傑作映画３本。

アカデミー賞外国語映画賞を受賞し、話題を呼んだ作品。納棺師というマイナーな職種に焦点をあて、日本人の死生観を描く。お葬式の場面が多いも関わらず、ユーモアがところどころに散りばめられているのが興味深い。ラストのシーンで、生と死が対比され、生の尊さが印象的に描かれる。海外で評価が高いようだが、諸外国と日本の死生観との相違が興味深いのだろう。

ブラック・スワン　3枚組ブルーレイ＆DVD＆デジタルコピー（ブルーレイケース）〔初回生産限定〕.../ナタリー・ポートマン,ヴァンサン・カッセル,ミラ・クニス

本作品で、主演のナタリーポートマンはアカデミー賞主演女優賞を受賞した。今まで見た映画でも特に印象深い作品の１つ。白鳥は踊れるのに、妖艶な黒鳥は踊れない主人公。ライバルの友人や、過保護な母親と対抗しながら、徐々に内なる自分を解き放って行く。これに伴い現実と妄想は境界線を失い幻覚が見え始め、ついに役と自己が同一性を持ち、完璧な演技へと辿り着く。狂気ともいえる役を演じきったナタリー・ポートマンに脱帽。彼女はハーバード大で心理学を勉強していただけあって、こうした複雑な心理描写が非常に上手。

神々と男たち [DVD]/ランベール・ウィルソン,マイケル・ロンズデール,オリヴィエ・ラブルダン

カンヌ映画祭審査員特別グランプリ受賞作品。アルジェリアで実際にあった、フランス人修道士の拉致殺害事件を描いた作品。イスラム過激派が来ると分かっていたのになぜ彼らは逃げなかったのか？映画では、修道士は極めて人間的に描かれる。迫り来る危機に恐怖を隠そうともしない。しかし、その後、悩みながらもその地にとどまる事に決めたのだった。この映画は単に修道士の信仰心に焦点を当ててはいない。アルジェリアの苦悩も垣間見える。修道士に「フランスの植民地政策のせいだ」と詰め寄るアルジェリアの役人、、、植民地というフランスの暗い過去も見え隠れするのだ。非常に考えさせられる映画。