世界的ピアニストとして知られるイタリアのマウリツィオ・ポリーニさんが3月23日、イタリア北部ミラノの自宅で死去した。82歳だった。地元メディアが報じた。死因は明らかにしていないが、体調を崩していたという。1942年1月ミラノ生まれ。60年にショパン国際ピアノコンクールで優勝し、音楽家としての名声を高めた。-日経新聞

 

世界的な大ピアニストのポリーニ氏が逝去されたそうだ。

 

ポリーニ氏は現代のピアニストの中でも指折りのピアニストであった。イタリアのミラノに生まれた。両親とも音楽に造詣が深く、お父さんは著名な建築家だったようだ。1957年に15歳でジュネーブ国際コンクール第2位に入賞し注目を集め、その後、1960年に18歳で第6回ショパン国際ピアノコンクールに審査員の満場一致で優勝。時の人となった。審査委員長だった巨匠アルトゥール・ルービンシュタインが「審査員の誰よりもうまい」と賛辞を述べたことは伝説として語られている。彼の正確無比な演奏により、ピアニストに求められる技術は一段も二段も上がったともいわれる。

 

機械的とも言われるが、高度な技巧と正確な打鍵で知られた。大理石のように上品な輝きがある硬質な音で紡がれる演奏は重厚であり、曲の展開や構成などもいずれも完璧だった。存命中に聴きに行きたかったが、残念ながら叶わなかったのが悔やまれる。ポリーニの演奏の録音は多いが、生演奏とは異なる響きである。彼の演奏は永遠に失われたと思うと残念でならない。心からご冥福をお祈り申し上げる。