世界的ピアニストを多く輩出してきたことで知られる「第19回ショパン国際ピアノ・コンクール」が2日、ポーランドの首都ワルシャワで開幕した。予備審査を通過した世界各国・地域の84人のピアニストが参加予定で、このうち日本人は中国に次いで多い13人に上った。ー 日経新聞

 

さて、5年に一度のショパンコンクールがいよいよ開幕である。前回は反田恭平が第2位(日本人最高位)、小林愛実が第4位入賞で話題となった(以下、敬称略)。ショパンコンクールは世界三大ピアノコンクールに数えられ、歴代の上位入賞者にはアルゲリッチ、ポリーニ、ブーニン、アシュケナージ、ツィマーマン、ケヴィン・ケナー、内田光子など錚々たる面々が並ぶ。

 

YoutubeでLIVE配信しているので、予選から本選までリアルタイムで楽しめるので、ぜひ視聴して推しのピアニストを見つけてほしい。今回は予選から全員の演奏を聴こうと思っていたのだが、やはり仕事との関係もあり、さすがにそこまで時間が取れないので、第3次ぐらいから全員チェックできればと思う(;^ω^) とりあえず、気になるピアニストをピックアップして聞いておこうと思う。ちなみに、今回からベヒシュタインが使用ピアノとして半世紀ぶりに追加されて、スタインウェイ、ヤマハ、シゲルカワイ、ファツィオリ、ベヒシュタインから選べるようになった。

 

予備予選段階で、世界から642名のピアニストが応募があり、選考委員会による書類&音源審査を通過した28の国と地域の171名が予備予選に選ばれた。最も多いのは中国の67名で、次いで日本24名、韓国23名と続く(二重国籍を含む)。開催国のポーランドは、10名が出場。

 

予備予選でさらに絞り込まれ66名が選出され、これに19名の予備予選免除者とともに一次予選へと進んでいる。一次予選出場者の国別の内訳を見ると、最も多かったのは中国の28名、次いで日本・ポーランドが各13名、アメリカが5名、カナダが5名、韓国が4名と続く。韓国勢がかなり絞り込まれた印象だ。アメリカ・カナダの出場者もアジア系が多いので、それを考えると、半数以上がアジア系となっており、特に中国勢の台頭が著しい。

 

それにしても、今回の出場者には相当な実力者が含まれており、混戦が予想される。あくまでコンクールは水物で、審査員が変われば結果も変わる。何を重視するかというコンクールとしての意思表示である。別にコンクールの結果がすべてではない。ロンティボー優勝者の亀井聖矢は、今回は予備予選が通過できなかったが、エリザベート王妃国際コンクールのほうで第5位に入賞しているし、前回の予備予選で落選した久末 航は、エリザベート王妃国際コンクールでは第2位だった。

 

さて、今回のコンクールに相当な実力者が含まれていると書いたが、まずは、エリック・ルー(米国)だ。第17回ショパン国際ピアノコンクールで第4位に入賞しており、さらにリーズ国際ピアノコンクールでは優勝している。次に、ケヴィン・チェン(カナダ)。ジュネーブ国際ピアノコンクール及びルービンシュタイン国際ピアノコンクールの優勝者である。そして、パデレフスキ国際ピアノコンクール及びロンティボー国際ピアノコンクールの優勝者で、前回大会のファイナリストのイ・ヒョク(韓国)。

 

欧州勢だと、ヨナス・アウミラー(ドイツ)は、ブラームスコンクール優勝、仙台国際ピアノコンクール第2位、浜松国際ピアノコンクール第2位の実力者。ドイツ人はショパンコンクールでは上位入賞歴がないため、初の入賞が期待される。アルベルト・フェッロ(イタリア)は、ブゾーニ国際ピアノコンクール第2位、エリザベート王妃国際ピアノ・コンクールで第6位入賞。

 

日本勢も実力者が並ぶ。牛田智大は浜松国際ピアノコンクール第2位だが、すでにコンサートピアニストとして人気が高い。前回大会では第2次で落選したが、今回はコンサートホールの響きも把握しており、結果が期待される。桑原志織はルービンシュタインとブゾーニ国際ピアノコンクールにおいてそれぞれ第2位入賞、エリザベート王妃国際コンクールでも入賞(ファイナリスト)。山﨑亮汰は、ブゾーニ国際ピアノコンクール第3位、ケアロヒ国際コンクールとクーパー国際コンクールでは優勝している。小林海都は、リーズ国際ピアノコンクール第2位(日本人最高位)、浜松国際ピアノコンクール第3位。

 

当然、コンクールは先述の通り水物であり、様々な要因により入賞が決まるので、いままでの経歴など参考情報にしかならないし、ラファウ・ブレハッチのように驚嘆する新星のような才能が見つかるかもしれない。いずれにしてもコンテスタントたち全員の健闘を願いたい。