OECDが各国の高校1年生を対象にしたPISA調査(2018年)の中で、韓国は調査国中で「情報が事実か意見か」を見極める力が最低だった。統計データ分析家の本川裕氏は「慰安婦問題、竹島問題など日韓問題が解決できないのは、韓国では大人も、ネット上などの情報における意見を事実と同じぐらい重視し、両方を区別しない場合があるからではないか」という――。- プレジデント
「プレジデント」の統計学者本川裕氏の記事が興味深い。日本人は最もネットで注意深い国民で、韓国人は事実と意見の区別がつかない国民性だという。これは何も本川氏の勝手な見解ではなく、OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の結果を分析した結果である。これは当方からすると、特に意外でもなんでもない当然の結果である。こうした客観的なデータ分析は理系が得意であるが、一方で、なぜそういう結果となったのか?という疑念については文系が得意である。よく日本では文系・理系二元論が語られるが、とてもナンセンスで、学問は自然科学・人文科学・社会科学の知見が揃わないと歪なものになる。文系でも基礎数学・統計は必要だし。理系でも歴史・政経・倫理の基礎知識は必須だと思う(思考ツールとして必要なのであって、引っ掛け問題や高度な問題を解けるほどである必要はない)。
まず、日本人がネット上で疑り深いのは長らく「ムラ社会」であったからだ。日本は7割が山に覆われ、多くの村々は山によって分断させられていた。村内では隠し事が少なく、よそ者は排除することによって、安定した社会が実現していた。村の掟に逆らうと”村八分”にされるので、「郷に入っては郷に従え」の意識が強い。これが高度成長期の社会階層や居住地域が流動的な時期でも機能し、従前は住んでいる「村」を基礎とした「ムラ社会」が、学校や勤め先を基準とした「ムラ社会」となった。長らく日本では、「公」は発達せず、「ムラ」のシステムが社会を区分していたのだ。それゆえ日本人は、自己が所属する学校・会社以外との接点は乏しい傾向があり、特に男性は定年退職後に所属先を失い孤立する傾向が強い。「ムラ」社会では内部の結束は強く、「腹を割って話す」というように隠し事は忌避されるが、一方で余所者には冷淡である。こうした自己の所属する「ムラ」の構成員以外へは、日本人はどこまでも懐疑的なのである。それゆえ、日本社会の性質として、垂直統合には強いが、オープンソース型の経済には弱いといわれる。
韓国が、事実と意見を区別できないという傾向も、思想的な背景を踏まえれば不思議ではない。韓国では朱子学が優位であるが、朱子学は要は理想主義的であり、理想に現実を近づけるという思想傾向が強い。韓国は整形が盛んであるが、それは理想の顔に、現実の顔を近づけることであり、韓国人にとっては当然である。朝鮮の美術品の陶磁器などをみても、素材性は忌避されて、表面は滑らかで素材性が分からないものが評価される。理想の形に素材は従うべきなのである。一方で、日本は自然をありのまま受け入れるため、素材の味を活かした美術品が多いが、武骨な日本の茶碗などは、韓国人には理解しがたいだろう。韓国人にとってみれば、現実とは理想の従属変数に過ぎないのだ。歴史観において、韓国は偉大な国なのに日本に蹂躙されたという妄想がベースにあるので、ひたすらに日本は悪役として描かれ、韓国は偉大だったと誇張されるのだ。理想に現実をあわせようとするので、歴史的事実とは明らかに辻褄がわなくなるが、そこは日本が歴史を改ざんしたと意味不明な主張をはじめるのが常套である。
普通に考えると筋が通らない韓国側の主張は次である。
・朝鮮半島が日本に稲作を伝えた。→ 遺伝子調査で日本の稲は沖縄経由で伝来した雲南省伝来の稲だと分かっている。古代において寒冷な朝鮮半島より、温暖な九州のほうが稲作に適していたのは明白。それに日本では縄文時代にすでに稲作があった痕跡が発見されており、朝鮮より稲作がされていた。
・朝鮮半島のほうが日本より文化的に先進的だった。→ 日本は平安・室町・安土桃山・江戸など各時代において文化芸術が栄えているが、朝鮮文化の大半は中国の模倣か亜流に過ぎない。世界各国の美術館・博物館においても、朝鮮文化美術のコーナーは中国・日本より遥かに小さい。
・朝鮮半島は日本に手出していないのに日本が一方的に攻めてきた。→ 朝鮮も対馬を何度も攻撃しているが、弱すぎて撃退されている。
・朝鮮通信使は日本が先進文化を知りたくて懇願してきたので実施した。→ その前に豊臣秀吉が朝鮮を討伐しており、朝鮮半島のような貧しい弱小地域から学ぶべきものはなかった。ただの朝貢である。渤海国も日本に朝貢してきていた。朝鮮通信使の品行の悪さは書き残されている。日本はポルトガル・スペイン・オランダなどと交易しており、欧州の先進文化を享受していた。
・日本は近代において先進的で豊かな朝鮮を蹂躙した。→ 人口も少なく、資源もなく、朝鮮半島北部は寒冷地帯で農業にも向かない土地で、李氏朝鮮は清王朝の属国として貧困に喘いでいた。弱小の朝鮮が、ロシアなど列強の手に落ちると、日本は軍事戦略的に不利になるので併合したのが実際。実際、朝鮮王はロシア大使館に逃げ込むなど滅茶苦茶な統治だった。
上記はあくまで一部である。日本人からすると、韓国はあくまで隣国に過ぎず、中世ではスペイン・ポルトガル・オランダと交易し、近現代ではフランス・ドイツ・ロシアなどに留学生を送り込んでおり、朝鮮はたいして重要なファクターではないが、韓国は長らく中国の属国で、たまに日本に朝貢したり侵略されたので、歴史において中国・日本しかほとんど視界になく、戦後はアメリカの影響下にあるので中国・日本・米国の関係性でしか国際関係を把握できない。こうした偏狭な国際視野も相まって、中国・日本に執着する。中国への媚びへつらいと、日本の敵視というのは朝鮮半島の歴史からみれば当然のことなのである。
とはいえ、朝鮮半島は場所は動かせないし、日本・米国からすると韓国がレッドゾーンに裏返るのは戦略上は好ましくない。韓国自体もいまさら共産化は無理だから、緩衝地帯としてこのまま西側陣営として生きるしかない。ただ世界一の激しい少子化でもはや国内マーケットは激しく縮小するし、超調子高齢化で成長性もない。おまけに韓国はストライキが多く、労働賃金上昇とも相まって欧米自動車メーカーも対応に苦慮している。日本・米国は軍事的には面倒見るが、これから先進各国は韓国経済からは手を引いていくだろう。北朝鮮リスクも大きい。
すでに韓国は人口減少に陥っており、合計特殊出生率は2年後には0.7人を下回る勢いだから、国力は今がピークである。一方で、東南アジア諸国連合は若年層も多い6億人を超える巨大市場である。日本は将来性のないに韓国はおいておいて、アジア市場攻略に力を入れるべきだ。東南アジアは親日国も非常に多い。旧日本の台湾・パラオも親日的であるし、もうすぐ中国を追い抜くインドも親日国である。狂気的な中国・韓国に構わず、日本は国際社会で存在感を発揮すべきだと思う。この点、文大統領の反日政策は、日本人を目覚めさせてくれた。文大統領は人気がもうすぐ切れるが、ぜひ次期韓国大統領も反日路線は継承してほしい。お人好しで技術を散々盗まれたおバカな日本企業はコリアンリスクにもう少しさらされた方が目が覚めるだろうから。
