仏高級ブランド、エルメスの相続人のひとりで、保有資産およそ115億ドル(約1兆6400億円)と推定されるニコラ・ピュエシュの驚きの資産継承計画が明らかになった。高級ブランドではLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)に次ぐ時価総額第2位のエルメスを1837年に創業したティエリー・エルメスの5代目の相続人であり、同社株の約5%を保有するピュエシュは、雇用していた51歳の庭師の男性を養子とし、正式な相続人とするための手続きを開始したという。ピュエシュは独身で、子どももいない。ピュエシュは資産のおよそ50%と、所有する不動産ポートフォリオをこの男性とその家族に譲る考えだという。家事使用人でもあったこの庭師は、すでにモロッコの不動産とスイスにある別荘(合わせて約600万ドル相当とされる)を譲り受けたとされている。- Forbes
 

エルメスといえば、泣く子も黙るハイエンドブランドである。そこのエルメス一族の相続人が、庭師に相続巨額相続の方向で調整しているという。この相続人は家族と不仲らしく、その関係もありそうだが、莫大な資産が血縁関係もないただの庭師に相続されるということで波紋を呼んでいる。

 

ちなみに、ブルームバーグの記事によると、エルメス一族は世界でも世界第3位の超大富豪一族とのことである。総資産は、1ドル=100件計算で、15兆円を有する世界的な超富豪一族である。なお、世界最大の富豪一族は、AL NAHYAN(アブダビ首長家)で総資産30兆円、第2位がウォルトン一族で26兆円という途方もない世界である。

 

上記は一族の総額であり当然、個人資産は目減りするが、数千億~兆単位の莫大な資産であることは間違いない。人口1億人を超える日本で、資産が1兆円を超す個人は4~5名といえばどれだけ稀有な世界だろうか。日本で資産1000億円を超すのが50人程度という世界である。

 

それにしても、1兆円の資産だと、年間3%利回りで投資として、年間の配当が税引き前で300憶円となる。仮に桁を落として金融資産だけで10億円もあれば年間配当が3000万で税金支払っても年間2400万であるから働く必要がない。つまり、富裕層の家に生まれると働かずとも生きていけるということである。

 

上述はかなり極端な例であるが、土地付き持ち家で金融資産数千万円の世帯(アッパーミドル)と、何の資産もない家庭ではスタートラインからして違う。フランスの経済学者のピケティは「R>G」で格差の進展を説明したが、まさにその通りである。世界的に格差は進展している。