従軍慰安婦問題 -佐藤優氏の解説 【後編】 | 太平洋戦争史と心霊世界

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 安倍政権 
 


(質問)「日本に対抗できる」ということで、韓国にどんなメリットがあるのか?

 

 

まず、韓国国民に自信を持たせること。そうすると韓国では格差が大きい。40歳でリストラになって賃金は半分以下になる。しかしあの植民地支配をして世界でGDP第二位の日本、そこと対等に我々の国はやれる。それはどうしてか?頑張ったからだと。

 

 

(質問)日本はどう対応すべきなのか?

 

 

韓国の国家方針が変わったということを踏まえて、我々としては必死になって抵抗しないといけない。まあまあではダメ。

 

 

(質問)アメリカの日本への見方は?

 

 

アメリカは迷惑千万と思っている。韓国も日本も同盟国、なんでケンカするんだ、何とかしてくれと思っている。では日本に対してはどうか?親日派もいるが、それはどっちかというと共和党でマッチョな人たち。

 

アメリカは慰安婦に関しては ”comfort girls”(慰安婦の直訳)、”sex slaves” (性的奴隷)という言い方がある。民主党もヒラリー・クリントンは慰安婦に対しては、”sex slaves”としか言わない。国務大臣(日本の外務大臣)に相当する人が、「性的奴隷」と、日本は奴隷制度をやっていると言っている。このアメリカの現実を考えないといけない。


夕闇 

 

 

(質問)共和党の方がどちらかというと日本に優しくて、民主党になると日本に厳しいのではないか?

 

 

ただし、安倍政権の時も、共和党政権だったが安倍政権との関係が冷やかになったのは慰安婦問題だった。あの時には国会の決議までアメリカ連邦会議でされてしまった。だから慰安婦の問題は、アメリカ人と日本人の受け止め方が違う。

 

当時は日本では公娼制度があり、いわゆる置屋も存在したし戦後の赤線もあった。戦前はそういうのは自由だった。

  それから韓国人を連れて来て騙して云々といっても、現在のアメリカ人は、自分の娘なり自分の妹なりが、そういう慰安所に甘言をもって連れて行かれて、状況によってはビンタ、はたかれたりとか、或いは太ももにタバコをなすりつけられたりとか、そういうような事例は一つ二つは具体的にはあるわけですよ。

 

タバコの話は朴トウセンさんという(情報筋の)韓国人から聞いたが、「慰安婦の人たちはそういう思いを持っているから、この思いに関してはやっぱり韓国人は忘れませんよ」と、非常に親日的な朴さんなんかが言っていた。

 

要するに歴史的な正当性と、今日本の国がどう受け止められているかというのは、ちょっと別なんですね。法律的には補償は全部終わっても、いろんな家電製品の交渉だって、保証期間過ぎましたからと言って、絶対に面倒見ないかと言うと、そうじゃないときもある。

 

だからそこは何か慰安婦で残っている人も、60数人なんだから何か日本としてきちんとやらないといけない。私(佐藤)はこの問題に関しては、恐らく今の日本では少数派だと思うが、慰安婦問題に関してはアジア女性基金のような形できちんと向き合った方が国益にプラスになると思う。

 

 

(質問)歴史的に正しいかどうかということはちゃんと追求しなければいけないのではないか?従軍慰安婦はいなかったという人もいる。

 

 

従軍慰安婦はいなかったということは政府でははっきりして、アジア女性基金でその辺はきちんと調べて、人間狩りみたいなことはなかったということは明白になっている。そのことにおいては、狭義の強制性はない、広義の強制性の関与はあったという整理でなされている。

 

これは安倍政権の時も、公にはその発言をしている。それから従軍慰安婦という言葉はアジア女性基金にしても、政府にしても使っていない。慰安婦問題としか言っていない。

  だから歴史的な研究は実は結構なされていて、それに関しては外務省のホームページでも慰安婦問題を調べるといろんなレポートが出てくるので、それを読んでいただくと、その辺の詰めもかなり終わっている。

 

じゃそうすると、あの時代をどういうふうにして見るのかと、特にオランダの慰安婦に関しては大変な例がある。日本がオランダ領インドネシアを占領している時の慰安婦に関しては、これは本当に軍人が連れてきてしまったという例がある。(ここで時間切れ、番組終了)