2006年公開の日中韓合作の映画。観ようと思って放置していたがやっと鑑賞。紀元前370年頃、小国の梁国に趙国が攻め入ろうとしていた。そこに墨家である主人公が助けに入り、見事に敵を撃退するというのがラフなストーリー。

 

墨家は諸子百家の1つで、現代ではほとんど名を聞かないが、秦が中国を統一するまでは儒教に並ぶ思想だったという。「兼愛」と「非攻」が最大の特徴で、一部の人を愛するのではなく全ての人を広く愛し、防衛は否定しないが侵略は否定する。「尚賢」といい、貴賤に問わず賢い者を登用するという平等思想を持ち、儒家とは反対に葬礼は簡素にすべきという「節葬」を主張した。最近、墨家を見直す動きがあるという。

 

映画自体はチャンイーモーの「HERO」を想像していたが、正直、監督の技量不足。戦闘シーンは迫力が微妙だし、ストーリー展開もヘタクソ。前半は単調でつまらないし、後半の物語の転換の部分は唐突。墨家の思想も良くわからなかったし(墨家とはどういう思想だったんだろうと調べる気にもさせない)、登場人物の描き方も浅くて感情移入が出来ない。題材は悪くないので残念。