5月13日、楽天モバイルは7月1日から適用される新しい通信プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」を発表した。しかし、これまでデータ使用料が1GBまで月0円で利用できた従来のプランがなくなり、0円利用者にとっては実質値上げとなることから批判が殺到。ネット上では乗り換え宣言するユーザーが続出する事態となっている。- Asagei Biz

 

楽天モバイルの0円プランがなくなるのがネットなどで騒ぎになっているが、経営判断としては当たり前である。もちろん、楽天が「データ1Gバイトまでタダ」を大々的に宣伝していたので、途中で有料化されるのは裏切りと感じる人もいるだろうが、残念ながら企業は無償ボランティアでも福祉団体でもない。無料で使用していたユーザーは、企業にとってはただのコスト(お荷物)であって、企業利益に貢献しないのだから切り捨てられても当然だ。残念ながら金も払わずにサービスにタダ乗りする無課金ユーザーを養う義務は民間企業にはない。課金ユーザーの私からすると1GB未満に抑える無課金ユーザーが消えることで、回線はつながりやすくなるのでメリットである。乗り換え宣言するユーザーが続出しているそうだが、楽天からすれば無課金ユーザーはただのコストなので出ってくれて構わない

 

こういうと「金儲け主義」だとか言い始める頭の悪い人がいるが、金を払わないがサービスを寄こせというのは、他人を無償労働させることに他ならない。サービス対価を支払わないことは、そこで働く人に労働対価を支払わないことと同義である。無課金ユーザーは、なぜ自分に他人を無償労働させる権限があると思うのだろうか。本当に不思議でならない。SPG廃止、新マリオット・AMEXは優良顧客向け」の記事でも書いたが、企業からすれば収益に貢献しない人を優待する意味などこれっぽっちもない。

 

結局、対価を支払わないという消費者の卑しさ・傲慢さのしわ寄せは弱い立場へと向かう。実際、ファストファッションでは安さを求めるために、発展途上国の女性が酷使され、日本のファーストフードでは低賃金労働者が酷使されている。企業を拝金主義だと道徳的に批判する人は、企業が過剰なコストカットに踏み込まざるを得ない状況に追い込んでいる己の卑しさを批判すべきである。節約、節約では経済はどんどん縮小していってしまう。日本企業に必要なのは楽天並みのシビアさである。

 

サービスとリターンを比較考量して他のサービスが良いならそちらに移行すればいい。その結果、市場淘汰されて巨視的に見ると良いサービスが残る。私は楽天ユーザーだし、サービスについていろいろ申したいこともあるが、ポイント還元率をみると文句も言えない。年間約10万ポイント(10万円相当)を還元してもらっているから、細かいサービスの粗は目をつむる。良いサービスを受けたければそれなりの対価を支払うべきだし、一方で、企業は対価に相応のサービスを提供すべきである。こういう対価関係にある。ギブアンドテイクである。経済に「フリーランチは無い」のだ。