ソウル中央地裁が8日、旧日本軍の元従軍慰安婦に対する賠償を日本政府に命じた。日本は1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場だ。韓国の司法は元徴用工問題で日本企業に賠償を命じている。対象が政府にも広がった格好で、65年協定の形骸化が進む。綻びも目立つ日韓両政府の信頼関係にはさらに深い傷となりそうだ。-- 日経新聞
慰安婦問題を巡って、韓国の地裁が日本政府に賠償を命じて衝撃が広がっている。国家は他国の裁判権には服さないという「主権免除」が国際法の常識であるが、それを適用しないというかなり常識からかけ離れた判決である。たしかに、少数説として主権免除を否定する法理もあるが、歴史が浅く曖昧な部分が多い。これを認めるとある国の司法判断が外交関係に大きく影響を与えてしまうため極めて慎重になるべきだが、国民情緒が何よりも最優先する韓国の地裁は、主権免除を適用しないという異例の判断をしてしまった。
主権免除の適用の是非はおいておいても、2015年の「慰安婦合意」において「最終的かつ不可逆的な解決を確認」していたわけであるから、今回の地裁判決は慰安婦合意をないがしろにするものであり、到底容認しがたい異常なものである。1965年の日韓請求権協定においても、日本が有償・無償合わせて5億ドルの巨額の経済協力を行い、請求権問題は「完全かつ最終的に解決された」とされている。これらの日韓の合意が有名無実化したとすれば、日韓関係は事実上破綻である。
日本は主権免除の原則により控訴しないため今回の判決が確定するが、この判決が韓国で何も政治的に措置が行われない場合(文大統領は司法判断を尊重するとして静観する構え)、日本政府の韓国内の資産などが差し押さえられるリスクがある。実際に差し押さえ等は困難とみられているが、国民情緒が最優先の韓国では何が起こるかわからない。日本企業の財産が差し押さえられる危険性すら想定されうる。日本企業は早急に韓国市場からの撤退を検討すべきだ。
韓国の外交はかなり支離滅裂である。そもそも中国の属国としてなんとか生き永らえてきたため外交のノウハウがほとんどなく、国際的な常識が通用しない。中世より列強に伍し、様々な文物を受容し、文化・技術力を高め、自発的に近代化を成し遂げて世界有数の大国になった日本と韓国では全く歴史背景が異なり、ゆえに政治経済・外交等におけるノウハウの蓄積には雲泥の差がある。韓国は、イランに対して7000~8000憶円規模の石油代金の未払いを起こしており、韓国船が拿捕される事態にまで陥っている(LINK;イラン政府は公式には未払いと拿捕は別問題としている)。米国によりイランへの制裁のため支払いができないというのが韓国側の言い分だが、経済制裁には猶予期間があったため、主要国で韓国以外に未払いでこんな珍事を起こしている国は存在しない。ニュージーランドにおける韓国人外交官によるセクハラ事件の対応も支離滅裂だった(結果的に私人仲裁で合意したそうだが)。
今回の判決によって資産が差し押さえられるよりも、徴用工訴訟にて差し押さえられている日本企業の資産が現金化されるほうが時間の問題である。現金化された場合、日本は制裁に踏み切らざるを得ないから日韓関係は戦後最悪の状態になる。
ただ韓国の人口規模は日本の4割程度で内需が大きいわけではなく、また韓国の経済規模は日本の3割程度であり、日本の円は国際通貨だが韓国のウォンはローカル通貨に過ぎない。経済制裁は「諸刃の剣」であるが、経済的な打撃の衝撃は圧倒的に韓国が大きい。
日本企業が韓国市場から撤退した場合は当然韓国内の雇用が失われるが、それに加えて日本の経済制裁により韓国の経済不安が今にも増して深刻化した場合、若者は雇用不安から結婚・出産をますます忌避するようになり、ただでさえ深刻な少子化はさらに悪化するだろう。いまの予測だと2060年に人口4000万人を割ると予測されているが、さらにそれが前倒しされるだろう。猛烈な少子化で高齢化率で日本を上回る予測だが、家計債務は日本の倍近くであり、債務爆弾が起爆するのもそう遠くない将来だ。韓国の国力は現在が最大値であり、あとはシュリンクするのみなのだ。
韓国からすれば日本は巨大マーケットだが、日本からすると韓国みたいな小国を相手にするメリットはそこまで大きくない。韓国製品の大部分はコスト面を除けば日本ですべて自活が可能であり、技術的にキャッチアップが進んでいるので数年以内に多くの分野で中国が取って代わるだろう。
ASEANは人口6億人を超える巨大マーケットであるし、インドはもうすぐ世界最大の人口大国になるが、重要な共通点はどちらも親日的ということである。経済成長も著しく狂気的なほどに反日の韓国はそろそろ見限って、インドや東南アジアなどとのビジネス機会に注力すべきだと思う。日本も超高齢化社会であり、韓国に施しをするほどの余裕はもはやないのだ。
