【2015 1/9】 ネットに生命科学系論文不正疑い 東大や阪大などの80本
東京大や大阪大などの複数の研究グループが発表した生命科学系の約80本の論文で、1本の論文に複数の似た画像が使われるなどの不正の疑いがインターネット上で指摘され、大阪大は9日までに事実確認を始めた。
http://www.47news.jp/CN/201501/CN2015010901001214.html
【2015 2/4】 論文不正、名古屋大が本格調査へ 金沢大も
東大や大阪大など24の大学の研究者らが発表した生命科学系の論文に不正の疑いがあると文部科学省に告発があった問題で、名古屋大は4日までに、疑いを否定できないとして論文2本を本格的に調査すると決めた。金沢大も論文2本を調査していることを認めた。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG04H17_U5A200C1000000/
----以上、ニュース記事より引用。
小保方さんで論文捏造に注目が集まり、早大のコピペ博士に注目が集まりましたが、どうやらこれは早大の問題ではなく、日本の科学界全体の問題だったようです。学位の取消は意外といて、私の調べた限り、博士号だと、東大2名、広島大1名、九州大1名、名古屋市立1名、早大1名、修士号だと筑波1名、早大1名、慶應1名という状態。東大の加藤茂明教授は43本の論文を改竄や捏造などしたとして辞職に追い込まれています。捏造以外にも山口大・東京工業大などで研究費の不正があり教授が逮捕される事態になっています。おそらく注目されていないだけで、下位の大学の修士・博士論文も調査したら悲惨なことになりそうですね。もちろん、今回指摘された論文の不正が、単なるミスかどうかはまだ分かりませんが。
それにしても、匿名Aという人がネット上で暴いたようですが、これだけの論文を一人で調査したとは思えません。それにこうした調査は時間的な余裕がないと無理です。優秀だったけど研究職にありつけなかったポスドクが複数人がかりで調査したという感じでしょうか。
でも、論文ってミスはつきもの。私の修論もある用語が英語表記だったり、カタカナになっていたり(ちゃんと正誤表を提出しています;論文の主要な部分にミスは無い)。理系はデータ量も多いので、データミスなども少しは仕方がない気も。とはいえ、学術研究は時には笑えない事態にもなりうる。ハーバード大のケネス・ロゴフ教授とカーメン・ラインハート教授による「Growth in a Time of Debt」という論文では 「国家債務がGDP比で90%を超えるとGDP成長が著しく鈍化する」(*)と主張し、多くの論文に引用されたが、単なるエクセルの操作ミスと判明(**)。ギリシャ危機の際もこの論文が論拠の一つに挙げられ、財政緊縮をとっていたことを考えると、影響は大きい。もちろん、こうしたミスは人間なので起こりうる。新しい発見をすることに注目が行くが、論文に再現性があるかどうかを検証していくことが今後重要になってくるでしょう。修士ぐらいだと独自の研究はやらないで先行研究の再現性チェックとかやったほうが、先行研究の手法の勉強になるし、不正の発見につながっていいかも。
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* 論文 http://www.nber.org/papers/w15639.pdf
;p.17をみると、たしかに成長が鈍化している。
** http://www.alternet.org/economy/meet-28-year-old-student-who-exposed-two-harvard-professors-whose-shoddy-research-drove
