現在、世界三大コンクールにも数えられるエリザベート王妃国際音楽コンクールのファイナルに進むコンテスタントの名前が発表された。ファイナリストは12人いるが、その3分の1の4人が日本人ピアニストとなっている。
ちなみに、ファイナリストの時点で、入賞者(laureate)の称号が授与されるので、ファイナリストは全員が「エリザベート王妃国際音楽コンクール入賞者」となる。その中で、第1位~第6位の順位がつくかたちである。ファイナルの演奏は5月26日から開始し、5月31日まで続く。順位はどうであれ、日本勢の演奏が名演となるよう応援したい。
数が多いので日本人だけピックアップすると、下記の4名である。
・亀井聖矢
・桑原志織
・久末 航
・吉見友貴
おそらく注目度が高いのは亀井さんだろう。ロンティボーコンクールで優勝し、コンサートピアニストとしても引っ張りだこだ。私は二度、生で演奏を聴いているが、超絶技巧で華麗な演奏ながら、非常に優美で繊細なエモーションを感じる演奏で本当に見事。なぜか彼の演奏を聴くと、シャンパンを飲みたくなる笑。私の推しのピアニストの一人である。
桑原志織さんもコンサートピアニストとして活躍されているが、ルービンシュタイン国際ピアノコンクール第2位、ブゾーニ国際ピアノコンクール第2位などの入賞歴がある実力派だ。生演奏は聴いたことがないが、Youtube等で聴くに、気品があり、また、非常に豊かな音楽性を感じる安定した演奏だなと思う。言い方が適切か分からないが、説得力と貫禄のある演奏である。
久末 航さんは、前回のショパンコンクールの予備予選に出場され、残念ながら予選には進まれていなかったが、なかなか良い演奏だったと記憶している。リヨン国際ピアノコンクール第1位、ミュンヘン国際音楽コンクールで第3位などの入賞歴がある。
吉見友貴さんは、日本音楽コンクールピアノ部門で最年少優勝。マンハッタン国際音楽コンクールピアノ部門にて銀メダル、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールクォーターファイナリストになっている。吉見友貴さんの演奏はYoutubeで聴いて気になっているのだが、繊細で色彩があるが、どこか内省的で、印象に残る演奏だなと思う。
エリザベート王妃国際コンクールは、新曲を1週間で完成させる必要があるので、初見力も試されるコンクールなので、正直、曲を丹念に読み込んで、崇高な次元を目指すタイプのピアニストにはあまり向いていない。そのためミケランジェリは第7位、内田光子も第10位にとどまっている。コンクールは相性もあるし、審査員の好みもある。水物なのだ。
ちなみに、明日5月21日から6月7日まで米国フォートワースでは、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールも開催される。本大会への出場者30名いるが、重森光太郎と山﨑亮汰が出場を決めている。山﨑亮汰さんは私の推しだ。重森光太郎さんの演奏は拝聴したことがないが、これからコンサートがあればうかがいたいなと思う。
さらに今年は、10月にショパン国際ピアノコンクールも控えている。2025.10/2(木)〜10/23(木)に開催予定である。日本からは13名が出場を決めている。牛田氏・桑原氏等の日本勢も錚々たる出場者ながら、ロンティボー優勝・前回ショパンコンクールのファイナリストのイ・ヒョク、リスト・ジュネーブ・ルービンシュタインの各コンクールで優勝したケヴィンチェン、リーズコンクール優勝・ショパンコンクール第4位だったエリック・ルーなど、すでに国際コンクールの覇者が名を連ねており、混戦が予想される。ショパンコンクールは、あくまでショパンの曲しか弾かないので、名ショパン弾きであることが求められる興味深いコンクールだ。俊英たちの熱きドラマが楽しみだ。
