東京都内のクリスマスのイルミネーションを、詩とともにご紹介します。
きよく かがやかに
たかく ただひとりに
なんぢ 星のごとく。
「夕づつを見て」 佐藤春夫
冬が来る
寒い、鋭い、強い、透明な冬が来る
「冬が来る」 高村光太郎
山の重さが私を攻め囲んだ
私は大地のそそり立つ力をこころに握りしめて
山に向つた
山はみじろぎもしない
「山」 高村光太郎
われらひとりにて産(うま)れたれば ひとりにて生く
ひとりにて生きて、さてひとりにて死にゆく・・・
「断片」 佐藤春夫
黙つてゐても心の通じる、
いいも悪いも両手に持つ、
さういふ友を持つのはいい。
「さういふ友」 高村光太郎
おれの手の届かないさきを人がやる、
人の手の届かないさきをおれがやる、
それでいい。
「とげとげなエピグラム」 高村光太郎
ああ、走る可(べ)き道を教へよ
為すべき事を知らしめよ
氷河の底は火の如くに痛し
痛し、痛し
「寂寥」 高村光太郎