イギリスのエリザベス女王の死去を受け、英連邦加盟国アンティグア・バーブーダのガストン・ブラウン首相は11日、立憲君主制を廃止して共和制に移行するかどうかを問う国民投票を実施する方針だと述べた。

(中略)

昨年にはバルバドスがエリザベス女王を君主とするのをやめて共和国となり、2018年から同国の総督を務めてきたデイム・サンドラ・メイソン氏が議会の投票で大統領に選出された。ジャマイカでは、与党・労働党が共和制への移行の是非を問う国民投票の実施を目指している。- BBC

※ 上記記事はBBCで、動画はCBSである。

 

 

この前の、「エリザベス女王が崩御、世界史上第2位の長期在位君主。」の記事で「支持の高かったエリザベス女王の崩御は君主制廃止に勢いを与える可能性がある。」と、書いたが、英連邦加盟国アンティグア・バーブーダが共和制に移行するかどうかの国民投票を実施するという。同国は人口10万人程度の小国であるが、英国の元植民地であり、英国王を君主としている。

 
英国王は15の国家の元首でもあるが、これらはもともと英国の植民地で、植民地支配の名残である。これからも共和制の流れは止められないと思う。ジャマイカ、アンティグア・バーブーダと離脱が続けば、ドミノ倒し的に共和制移行が広がる可能性はある。上記のBBCの記事だと、オーストリアはこれから4年は国民投票しないとしているが、時間の問題だろう。カナダ・ニュージーランドでも共和制移行の議論が根強い。特にカリブ海諸国は中国が経済的に介入を深めており、英国の影響力が弱まっていることも一因だろう。
 
チャールズ3世のカミラとの不倫問題でイメージが悪く、ヘンリー&メーガンの英国王室離脱問題に、さらにアンドルー王子のエプスタインスキャンダルなど、醜聞にまみれている。旧植民地からすると、こんな王室が君主だと言われて、反感が出るのは自然であり、共和制移行に勢いをつけかねない。
 
それに、日本だとイギリスはヨーロッパの大国というイメージだが、経済規模(GDP)では世界第7位、人口は世界第21位、軍事力世界第8位である。たしかに大国ではあるが、かつてのような超大国ではない。おまけに北アイルランドの独立問題も抱えており、もし北アイルランドが独立すればさらに弱体化してしまう。つまり、英国王を君主としておくメリットが減じているのも、共和制を後押しする一因である。日本はそれぞれ経済規模で世界第3位、人口は世界11位、軍事力は第6位であり、国内に独立問題も抱えていないので、英国より大きな大国といえ、国内政治も安定している(ゆえの平和ボケなのであるが・・・)。
 
現在でも引きずる旧植民地支配の歴史。英国王室はその歴史とも向き合わねばならない。国民の支持を得られない制度は徐々に廃れるものだ。横暴な旧植民地支配で生まれた君主制を今後も安定的に維持する土壌は存在しないので、今後数十年で英国王はその地位の多くを失うと私は予測している。