演出して援助を引き出している。都合が悪くなると、被害者・加害者の関係は永遠に変わらないといって大騒ぎし始める。大国の干渉ゆえに自律的な国家運営が出来なかったので、朝鮮は幼稚に留まらざるを得なかったのだ。

 

朝鮮半島は、大国に蹂躙され、国家内部においても階級が固定化し社会が停滞し、国内でも醜い殺戮・弾圧が繰り返され、悲劇な歴史を歩んだが、儒教などには”救い”の概念がなく、苦渋・嫌悪・苦痛・憎悪・悲哀・無念などの感情は昇華されずに鬱積していき、「恨の文化」が成立した。鬱屈した感情は、「火病」という韓国人特有の精神疾患も生み出した。これは歴史から生まれた朝鮮人の宿痾なのだ。

 

次々に宗主国を乗り換えるので、朝鮮には国家に継続的な正当性など存在しない。王朝が倒れると、前王朝の一族は無残に惨殺されて徹底的にその正当性が否定される。現在でも韓国は大統領が倒れると、前大統領は悲劇的な末路を迎えるが、これは韓国の歴史がそうさせるのである。国家に継続的な正当性がないので、前政権がやったことなど知ったことではないというのが彼らの論理だが、これは国際法秩序に反している。前政権のやったことなど知らないと言い出したら、国際秩序は滅茶苦茶になってしまう。こうした韓国の幼稚な論理は、朝鮮がずっと大国に隷従し、大国の傘で生きてきたので、自律的な防衛や自主的な外交をした歴史が浅いためだ。

 

韓国の都合の良い歴史観は興味深い。韓国は、第二次世界大戦で戦勝国だったと勘違いしているが、当時は日本の一部であり、カイロ宣言に基づき米国が独立を承認するのは1948年だ。朝鮮半島は合法的に日本に併合され、日本の一部だったのである。これは歴史の事実である。また、最近、北朝鮮・韓国が、朝鮮戦争を終戦させようと動いているが、その話のベースの「朝鮮戦争休戦協定」の韓国は当事者ですらない。停戦協定は、国連軍・中国軍・北朝鮮軍で締結されたのであり、韓国は当事者ではなく、当事者である中国抜きに話しは進められない。

 

上記のように書くと私が韓国が嫌いなようだが、個人的に韓国料理は好きだし、韓国文化だと特に音楽家の活躍および韓国映画の質は、素晴らしいものがある。韓国は世界第12位の経済強国であり、一人当たりGDPでは日本の8割程度にまでなってきており、その経済力は評価すべきである。経済だけではなく、そろそろ韓国は政治・社会的に成熟したらどうだろうかと思うが、中国の経済成長が著しく、再び中国は超大国になろうとしており、朝鮮は中国傘下に入るのではないだろうか。結局、大国に翻弄されるのは、地政学的な朝鮮の宿命なのだ。朝鮮の異常性は歴史的に生まれたもので、またそれが小国朝鮮が生き延びる術だったので、日本基準で批判しても仕方がない。日本人が平和ボケなのは地政学的・歴史的に仕方がないのと同様に、隷従者には隷従者の論理がある。しかし、隣国の韓国の精神基盤がどのようなものなのか、日韓関係を維持する上では知っておく必要性がある。

 

【余談】

本書で初めて知ったのだが、ハングルだが、あれはモンゴルのパスパ文字の影響を受けているという。モンゴルに高麗は支配されるが、その結果、朝鮮の知識人はモンゴルのパスパ文字を習得していたという。それをベースにハングルをつくったらしい。

 

 

個人的にはこういう本はヘイト本的で好きではないが、昨今の慰安婦問題に加えて、徴用工訴訟問題も加わり、韓国は政治だけではなく、司法もまともではないということが明らかになってきている。同著者の「『民族』で読み解く世界史」が面白かったので、本書も読んでみたが、それなりに興味深く、新しい発見があった。私は歴史学者ではないし、「野蛮」などの差別的用語の使用はいかがなものかと思うし、記載の細かい正確性は判断できないが、本書が描く大局的な視点は、説得力がある。

 

なぜ韓国はまともな国ではないのか?感情的な性格、卑屈さの一方でのプライドの高さ、事大主義等の傾向は何によって生じたのか?それを知るには、長らく大国に蹂躙されてきた朝鮮半島の歴史を知る必要がある。隣国なので日韓関係は継続しなければならないので、韓国の行動原理を理解することは重要である。ユーラシア大陸の端っこで、ほどほどに大陸から技術などを輸入し、そこそこ豊かに暮らしてきた日本人は、韓国の悲惨な歴史ゆえに育まれた貧しい隷従者の行動原理を理解するのは難しい。

 

朝鮮半島は土地が痩せており、貧しく、長らく中国に隷従し、属国としてなんとか生き延びてきた。中国からすれば、朝鮮半島は辺境にある貧しいエリアで、直接支配する価値すらもなかったので、朝鮮の王朝を認めていたが、その地位は極めて低かった。朝鮮の王朝は、莫大な贈り物を中国にしなければならないが、貧しかったので金品ではまかなえず、若い女性を朝貢品(「貢女」という)として差し出していた。当初は身寄りのない女性などを差し出したが、中国側に美女・処女を差し出すように強要されたため、貢女を選別する役所まで設け、さらには処女を差し出すために、早期の婚姻を禁止したほどだったという。清王朝のときは中国からの勅使に対して、朝鮮王は「三跪九叩頭の礼」(手を地面につけ、額を地面に打ち付ける礼を9回も繰り返す礼)で迎えた。高麗・李氏朝鮮は、主権を奪われたのも同然で、中国の属邦に過ぎなかった。もはや国の威信もあったものではない。

 

例えば、天皇陛下が土下座して中国の勅使を迎えることなど、日本人の心情からは到底承服できないが、完全に飼いならされた朝鮮の王はそれに従っていた。なお、台湾出兵の処理に赴いた特命全権大使副島種臣が、清の同治帝に謁見した際に三跪九叩頭の礼を強要されるが、初めて立礼で皇帝に謁見している。

 

中国に逆らえば厳しく報復されたので、中国にこびへつらうという事大主義になった。中国からすれば朝鮮は、隷属国に過ぎなかったが、朝鮮は、惨めさを正統化するように、中国の偉大な文化を踏襲したと理解し「小中華」の思想が生まれた。中国に頭が上がらないが、「トラの威を借る狐」となった韓国、日本を見下すようになる。しかし、貧しく衛生状態も悪かったので朝鮮は人口も少なく、李氏朝鮮末期の1864年時点ですら人口680万の弱小国だった。1870年時点で日本は人口3279万人で朝鮮の4.8倍の規模で、国力の差は明らかだ。

 

1446年に世宗が、訓民正音(ハングル)を制定したが、愚民のためにつくったと残している。自国民を”愚民”呼ばわりする王がどこの国にいるのだろうか。これは儒教を曲解し、上下関係を過剰に重視する韓国ゆえの発想だ。おまけに小中華思想に染まっていた韓国は、ハングルの使用は、中国文明からの離脱だと知識人から反発があり、ハングルは女・子供の文字だと馬鹿にされた。日本が韓国併合の後に、大幅に識字率が上昇し、漢字とハングルの併用が一般化するが、日本の敗戦後に反日・反中政策としてハングルのみの単一使用が一般化することになったという経緯がある。

 

日本だと武将が逃げるのは恥だが、朝鮮にはそういう発想がない。文禄・慶長の役では、朝鮮の王は後退を繰り返し、逃げ回った。ちなみに、韓国は日本を見下す傾向があるが、文禄・慶長の役のあった時期の人口推計をみてみると、1600年時点でMcEvedy & Jones の推定だと、日本の人口は日本は2200万人に対して朝鮮500万人だったから戦力の差は明らかだった(独1200万人、仏1050万人、西850万人)。李承晩大統領も朝鮮戦争で北朝鮮に追い詰められると逃げ回り(ソウルから逃げる際に橋を爆破して数百人の市民を犠牲にした)、大の日本嫌いだったにも関わらず、日本・山口県に亡命政府の建設をGHQに打診していたというから恥も外聞も無い。

 

韓国には「独立門」があるが、これは日本・清王朝との間で下関条約が締結されたことで、朝鮮は独立することになったことを記念して建てられた。これを日本からの独立に誤解している韓国人が多いが、これは日本からの独立運動の記念館が近くにあるためだ。これには韓国政府が意図的に誤解するように誘導している意図がある。もともと独立門の前には「迎恩門」があり、ここで朝鮮の王は何度も土下座して中国の使者を迎えていたのだ。

 

中国と韓国の隷従関係は変わらない。韓国はTHAADOの配備を巡り、中国に通常ではあり得ないほどの冷遇をされている。中国を訪問した文大統領を、格下の中国外務次官補が出迎えに来た挙句、文大統領は習主席とは会えず、さらには共同記者会見・食事会も無しだった。中国は韓国を同格とは見えていないのだ。さらには、習主席が「韓国は中国の一部だった」と発言したと、トランプ大統領がバラしてしまった(ソース)。実際、韓国は中国の一部といっても過言ではない時期も長いのだが。傍若無人の北朝鮮の金正恩も、習主席の前で、懸命にメモを取ったらしいが(ソース)、このメモを取るという行為は、部下や格下の行う行為である。北朝鮮は中国に隷従するという意思表示に他ならない。著者の見立てでは、北朝鮮を完全に中国の支配下に置き、その後、北朝鮮側の主導で、北朝鮮・韓国の連邦体制を構築させるのではないかという。そうすることで、朝鮮半島を再び中国の支配下にしたいという思惑があるという。

 

しかし、韓国側には米国がついているのでそうはうまくいかない。韓国には単独での軍の統帥権もないのだ。これは李承晩大統領が米軍に泣きついて助けてもらったので、韓国大統領は米国国防長官を通じて統帥権を行使する。韓国は長らく中国の庇護のもとにあったので、自主自立の防衛力を欠いており、また米国としても中国を抑止する拠点として韓国を手放さないだろうから、中国側のシナリオ通りにはいかないだろう。

 

とはいえ、隷従根性が染みついた韓国は、強者に取り入るのが上手だ。全斗煥は核開発を再開発したように演出し、米国からの圧力を受けると停止し、米国の歓心を買って支援を引き出している。朴正煕は、親日をアピールして日本から支援を引き出したが、彼は親日なのではなく「用日」だったという。こうして強者から支援を出す術に長けているのが韓国外交なのだ。中国は大国の歴史があり戦略に長けているが、島国で呑気に暮らしてきて大国の自覚すらない日本は、韓国にいいようにやられている。米国は、親北朝鮮の文大統領が、制裁解除を欧米に交渉した際には、「米国の承認なしに、韓国は何もできない」(要は、韓国の言い分は聞かない、米国の言うことを聞け)とトランプ大統領が発言し、上下関係を明らかにしている。日本はそんな気概もない。

 

韓国が、悲惨で苦しい惨めな歴史を歩み、卑屈・隷従のなかで歪んだ性格になってしまったことは同情に値する。韓国は分断国家ゆえに分かりやすい敵(日本)を作り出すのも致し方がない - 対外的に敵を作り出すのは常套手段だ。日本は戦前の反省から、韓国の負の歴史を語ることははばかられた。しかし、韓国が中国の隷従国だったこともまぎれもない事実であり、これを日本人はこの歴史を直視し、韓国の行動原理を理解すべきだ。

 

そして、そんな中国に虐げられてきた貧国かつ弱小の韓国が、現在発展したのは日本が韓国を独立させ、莫大な投資をした結果だ。韓国は小中華で満足し、そんなもの望んでいなかったのかもしれないが、韓国が富裕国になったのは日本の投資による結果だ。格下とみていた日本からの投資により発展したことでプライドが傷ついたことも、日本が韓国人を虐殺したという事実も一部は認めなければならないが、日本から韓国への莫大な投資も事実として認めなければならない。

 

しかし、日本も学習してきており、徴用工裁判では、外務省が、韓国の不当性を対外的に発信している。過去十数世紀にわたり染みついた韓国の隷従者の行動原理は変わらない。日本の対韓外交の一歩は、相手はまともな国ではないと認めるところからだ。韓国は、日・中・米の三大国の狭間でもがく小国に過ぎない。呑気に暮らしてきた平和ボケした日本の行動原理は、悲惨で惨めな歴史を経験した韓国人には通じないと知ることが、韓国人と付き合う一歩だろう。

 

 

カナダにいるが、こちらはラテン諸国からの留学生が多いのだが、そういえばあまりラテン諸国について知らないので、ラテンアメリカに関する本を読んだ。ちなみに、中南米は世界人口の8.4%、GDPでは世界の6.9%を占めている。

 

長大なタイムスケールで描いているというのが本書のセールスポイントだが、本書はなんと大陸誕生の話からスタートする長大ぶりである。

 

資料がないので細かい文化などについては分かっていないが、中南米にはアステカ・インカ・マヤなどの巨大な帝国があり、高度な文明を築いていた。しかし、その高度な文明にも関わらず、15世紀になるまで他の大陸との関わりはなく、アメリカ大陸は孤立していた。そんな中南米が世界史に巻き込まれるのは、1500年代にピサロ・コルテス等、スペイン人が侵略してきてからである。

 

スペイン人は火器等、原住民より強力な武器を持ち、さらに原住民の部族同士の対立を煽るなどしてあっという間に中南米の帝国を滅ぼし、植民地化し、中南米の富を収奪していく。俗説とは裏腹に、入植者は中南米で事業家として成功し、裕福に暮らしたようである。サトウキビ・砂糖・香辛料などの栽培や、金・銀の採掘などが行われ、スペイン王室・ポルトガル王室は大いに富んだ。しかし、過酷な労働やスペイン人等がもたらした疫病で中南米の人口は激減してしまう。そこで、ブラジルなどではその労働力確保のために、アフリカから黒人奴隷が輸入された - 現在でもブラジルは黒人比率が高い。なお、スペイン・ポルトガルは南米を押さえた一方で、後発のイギリス・オランダ・フランスは主に北米への入植を目指すことになる。

 

ちなみに、中南米の原住民がなぜ疫病に弱かったかと言えば、ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」によれば、南アメリカ大陸は縦に長いが、緯度により気候が変わるので、人口移動が起こりにくく、病原菌への免疫を身に着けられなかったからだという。ユーラシア大陸は横に長いが、横への移動は気候が同じなため移動しやすく、交易が盛んなため、長い歴史を通して様々な病原菌がもたらされ免疫が強化されたのだという。アフリカも発展しなかったのは同じく大陸の形に意味があるという(英国のアフリカ縦断政策は失敗し、フランスのアフリカ横断は成功したのは、その気候の影響もあるという)。

 

結局、中南米はヨーロッパからは遠く、また現地が富むことで力を増していき、スペイン・ポルトガルへの反逆が相次ぐことになる。また、本国から遠いので、生産量をごまかして現地支配者が懐に入れるなどの不正も横行していたらしい。さらに、本国人の数を、現地生まれの白人(クリオーリョ)が増加し、また混血(メソティソ)の人口も増えていき、新たな社会勢力が誕生する一方で、スペイン・ポルトガルは広大過ぎる植民地を維持するだけの経済的な体力がなく、また王位継承問題による混乱も重なったことで国力が衰退し、中南米では徐々に独立の機運が高まっていく。そんな中、英雄シモン・ボリバルが5カ国をスペインから独立させるなどして、南アメリカは列強の支配から逃れ、独立していくのだ。

 

入植当初は、もともと文明があったインカ帝国(ペルー)などは人口も多く発展されていたらしいが、現在ではブラジルが「南米の雄」であるが、ブラジルが発展したのは、ポルトガルのブラガンサ王朝がナポレオンを逃れてブラジルに逃れ、リオデジャネイロに首都を遷都し、ブラジル帝国を樹立したことで発展したそうだ - 遷都した当時はリオデジャネイロはとても貧相な町で王族は腰を抜かしたそうだ。結局、本国では内戦を経て、マリア2世の治世で王室は権威を回復するも、産業革命によりブルジョアジーの間で共和主義が台頭し王制は廃止され、また、ブラジル帝国でも第2位代皇帝が奴隷制を廃止したことがきっかけでクーデターが起き、廃位されることになった。こうしてポルトガル王室は歴史に幕を閉じたのだった。ちなみに、ポルトガル植民地のブラジル帝国と、スペイン植民地のラプラタ副王領(アルゼンチン)の緩衝地帯としてウルグアイが建国されているなど、中南米諸国は列強に翻弄されている。

 

先住民族、奴隷として連れてこられた黒人、クリオーリョにメソテーソなど、人口構造をみただけでも、中南米の社会構造は複雑だ。おまけにスペインなどが植民地政府が消えたことで権力の空白が生じ、そこでカウディーリョと呼ばれる独裁者が台頭。植民地政府からやっと独立したと思ったら独裁政権が樹立され、親子・子分関係、身内の優遇、汚職、公金横領、収賄などの負の遺産が取り残された。一方で経済面でも、カウディーリョ政治が、一部の上層階級の既得権益を保護し、貧富の格差が残された。これらは現在でも中南米の歴史に暗い影を落としているという。


スペインの後にイギリスが覇権を握るが、世界大戦で国力を低下させ、パクス・アメリカーナが、パクス・ブリタニカにとってかわり、中南米もアメリカの影響下に入るのだ。しかし、アメリカの高圧的な態度により、中南米諸国のアメリカへの反感は少なくない。中南米は、500年のヨーロッパからの軛から解放され、政治・経済・文化的な自立を遂げ、現在は民主主義への道を模索しているという。ラテン文学の作者から6人ノーベル文学賞受賞者がいるが、これは文化的な自立の一側面であろう。中南米はまだ独自の歴史を歩み始めたばかりなのである。

 

非常に中南米の歴史をコンパクトにまとめた良書である。

 

〔追伸〕

話しは変わるが、ブラジルはBRICsの一員であり、メキシコはNEXT11に数えられている。21世紀は新興国の時代とも言われたが、しかし、新興国も自国の人件費の上昇や後発新興国との競争に巻き込まれ、次々に「中進国の罠」にはまっている。2009年にメキシコが、2015~2016年にはブラジルはマイナス成長に陥った。アルゼンチンは、2012年・2014年・2016年にマイナス成長しており、成長とマイナス成長を繰り返している。出生率は先進諸国よりは当然高いが、コロンビア(1.85人)、チリ(1.77人)、ブラジル(1.72人)で、人口置き換え水準をすでに下回っており、メキシコも緩やかに出生率が落ち続け2016年時点で出生率2.18人で、人口置き換え水準を下回るのは時間の問題だ。中南米も高齢化の足音が近づいてきている。政治・社会の複雑性に加え、天然資源への依存、また宗主国との貿易が主だったので、中南米間において地域的な貿易ネットワークがなく地域統合が困難なことなどもあり、個人的には中南米は先進国にならずに中進国に留まるのではないかと思っている。