兵学校のカリキュラムは1.訓育と、2.学術教育の二つに分かれています。
陸戦訓練は最初に不動の姿勢から始まり、敬礼、速歩行進、分列行進と続き、やがて小銃が渡され射撃訓練に入ります。
この訓練は延々と歩かされるので、当時肥満していた元兵学校68期生は、3カ月間で6kg減量したと述べています。
カッター(短艇)を漕ぐ訓練も相当行います。
教員は「オールにぶらさがるようにして、一杯寝てッ!外から見たら、体が外舷(がいげん)に隠れて見えなくなるまで寝てッ!」と漕ぐ要領を教えるので、寝て起き上がる時、大変な腹筋の力が要求されます。翌日は腹部の皮が突っ張るように痛くなります。
■武 道
剣道か柔道は選択制になっており、どちらかを選びます。
■遊泳術
宮島での水泳キャンプ
宮島から江田島までの遠泳に出発する生徒たち
通常兵学校では遠泳を主に教えていましたが、戦局が悪化すると、艦が撃沈されて海に放りだされた場合を想定し、ものにつかまらずにできるだけ長時間、海に浮かんでいることに重点がおかれました。
泳げばそれだけ体力を消耗してしまうので、とにかく1時間でも2時間でも、海水につかって浮いていろ、という訓練に終始しました。
水泳訓練のとき生徒は衣類は着けませんでしたが、いざというときは着衣のままのほうがよい、と教わっていました。
そうしてなるべく動かないようにしていれば、着ているものとからだのあいだの水が徐々に温められ、それによって体温をある程度保つことができるそうです。