『なるたる』のアマポーラのデザインについて | 胙豆

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傲慢さに屠られ、その肉を空虚に捧げられる。

さっきまで「漫画のミーム」と題して色々な漫画の元ネタのことを書いていたけれど、『らんま1/2』で乱馬があかねに頭を下げてると言いつつ一切下げていないシーンが何巻のエピソードか分からなくて、38巻を全て読み直して探すという作業を前に心が折れたので、割かしどうでもいいことを日記として更新することにする。

 

少し前にこんなコメントを貰った。

 

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無題

こんにちは、以前Twitterで色々とお話して頂いた水乃です~。あの時はとても楽しかったです(*´ч`*)
もうなるたる解説も完結しているのにこんなコメントするのは失礼かな?とか色々考えていたのですけど、どうしても気になる部分があって次郎さんの意見をお聞きしたいなと思ったのでコメントさせて頂きます;

なるたる7巻の「穏やかな同席者」にてシイナがさとみの家に上がり、小さい頃のさとみの写真を見てるシーン(P.149)がありますが、そこに写っているさとみの隣のポスター?のような十次マークが、どうしてもアマポーラが初登場した時の十次型と同じように見えてしまって…^^;
ただの鬼頭先生の遊び心かなー?とも思うんですけど、何か意味があるのかなとか気になってしまって、自分一人だと分かりそうにないので次郎さんならどう考えるかなと思い尋ねてみました。

お忙しいと思いますし、なるたるの方はもう書かれないようでしたらお返事なくても全然構いません~!(´ω`)
長々とスミマセン;

P.S.ヴァンデミエールの翼の記事も大変興味深く見させて頂きました。
まだぼくらのも手に入れていないので(爆)、順を追って集めていきたいなと思いました(´∀`)
これからも楽しみに見に来させて頂きます~

 

 

…。

 

僕があのサイトのコメントの応答をやめたのは、温度差に耐えきれないからになる。

 

最後の解説すら半年前に書いてるんだから、もうなんというか、割かしどうでもいい。

 

ここでこの方にコメントに返信してもいいのだけれど、例外を作ってはいけない。

 

この方にだけ返信して、他の方には返信しないなんてあり得ない。

 

僕は徹底して全てのことを行うから、徹底してコメントは一切返さない。

 

なのだけれど、まぁ、疑問の方には答えときたいと思った。

 

水乃さんは読まないだろうけれどね。

 

水乃さんはこのシーンのことを言っている。

 

(鬼頭莫宏『なるたる』7巻p.149)

 

このシーン。

 

この背景の謎の絵と、アマポーラのデザインが似ているとの話だった。

 

(同上3巻p.182)

 

似てると思った。(小並感)

 

僕は滑走キかどっかで、先の画像のさとみの背後にあるあの絵が、万朶の校章だとかそんな話を読んだことがあったような気がしないでもなかった。

 

でも、ソースを捜したら全然見つからなかったので、記憶違いだと思う。

 

で、そもそも校章であるという根拠もないので、とにかくそもそもこれは何なのかを考えるところから始めることにした。

 

(同上)

 

絵の下に得体の知れないフックがある。

 

なんだこれ…と思ったけれど、多分あれですね、給食袋とかを下げるやつですね。

 

ということは、そもそもこの写真を撮った場所は学校の廊下ですね。

 

学校の廊下であるとしたら、あの場所は掲示板であって、そこに貼ってあるものと言ったら生徒の作品だと考えるのが妥当でしょうね。

 

構図からして、なんつーかさとみが描いた絵を背景にして、記念撮影しているとかそんな風に読み取れる。

 

小学生の頃に描いた絵が入賞したりしたんじゃないの?知らないけれど。

 

だから、あの絵はさとみが描いたものであって、さとみの心象のどこかにあのような図柄が存在している。

 

具体的にこの十字が何なのか、雛罌粟で調べても、万朶で調べても良く分かんなかった。

 

代わりに、雛罌粟のエピソードがギリシャ神話に存在するようだから元ネタ集に書き足しといた。

 

あと万朶で調べたら、万朶隊なる特攻隊が出てきたから、名前そのものはここからきているみたい。

 

そう…(無関心)。

 

ただ、あの図柄が何なの?とかは良く分からない。

 

あの絵はまぁ、普通にさとみが描いたものということで良いのだけれど、それ以上のことは、まぁそうちょっとよくわかんなかったです。

 

もし、あれが万朶に関係する図柄だったら、万朶に憧れたからあんな絵を描いたとかそんなだろうけれど、軽く見直した限りでは万朶と関連付けられる何かはなかった。

 

どーしようもないね。

 

というしょうもない記事。

 

水乃さんは読むことはないけれど、むしろどないせいちゅうねんと、こっちが言いたい。

 

コメントしても返事はしないって書いたんだけどなぁ…。

 

別に文章量的には普通にコメントで返せた量だけれど、例外を作ってはいけないのでどうしようもないね。

 

では。

 

・追記

(11巻p.244)

 

ここに万朶の校章が出てきている。

 

さとみのスタンドと関連性は見出せない。

 

やっぱさとみが描いた絵の方に理由がありそう。

 

・追記2

後日、そもそも根本的な無理解があったということに気が付いた。

 

(同上)

 

このシーンが何のためにあるのかを根本的に誤解していた。

 

このシーンがどういう意図で配置されたかと言うと、アマポーラとさとみとの関係性を示唆するシーンではあるのだけれど、シイナがアマポーラのスタンド能力者だとさとみに疑念を抱き始めるシーンになる。

 

実際、ここに至るまで、シイナはさとみがスタンド使いであるということは理解しているのだけれど、何のスタンド使いなのかは理解していない。

 

(7巻p.131)

 

ただ漠然とスタンド使いと理解していて、敵性存在か、はたまた味方なのかすらも分かっていない。

 

けれども、先の写真を見て、アマポーラのスタンド使いではないのかと疑念を抱くことになる。

 

(4巻p.30)

 

シイナはアキラを襲撃した竜の子を目視していて、けれども誰がスタンド使いなのかは理解していない。

 

なのだけれど、アマポーラのデザインと酷似ているさとみの描いた絵を見て、疑念を抱く。

 

(同上)

 

この二コマ目は、そういう企図ですね。

 

さとみが描いた絵を見て、アマポーラとの関連性に気付き、一つの疑念がシイナの胸中に蟠る。

 

それは、アキラを攫ったり、自衛隊を虐殺した連中の一味であるという疑念。

 

そして、この後、シイナはさとみ達とファミレスに行くのだけれど、そこに文吾が相席する。

 

その時にこんなやり取りがある。

 

(7巻pp.158-159)

 

先の写真の時点で、ほぼほぼさとみがアキラを襲撃したということをシイナは把握していたのだけれど、自分の父親がパイロットということを言ったときの文吾のリアクションで、文吾が父親の航空会社である本木航空を襲撃したということが疑念として持ちあがる。

 

元木航空の飛行機を何者かを襲撃していて、シイナはそれが竜の子によるものだと考えているのだけれど、文吾はパイロットというワードに何か思うところのある表情をしてしまう。

 

それを見たシイナの中の疑念は、更に深まっていく。

 

けれども、決定打がないがために、次なる一手を打つことにする。

 

それは、のり夫が作ったハイヌウェレをさとみに見せること。

 

(7巻pp.202-203)

 

父親を襲撃した竜の子をさとみは文吾のスタンドだと言ってしまう。

 

(7巻p.204)

 

そしてすぐさまシイナは殴りつける。

 

そのための右手。

 

(7巻pp.205-206)

 

話としては、似像のハイヌウェレを見て、シイナはさとみたちを敵認定したということで良いのだけれど、それに加えていくつかの疑念自体はそれより前から存在したという話になる。

 

だから、あのさとみの写真について言えば、竜の子自体が本人のインスピレーションにその造形が影響されるわけであって、さとみが抱いた幼少期のイメージとしてあれはある。

 

それを見て、さとみにシイナが疑念を抱くという物語の流れのためにあるわけであって、あのシーンはシイナと黒の子供の会との軋轢のための伏線?だというのが最も近い言及だと思う。

 

こんなの分かるわけないんだよなぁ…。

 

パイロットの話をして、文吾に「ん?」と思っていたことは分かっていたのだけれど、さとみの方にもそういうのがあったというお話。

 

どうでも良いけれど、どうしてシイナは父親を襲撃したのがハイヌウェレと知っているんですかね?

 

東富士でシイナはハイヌウェレとも邂逅しているから、ハイヌウェレのことを知っているのは良いのだけれど、父親たちを襲撃したのがハイヌウェレだとは知らないはずなのだけれど。

 

(7巻p.208)

 

自分を襲ってきた怪物について、俊二さんが小学生である娘にそのことを話すとはとても思えないし、機密事項だろうし、シイナがそれを知れるタイミングがない。

 

もしかしたら、シイナの中で敵対するスタンド使いとして、一連の絵図は完成していたのかもしれない。

 

まぁ推理はあっていたし、そもそも、物語の配置なんて、読者の中のだーれも理解出来てなかったのだから、些細なことと言えば些細なことなのだけれど。

 

・追記

この記事へのコメントで、シイナがハイヌウェレについて認識している旨の描写の存在を教えていただいた。

 

(2巻p.43)

 

そうですね。

 

何のためにシイナに俊二さんが伝えたのかイマイチ分からないけれど、おそらくは鬼頭先生の都合というか、鶴丸との邂逅イベントをこなすための情報なのだろうと思う。

 

このように指摘を貰えたのは漫画の解説を始めてから、全ての漫画の解説を含めて二回目になる。

 

解説を書き始めた当初は、そういうことを期待していたのだけれど、マジにもらえなかったから、そういうことはもう起こらないものとして考えていた。

 

指摘についてはその通りだと考えたので、真摯に受け止めて反映します。

 

この記事自体の本旨は変わらないのだけれど、それでも間違いは間違いなので、訂正のための追記です。

 

そしてこの記事自体が以上になる。

 

そんな感じです。

 

では。

 

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