「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」は、パリ国立ピカソ美術館が有するパブロ・ピカソの作品約80点を、英国人デザイナー、サー・ポール・スミスがデザインした会場で展示する展覧会である。サー・ポール・スミスといえば、トラディショナルなブリティッシュスタイルに、遊び心のあるモチーフやカラフルな色彩を加えたスタイルで人気のデザイナーである。本展覧会でもその才がいかんなく発揮されており、大変魅力的な展示となっている。
ピカソというと、キュビスムが有名だが、それは彼の作風の一つでしかない。キュビスム作品のあまりの有名さに、彼の写実的な作品や、青の時代・バラの時代などの作品は埋もれがちだが、実際のところ彼の天才性は、キュビスム以外の形式の作品にもいかんなく発揮されている。それをサー・ポール・スミスがユニークな方式で展示しているのだから魅力的でないわけがない。
個人的な感想であるが、展示品数は少ないのだが、逆にこれぐらいの作品数のほうがじっくりと鑑賞できるので良いのではないかと思う。それにしてもポールスミスの遊び心がありながら、作品とマッチした展示レイアウトには恐れ入る。表現力が乏しくて申し訳ないが、「滅茶苦茶いい!」。あえて詳しく書かないが、ぜひ訪れて体感してほしい。アートは二次元の情報ではなく、美術館での観客の熱気や感嘆の声などを含めて、観て聴いて感じる五感で堪能するものだ。
それにしても個人的に一番すごいなと思ったのは晩年の作品である。グロテストとも思えるような作品だが、大胆な構図と迸る躍動感と、激情的な色彩に、強い生命力と創造性を感じた。命が尽きるその一瞬までも芸術に捧げようという彼の魂の力強さを感じる用だったように思う。そして、思う、「こうなりたい」と。ピカソの作品に通底するのは”生命への尊重”のように思う。
素晴らしい展示会だったので、ぜひ多くの人に観てほしい。














