この前、メンデルスゾーン作曲オラトリオ「パウルス」聴いてきました。指揮は鈴木雅明、演奏はパッハコレギウムジャパン(以下BCJ)。このBCJは古典楽器演奏で有名な団体。バッハの時代の楽器は、現代の楽器とは異なります。現代的なピアノはまだなく、ヴァイオリンなども構造・奏法は現代のものとは異なっていました。1970年代以降、バッハが生きていた当時の楽器を使用し、当時の演奏を再現しようというムーブメントが起きてきました。そうした中、名声を得た演奏団体がこのBCJなのです。これを率いる鈴木氏は東京学芸大古楽の教授を経て、エール院の招聘教授をつとめるなど、バッハ演奏において定評のある人物です。チェンバロ奏者としても有名なようです。
 このBCJは例年バッハの素晴らしい演奏を聴かせてくださるのですが、今年は
バッハではなくメンデルスゾーン。ユダヤ系の裕福な銀行家の
家に生まれ、ドイツロマン派を代表する作曲家の1人です。当時長らく忘れられていたバッハ受難曲を復活させた作曲家としても有名です。演奏したのはオラトリオ「パウルス」。オラトリオとは宗教的題材による、演奏を伴わない劇音楽のこと。パウルスは新約聖書の「使徒言行録」に記されている出来事を音楽化しています。たぶんパウルスは、パウロのことでしょうかね?
 私はピアノが好きなのでショパンやリストなどはよく聞きますが、メンデルスゾーンはほとんど聞かないので、貴重な機会でした。古楽器は素晴らしい、、、と言いたいところですが、現代楽器で演奏しているパウルスを聴いたことがないので、古楽器だとどこがどう良いのかいまいちわからず・・・。ただ、古楽器だからこそなのか分からないが、非常に威厳のある演奏だったと思います。あんまりオーケストラとか指揮には明るくないですが、鈴木氏の指揮は見事ですね。演奏も素晴らしいのですが、身のこなしに品があります。
 それにしても、クラシック音楽は幅が広いですね。ピアノ、ヴァイオリンなどの独奏曲、交響曲、オペラなどなど数えきれない名曲があります。それに、今回の曲のように宗教関連の曲だと聖書なども読んでないと曲が分からないこともある。私は新約聖書は福音書は読みましたが、使徒言行録は読んだことがないので、残念なことにパウルスがいったい何の話かあまりわからず・・・(予習していけばよかったです)。もっと勉強して聴くジャンルを広げたいなぁ。ま、「芸術の秋」を味わえた演奏会だったのでよかったです。