COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 11月号 [雑誌]/講談社
クーリエジャポンの特集が面白い。ITとビッグデータ革命によって文系人間が不必要となってきているとの論調の特集である。ウォール街を支配するのは経済学者と思いきや、金融モデルはほとんど数式で、物理や数学で修士・博士号を取得している人が設計している。実質的にウォール街を支配しているのは理系の学者だ。今や膨大なデータを駆使すれば、選挙予測やスポーツの勝敗予想もそこそこの精度で可能である。胡散臭い評論家の信憑性はがた落ちだ。アメリカの専攻別の失業率を比較すると、理系の方が失業率が低い。さらに年収の高い専攻のランキングもトップ15のうち13専攻は理系で、2つも経済学や管理会計など数学的要素の強い専攻だ。文系が主役の時代は終わった。

文系とはいっても人文科学と社会科学に分かれるが、特に人文科学への風当たりは今後ますます強くなるだろう。労働人口が減少し女性も労働市場で活躍することが今後迫られる中、文学など実用性の低い学問への需要は減るだろう。個人的には法学・経済・商学などの社会科学への需要は今後もさほど減らないと思う。社会科学の素養は行政や企業で働く人に必須の学問だからだ。しかし、文系専攻も理系的な素養を身に着ける必要性は増すだろう。すでに経済商学経営学などでは、数式を使った説明が多いので理系的な学問だ。「理系が支配する」というのはセンセーショナルだが、理系の重要性は今後増していくだろう。

ただ一番面白かった記事は「ロシア人が見た不思議の国ニッポン」だ。日本の矛盾を外国人の眼から指摘している。日本人のビジネスマンはスーツ着てオフィスで昼間は真面目に仕事しているのに、夜になると秋葉原のメイド喫茶へと行き、ストレスを発散する。そこではメイド姿の店員が皿に変な絵をかいて呪文をかけ、客に呪文を復唱させる。ロシア男児なら反吐が出る行為だ。小さなフィギュアに何万円をかける日本人の心理は理解できない。日本の官僚はエリートだが、様々な規制をかけられ地味な格好をしており、夏場にも28度設定の蒸し暑い室内でスーツを着て仕事をしている。官僚は利害関係者とゴルフもしてはいけないという。一体日本人は何を生きがいにしているのだろう?仕事を人生に捧げ、家族を顧みないで、定年を迎えると離婚する。それ以前に過労死する人も多い。不思議な国だ。

やっぱりクーリエジャポンは面白い。