年末年始に観た映画3本紹介。


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ダライ・ラマ14世を追ったドキュメンタリーである。正直、私の関心事は西洋に偏っているのでキリスト教には明るいが、仏教には高校の歴史・倫理程度の知識しかない。ダライ・ラマとは、如来・菩薩等の偉大な仏教修行者の化身であるという。宗教的指導者であるが、中国に侵略される前はダライ・ラマ14世はチベットの君主でもあった。チベットは転生継承制度をとっているため血統によらずに後継者が決まる。ダライ・ラマ14世もありふれた農家生まれだが、チベット政府の捜索隊がお告げに導かれ、彼を後継者として発見したのだという。彼はノーベル平和賞も受賞しているが、中国政府はダライ・ラマ14世を民衆をたぶらかすと批判する。それはマルクスが宗教を「民衆のアヘン」と表現したように、宗教を認めていないからである。ドキュメンタリーを通して、ダライ・ラマ14世の素顔や、チベット民族の本音を垣間見え非常に有意義であった。ダライ・ラマ14世の素朴さや率直さ、非暴力の姿勢には感銘を受ける - ここまで懐深くありたいものである。ただ意外だったのはダライ・ラマ14世は中国の一部であることを認め、中国という大国の中で自治を獲得することを目指しているという点である。大らかで貴い教えを示す一方で、徹底的な現実を直視ししており、中国という大国から独立することの困難さ、また中国大国の一部であることのメリットを考慮し、中国の一部での自治獲得こそが最善であると考えているのである。ただ編集で、勉強嫌いで何事にも無関心な”現代風の”日本の若者へのインタビューを出す一方で、勉強が好きでやる気に満ちたチベットの若者を出し、対比させるというのは、編集が恣意的な気がした。ただ、チベット人の足るを知る、世の中のために学び働くという姿勢は学ぶべきところがある - 監督なりの問題提起としてさきの対比を行っているのかもしれないが本作の作品の趣旨に合っているのかは疑問。とはいえ、非常に勉強になるのでオススメしたい。

バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション [DVD]/ジェネオン エンタテインメント
 
蝶の羽ばたきが地球の裏側でハリケーンを引き起こすこともありうるというカオス理論のバタフライ効果をベースにした作品。過去に戻り過去を変えられる主人公が、望む状態を得ようと、幾度も過去に戻りやり直すというストーリー。過去の少しの修正で、現在はここまで大きく変わってしまう・・・、バタフライ効果をベースに素晴らしいストーリーを構築している。辛口の採点の多い「Yahoo!映画」で現在、4.31点という高得点で、映画評論家からの評価も高い作品である。たしかに全く観てて飽きないし、結末も納得のいくものであるし、扱っているテーマも興味深い。良い映画には違いはないが、ちょっと評価が高すぎる気がしないでもない。
ブリングリング [DVD]/ポニーキャニオン
有名人の邸宅が、10代の若者集団に次々と盗難にあうという実話をもとにした作品。監督はソフィア・コッポラ、エマ・ワトソンが出演している。特に窃盗行為を批判するわけでもなく、若者が連続窃盗を行う様子を等身大で描写している。本作も、ソフィア・コッポラらしく、そつなく要点をついてまとめており、映像はどことなく淡く、なんとなくおしゃれで、どこかメランコリック。監督自身は映画の描写に注力して、共感するかどうかは観客に委ねている- それゆえか、なぜか感じる倦怠感と無力感。上映時間も短く、扱っているテーマも大きくなく、佳作という感じだが、休日の午後にゆったりと観るには良い作品だと思う。