この前、上野で開催されている黄金のアフガニスタン展をみてきた。入口にある「自らの文化が生き続ける限り、その国は生きながらえる - "A nation stays alive when its culture stays alive."」が印象的である。アフガニスタンはいまでこそ紛争の多い、貧しい地域ではあるが、もともとはシルクロードの拠点として栄華を誇っていた。アフガニスタンの古代遺跡で発掘された貴重な文化財は、「アフガニスタン国立博物館」の収蔵であったが、1979年のソ連による軍事介入及びその後の内紛によって失われていたと考えられていた。しかし、それらは地下金庫へと秘密裏に移され保存されており、これが2003年に判明し、再び日の目を見ることとなったのである。
ガラス製品は非常に高度な技術で作成されており、技術の高さがうかがえた。シルクロードは文明の十字路というが、ギリシャの文化だけではなく、中国などの影響も随所にみられ、昔から文明が接触が垣間見えた。さらには煌びやかな黄金の王冠は、日本でも同様のものが出土しており、ユーラシア大陸の島国である日本との関係性もみられるという。中東~中央アジアには明るくないので、アフガニスタンの古代の文化財を観れて、良い経験だった。また、こうした文化財を後世に伝えようと奮闘したアフガニスタンの人々には頭が下がる。
尚、本展示は上野の「表慶館」で行われている。皇太子(大正天皇)のご成婚を記念してつくられたという。重要文化財に指定されているが、明治末期の優雅な洋風建築を現代に伝えている。本建築も必見である。


