ちょっと品川のほうへ行く用事があったので、以前から観てみたかった旧竹田宮邸洋館を観てきた。ここらへん周辺は、江戸時代には「薩摩藩島津家下屋敷」をはじめとする大名屋敷があったが、明治時代になると大名屋敷跡は政財界の要人や華族の邸宅地として利用された。昔は海を臨めた風光明媚だった土地だそうだ(実は品川は埋め立て地である)。
政治家・後藤象二郎伯爵家の邸宅を、1898年に宮内庁が購入し、御用邸とし、その後、明治天皇の皇女が各宮家に嫁いだ際に御用邸の敷地を分割する形で「竹田宮邸」「北白川宮邸」が新築され、御用邸の和館が「朝香宮邸」となったそうだ。ただ戦後に財産税や皇籍離脱などの影響で、売却せざるを得ず、西武グループに買収され現在に至るそうだ。ちなみに、竹田宮の子孫が政治評論家の竹田恒泰である。彼に感じるのは、人のまとう品位は、高貴な血統ではなく育ちにあるのだなと思う。
片山東熊、木子幸三郎、渡辺譲が設計を担当し、1972年に村野藤吾の設計で現在の状態に改修されている。フランスのルネサンス様式を基調としており、石造りの車寄せに、正面はフランス風のマンサード屋根となっており、ドーマ窓が配され見ごたえのある表情となっている。改築されているので当時と同じとはいかないが、当時の宮家の優雅な雰囲気と欧化主義が垣間見える。
プリンスホテルの日本庭園だが、都会とは思えない豊かな緑に驚かされる。中央の山門は来歴不明だそうだが、その奥にある観音堂と同時期に移築されたと考えられているそうだ。その前の青銅灯篭は江戸時代の徳川将軍家の霊廟(現東京プリンスホテル)より移築されたものらしい。
村野藤吾が設計の茶室。自然に溶け込んだ佇まいでわびさびを感じる。





