
こちらではシルバーバーチをはじめとする、高級霊が語った自然の摂理(この世の目に見えない法則)や、霊界(死後の世界)についてご紹介しています。
今回から幽霊についての特集です。一口に幽霊と言っても、実際に地縛霊が出現する場合や、幻影のようなものが幽霊に見えるケースなど、実は色々な種類の幽霊現象があります。
この幽霊現象をこれから6回に分けて解説します。今回は(1-1)の「物質化霊」、つまり実際に地縛霊など本物の霊が地上に出現する際の仕組みです。内容は以前掲載した記事とも重複する部分がありますが、レビューという事で、よろしければご覧ください。
(1-1)物質化霊
(1-2)変貌可能な物質化霊
(2)幽質の残骸が幽霊化
(3)想念霊
(4)分身霊
最初に霊界通信『霊媒の書』を著した、アラン・カルデックによる人間の身体構成の解説です。
「数え切れないほどの実験と観察、そして名状し難い事実によって、我々は次のような結論に達している。すなわち人間は三つの要素から成り立っている。
第一が魂または霊で、道義的感覚を有する知的原理である。第二が肉体。荒けずりな物的身体で、神の配剤によるある目的のために魂が一時的に宿って地上生活を営むための道具である。
そして第三がダブル(幽質結合体)と呼ばれる半物質的媒体で、魂と肉体との接着剤のような役目をしている」
【解説】人間はまず肉体と、目に見えない霊(魂)から成り立っています。つまり人間はみな霊であるということです。
そして身体を組み立てている要素にはもう一つの「ダブル」と呼ばれる、半物質状態の媒体が含まれています。「ダブル」という名前ですが、書籍によりこの呼称はまちまちとなっています。ここでは「ダブル」の代わりに以前も使用した、幽質結合体という名称で統一しておきます。
霊体とは霊が所有している身体のことです。肉体と霊体は幽質結合体という、半物質要素で接着剤のように重なってくっ付いた状態になっています。(以下の図参照)
(アラン・カルデック)
「死というのはそのうちの肉体が破滅または分解する現象である。その際、脱け出て行く魂はダブル(幽質結合体)もいっしょに携えていく。魂には何らかの媒体が必要なのである。
ダブル(幽質結合体)は流動性の蒸気のような媒体で、通常の状態では人間の肉眼には映じないが、本質的には物質に近い性質をしている。が、今までのところ、それを分析するまでには至っていない」
【解説】人間は死亡すると肉体と霊体が分離され、肉体は地上に捨てて霊体だけが霊界に赴きます。その際、肉体と霊体を結びつけていた幽質結合体も一緒に持っていくことになります。
ただ幽質結合体の一部は肉体に残り、その要素が急激な肉体の腐敗を防ぐ役目を果たしていると言われます。
幽質結合体は未だ科学でも発見されていない未知の要素で、通常は目に見えない蒸気状の半物質状態にあります。しかし性質としては、気化した状態から液体~個体状にも変化します。
似たような物質として、水は蒸気、液体、固体(氷)として形態を維持できますが、幽質結合体も水のような性質を持つと考えてよいでしょう。
実は地縛霊などの出現の際には、この人間の幽質結合体が幽霊を形作る要素として使われます。
通常、幽霊が出現した現場には、幽質結合体を豊富に持つ提供者がいますが、本人は幽霊の出現に協力したなどとは夢にも思っていません。この幽質結合体という半物質を普通の人間より大量に持つ人は霊媒体質者と呼ばれます。
地縛霊とは、自分が死んでいるという明確な意識を持てない霊のことを言います。そのため霊界へも行けず、まだ生きているつもりで地上を徘徊しています。
自分が生きていると思い込んでいますので、霊媒体質者の傍へ寄ると、自動的にその幽質結合体を引き付けてしまいます。そして知らず知らずのうちに、人間の幽質結合体と、地縛霊の幽質が調合されてエクトプラズムという物質が形成され、幽霊としての姿が出来上がってしまう場合がしばしばあるそうです。
これは私自身の推察ですが、霊界は思念で思う事がそのまま実現する世界です。例えばお茶が欲しいと思えば、お茶セットが自動的に出てくるといった具合です。
地縛霊にとって、まだ生きているんだという思い込みの想念世界が、まさに現実の世界です。従って条件が揃えばできるだけ生前に近かった状態に戻ろうと、本人も気が付かない無意識のうちに、幽霊として自動的に生前の姿が再現されてしまうのではないかと思います。
幽霊が出現する場合も、幽質結合体が多く使用されればされるほど、幽霊の形状も固く人間が触れられるような生身の人間に近い状態となり、幽質結合体が少なければ霧状などぼんやりした、物質をすり抜けるような状態で現れます。
『霊媒の書』、第2部 本論、1章 物質界への霊の働きかけ
キーワード:幽霊が出現する仕組み、幽質結合体(ダブル)、エクトプラズム、地縛霊