ジュンク堂をうろうろしていたら見つけた本。2015年10月に開催されたショパンコンクール出場者の様々な記録がまとめられている。今更感があるが、youtubeの動画で復習しながら読んでみた。前回のコンクールは、入賞者6人中、4人がアジア系という結果で、クラシック音楽の多様性が感じられるものであった。
三次予選ぐらいまでいくとyoutube等でも観ることが多いが、予備選の方はあまり関心がなかったが、本書を読んで、予備選で落選した人の演奏もyoutubeで聞いてみた。予備予選落選組とはいえ、ショパンコンクールともなると、自身の出身地では神童として、地元のコンクールでは上位入賞の経歴の持ち主が多いはずである。とはいえ、聴いてみると、かなり酷い演奏も散見された。一方で、ブゾーニコンクールでアジア人初の優勝を果たしたムン・ジヨンが辞退、ジョージ・リーがチャイコフスキーコンクール2位に入賞し途中で不参加を表明など、もう少し演奏が聴きたかったピアニストもいた。
日本人で唯一残った小林愛実さんは、日本では出場コンクールはほとんど優勝してしまう神童だったが、残念ながら今回は惜しくも入賞を逃した。緊張なのか分からないが、バラードは若干崩壊気味で、英雄ポロネーズも勇ましく見事な演奏なもののミスタッチが気になった。コンチェルトは細かいパッセージが全体的な響きのなかに埋没してしまう。ぜひ次回は入賞を果たしてほしいものだ。
優勝者は韓国人としては初のチョ・ソンジンで、貫禄がある演奏だった。ショパンらしい憂いはいまいちな感じがしたが優勝に相応しい堂々とした演奏であった。韓国は、芸術への投資に力を入れているが、韓国のピアニズムの成熟を感じられる圧巻な演奏だった。第2位のアムランは26歳ということもあって、非常に成熟した大人な演奏で見事であった。この演奏がさらに円熟したらどうなるのか楽しみである。第3位のケイト・リュウは、演奏が始まるとまるで何かが憑依したように音を奏でるのが印象的である。時たま彼女にしかみえない音楽世界を眺めるような演奏スタイルは天性のものだろう。テンポ・ルバートも恣意的ではなく、音も天から降りてきたようで不思議な感覚にとらわれる。細見な外見ではあるが音はしっかりしている。第4位のエリック・ルーは音が非常に澄んでいてあまりにも美しい。洗練されていて、都会的な美的なセンスが感じられる。ただ、ショパンのマズルカとの相性はいかがだろうか。第5位は、トニー・ヤン。まだ16歳というから驚かされる。音も非常に綺麗で、構成もしっかりしているが、どこか若さを感じる。今後の数十年後に爛熟した演奏をしてくれるだろうと期待される。第6位はシンキン。音に芯があり重厚な印象を受ける。演奏の対比がしっかりしており、どこかモダンな印象を受ける。ただ演奏中に口をすぼめるようなしぐさが気になる。
演奏もさることながら気になったのが、ピアノメーカーである。公式メーカーはスタインウェイ・ヤマハ・カワイ・ファツィオリである。1次予選の使用ピアノではなんと初めてヤマハが最多だった。その後も世界最高のピアノことスタインウェイと拮抗し、ヤマハが最多の使用頻度だった。ヤマハ・スタインウェイに次いで、カワイも健闘したが、イタリアの名器ファツィオリは1次で1回使用されたのみだった。ファツィオリの音は聴く限りでは好きな音だが(私は弾いたことはない)、あまり普及していないのでファツィオリを弾き慣れているピアニストも少ないため、あまり選ばれなかったのだろう。欧米によりも短いピアノの歴史しかない我が国のヤマハが名のあるコンクールでここまで選ばれるとは非常に喜ばしい。カワイはタッチは重めで音も重厚なので弾く曲を選ぶが、ヤマハはタッチも音も非常に汎用的。さすが、世界シェアトップのピアノである。ただヤマハがスタインウェイを凌ぐほどに成長するとは、おそらく誰も予想してなかっただろう。
実はまたピアノのレッスンを再開した。忙しいので月1回程度のレッスンだが、曲のレパートリーを広げていこうと思う。都内で暮らしているので難しいが、いつかグランドピアノを購入したい。ヤマハが最もメンテナンス等も楽だが、ディアパソンの音が好きなので、ディアパソンのグランドを買うのが目標である。. . . それにしてもブログが趣味の記事だらけで恐縮である。
![第17回ショパン国際ピアノコンクール 全記録 2015年 12 月号 [雑誌]: サラサーテ 増刊](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51-pUpeIouL._SL160_.jpg)
