世界中で大ヒットを記録しているクリストファー・ノーラン監督の最新作。もうめっちゃ面白かった。172分と3時間近いがほんと釘付けで長さが気にならない。全編IMAX仕様で撮影されているので、ぜひIMAXの映画館で観てほしい。私は日本最大のIMAXスクリーンである池袋にあるグランドシネマサンシャインで鑑賞したが、映像・音響含めて映画の世界への没入感が桁違いで大満足。なお、アメリカで空前の大ヒットらしいが、やっぱアメリカって歴史が浅いので、欧州の昔の古典とかに興味があるんだろうなと思う。

原作はホメーロスの作品とされ、古代ギリシアの二大叙事詩の一つである。トロイア戦争の終結後に、参戦していたイタケの王であるオデュッセウスが、家族の待つ故郷への帰還の旅を描いた作品。その中で様々な試練に立ち向かうというのが大きな流れである。原作は未読であるが、壮大な叙事詩を3時間の中にうまくまとめたなと思う。おまかけにちゃんと映画序盤の伏線が終盤で綺麗に回収されていくので、映画としての完成度が高い。

前提知識無しでも楽しめるかもしれないが、トロイの木馬、ゼウスの掟、アガメムノン、セイレーン、ポセイドンなどは知っているとより楽しめるだろう。それにしても原作は紀元前700年前後に成立したが、本作のトロイア戦争やオデュッセイアの帰還は紀元前1200年代中期である。その頃に、これだけ高度な文明があったのだと改めて驚かされる。映画終盤の文明は滅びてもまた興るという台詞が、歴史の反復性を想起させる。

それにしても、マット・デイモン、アン・ハサウェイ、シャーリーズ・セロンなど、俳優陣も豪華そのもの。ゼンデイヤの神秘的な雰囲気でははまり役。ロバート・パティンソンもいい味を出している。トム・ホランドも若々しくていいが、これから俳優としての円熟が楽しみだ。まだ3か月あるが、今年のベスト映画は本作で決まりだ!

 

★ 4.6 / 5.0