兵学校のカリキュラムのご紹介、2回目です。
●海軍兵学校(7-1)-カリキュラム
■体 操
体操は海軍体操と呼ばれ、これが一番苦しかったと元兵学校77期生は述べています。
これは海軍がデンマーク体操を日本人向けに改良したもので、始めから終りまで静止することなく跳躍、腕振り、屈伸などを続けます。ラジオ体操とは比べものにならないくらいきつい体操だったそうです。
なかでもつらいのは、「一挙動膝屈伸(いっきょどうひざくっしん)」という動作。これは、立ったままの状態から両膝を一度に曲げ、尻が踵(かかと)に届くまで腰を下げ、同時に両手を「逆ハの字」形になるよう上方に曲げて、すぐにまた立ち上がるというものです。
この一連の動作が「一挙動」、つまり一回の運動で、これを百回ぐらい続けさせられます。40~50回まで続けられれば相当なもので、たいていはその前に立ち上がれなくなってしまいます。
■各種球技:ラグビー、サッカー、バスケットボール、野球、テニスなどを行う。
海上自衛隊では、現在も相撲の伝統が引き継がれているようです。画像は海上自衛隊・第二術科学校で。
■馬術:最高学年時に行う。
■登山行軍

生徒達は年に一回、宮島の最高峰である弥山(みせん)に登りました。弥山は標高530mながら険しい山で、山頂まで急こう配の不規則な石段が続きます。この道を山頂まで駆け登って分隊ごとにタイムを競う、過酷な訓練でした。
2.
生徒学術教育科目
■軍事学:軍事学は海軍の専門的な学課。
■普通学:文系・理系・外国語。大学の一般教養課程と似ています。
3.の精神科学は心理学。
7.の外国語では、英語は必修科目として毎年勉強します。2年目以降はドイツ語・フランス語が加わり、このどちらかを選択します。
・『江田島教育』、豊田
穣、新人物往来社、2000年
・『江田島海軍兵学校 究極の人間教育』、徳川 宗英、講談社、2006年
・『江田島』-イギリス人教師が見た海軍兵学校、セシル・ブロック、銀河出版、1996年