最近気になったニュース二つです。
防衛大学校の学生寮(神奈川県横須賀市)に入寮していた2年生の男子学生(19)が、上級生らに暴力を受けて抑うつ状態になり病欠に追い込まれたとして、週内にも傷害容疑で刑事告訴することが分かった。男子学生から相談を受けた岡田尚弁護士が4日、明らかにした。男子学生は現在、福岡県の実家で静養中。
毎日新聞(8/4):http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140804-00000023-mai-soci
「体罰厳禁に苦悩する教員たち “武装解除”だけ求められ…」
---教育困難校であるこの学校の男性教諭(45)は「頭を小突いただけで体罰、手を引っ張っただけで体罰。学校は“体罰被害”の訴えが横行していて、生徒指導が難しくなっている」と嘆息する。--産経新聞(8/5):http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140804-00000537-san-life
防衛大とか自衛隊とかはいじめが酷いと聞きますね。集団で暮らしているので仕方がないのでしょうが。それにしても殴ったり、蹴ったりは刑法上の犯罪だと知らないのでしょうか。学校内の犯罪も、どんどん刑事告訴すればいいと思います。被害にあった学生は校内カウンセラーに「頑張って耐えるように」と言われたそうです。危機意識無さ過ぎ。訴訟リスクという発想がないんでしょうか。
もう1つが体罰の話ですが、さすが産経新聞ですね。記事のタイトルが、武装解除って...。いままで教師は武装してたの笑?初めて知りました。体罰出来ないから生徒指導が出来ないという論調に違和感。別に体罰しなくても生徒指導している人徳のある先生はいるでしょ。「昔は“愛のムチ”が親や地域にも理解される社会環境だったが、今は厳禁」ってインタビュー載せてるけど、いろいろ突っ込みどころが多い。昔っていつ?明治時代?大正時代?昭和初期?それとも高度成長期?。教師の生徒への愛のムチとかいう暴行が許容されてたって話も論拠不明。「以前は体罰をする側の教師に余裕があり、手を上げるにしても、けがをさせないよう加減していたが、最近は教師に余裕がなく、キレて何度も殴るようなケースが目立つ。そうなると体罰ではなく、暴力だ」も意味不明。「以前は」っていつ。教師に余裕があったなんてなぜいえるのか。手加減してたとかいうけど、単に昔は顕在化していなかっただけでは(教師の体罰関連の不祥事なんて、大正~昭和初期にもいくらでもいる*1)。最近の教師に余裕がないという論拠も不明だし、キテて殴るようなケースが目立つというのも、実証されていないなら思い込みの域を出ない。「そうなると体罰ではなく、暴力だ」って言ってるけど、文科省は、体罰を認めていないはず。学校教育法の懲戒権の範囲外だから、体罰は刑法上の罪に問われる可能性がある。体罰も暴力と同じく犯罪。学校現場の声として、「放課後の居残りぐらいで問題行動を起こす生徒の態度は改まらない」を紹介してるけど、だからといって、体罰すりゃ解決する問題じゃないでしょ。他の指導方法を検討しないのは職務怠慢。全国新聞が違法行為を推奨するかのような記事を書くことに猛烈に違和感を覚える。
*1http://kangaeru.s59.xrea.com/gakounai.htm
戦前の学校関連の不祥事。学校教師の事件が多数載っています。
