日経平均17,000円回復しそうな勢いになりました…

先週末はスーパーマリオことECBのドラキ総裁に世界のマーケットが乱舞しました…
まだまだ、油断は出来ませんが、少しづつリスクオフの地合いができてきていることは確かだと思います…

しかし、今週の重要イベントである、27日のFOMC、29日の日銀政策決定会合が終わるまでは気が抜けない状況です…

米国は3月利上げというシナリオに向け、動いているわけですから、27日のFOMCは利上げはスルーするでしょう…

しかし、現在の中国はじめとする新興国の景気後退、原油価格の不安定化、中東・東アジアにおける地政学リスクの高まりなど、世界経済を取り巻く環境は予断を許さない状況ですから、メーケットには一定の配慮のある発言があると予想しております。

ECB総会後のドラキ総裁発言、FOMC後のイエレン議長の発言…という援護射撃を受け、日銀はどのような行動を示すのか…俄然…注目度は上がりますね…

日銀は現在はマネタリーベースで年間80兆円の資金を市中に供給しております…買い入れ資産は国債、ETF、REITを買い入れております…

黒田総裁はマイナス金利には副作用があるから消極的ですが、異次元の量的緩和も副作用があるわけですから、バッサリ切るのではなく、実施するかどうかは別として、市場に対してはいつか実施するかもしれない政策候補のカードとして取っておく方が得策だったのではないかと思います。

しかし、マイナス金利は…ほぼ…ほぼ…実施しないとした場合…

黒田日銀が追加緩和で切れるカードとしては…

マネタリーベースでの増額 +20兆円 → 年額100兆円程度

購入資産の拡大に関しては、国債は現在80兆円と国債発行額の170兆円の役半分程度購入しているため、購入資産の種類を地方債にまで拡大することも考えられます。

あとは購入資産として購入余地のあるREITの積み増しを行う…

ちょっと待ってください…

黒田日銀が不退転の決意を持って、政権与党の経済政策と歩調を合わせるように、異次元の量的緩和を行った理由は何でしょうか…

それは、2%の物価上昇目標を達成させるためですよね…

ということは、2%の物価目標がどうしても達成できないときに限り、次なるバズーカを打てるわけですけど…

今はそのときなのでしょうか…

日銀は12月の補完措置からもわかるとおり、かなり政策的には手詰まり感が出てきているのは事実です…

量的緩和をしたくとも、購入できる資産に限りがあるわけで…

全ての資産を日銀が購入するというわけにもいかないので…

購入資産を変えないのであれば、おそらくは、第3弾のバズーカが最後のバズーカになってしまいます…

購入資産拡大…マイナス金利…

やろうと思えば、量的緩和の可能性はドンドン広がりますが…異例の措置だけに…2%の物価目標が原油価格の低下などにより脅かされている状況下、ますます黒田総裁の言う副作用が大きくなり、将来の出口が見出しづらい状況になってしまうのも確かです。

黒田日銀にとって…今月の日銀政策決定会合…正念場にはなります…

マーケットからは追加緩和要望論…

お家事情としては…実施余地が限られている緩和…あと1回が限度…何処で使うか…

ECBやFRBは実弾を伴わない口先介入…

自分たちだけ実弾を打つのか…

日銀が追加緩和に踏み切るラインは市場では、株価16,000円割れ、ドル円が150円台と言われております。先週前半はこのラインに抵触するのではないかと思われましたが、ドラキ総裁に救われ、株は17,000円を伺い、ドル円も 118円台を回復しました。

日銀は狙ってか狙わずか、海外から大きな贈り物を頂いたので、1月の総会は現状維持でスルーをすると私は思います。

波乱はECB総会、FOMCが実弾を打ち込む3月ですので、緩和カードはそれまでとっておきたいと考えてるのではないかと思うからです。