物的試練から精神的試練への向上進化 【シルバーバーチ】 | 太平洋戦争史と心霊世界

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海軍を中心とした15年戦争史、自衛隊、霊界通信『シルバーバーチの霊訓』、
自身の病気(炎症性乳がん)について書いています。



鳥 


 シルバーバーチをはじめとする霊界通信から、今月は因果律(カルマ)について取り上げています。

 

 因果律ですが、以下の2項目をクリアしていれば因果律(カルマ)は発生しません。しかしこれらいずれかに違反するとカルマがやって来ます。

 

   動機: その行為を行う動機が人の為であること(利他的行為)

 

   道義心: その行為を行っても罪悪感を感じない、又は「自分がしてもらいたくないことは、他人にしない」ことを目安にする。

 

まだ人間に昇格したばかりの若い魂の場合は、例えばアフリカの貧困地帯に誕生し、病気になっても薬がないなど、物質的なカルマを経験します。しかし人間の霊性が次第に向上してくると、今度は物的試練を受けなくなり、代わりに精神的な試練がやって来るようになります。


ナナカマド 
 

(アラン・カルデック)

 

――完全な純粋性に到達するまでは、霊は何度でも試練に遭わなくてはならないのでしょうか。

 

(高級霊)

 

「理屈の上ではその通りですが、“試練”の意味が違ってきます。地上の人間にとっての試練は物的な辛苦です。が、霊がある一定の純粋性の段階まで到達すると、まだ完全ではなくても、その種の試練は受けなくなります」

 

 

【解説】人間は霊的に成長するにつれ興味の対象が、本能的(物的)なもの 精神的(知的)なもの 霊的(道徳的)なものへと移行していきます。この移行状態に関しては、以前解説したことがありますので、以下ご参考にどうぞ。

 

■知性と道徳心、どちらが重要か 【シルバーバーチ】

http://ameblo.jp/zipang-analyzing/entry-11492757898.html

 

 

最初に人間として誕生とした若い魂は、興味の対象が物欲とも言える本能的な行為(食欲・睡眠欲・性欲)へ向きがちとなります。ですから彼らの試練も、彼らの霊性度に見合った貧困などの物的試練が来ることになります。

 

 この時期を脱すると、次に人間は知的・精神的な行為に興味が向かうようになります。従って試練も精神的な形態となり、例えば病気になって精神的苦痛を味わい、カルマを返すという方向に向かうのかもしれません。

 

 やがて再生(生まれ変わり)を繰り返して、精神的な事項に飽き足らなくなると、人生とは何か、人間の根源的な生き方を探りたいという、霊的(哲学的)な行為に興味の対象が移ってきます。ここまでやってくると、霊性は完全とは言えなくとも物的カルマなどは受けなくなります。

 

 しかし試練は何もなくなるのかと言うと否で、実は霊性が向上するほど霊的にも繊細になり、普通の人間が普通に受け流す、地上の些細な出来事にも傷ついたり、衝撃を受けたりするようになります。


ラベンダー
 
 
 

(ステイトン・モーゼス)

 

〔さらに幾つか質問したあと私は、霊的に向上していくと俗世的な仕事に全く不向きとなり、ガラスケースにでも入れておく他ないほど繊細となる――つまり霊界との関係にのみ浸り切り世間的な日常生活に耐えられなくなるが、それが霊媒としての理想の境地なのかと尋ねた。〕

 

(高級霊・インペレーター)

 

「霊媒には環境も背後霊も異なる別のタイプがある。その種の霊媒にとりてはそうなって行くことが理想であろう。そなたもいずれはそのように取り扱うことになろう。もともとそなたを選んだのはそうした目論見(もくろみ)があってのことである」

 

 

【解説】上記では霊媒について解説していますが、この状況は普通の人間にも当てはまります。霊性が向上するほど、地上の普通の価値観から自分の価値観がかけ離れてくるようになり、ひどい場合は上記のような、「ガラスケースに入れておくしかない」ほどの社会不適応症に陥ります。

 

 現在の社会の価値観では、お金持ちになる、良い大学・会社に入り、社会的地位を築く、社会的な名声を得る・有名になるなどの行為が肯定的に評価されています。これは状態としては主に本能的(物質的)行為で、学問の探求や企業での研究は精神的(知的)行為に当たります。

 

 ところが、霊的(道徳的)な事項に興味の対象が向くようになった人間には、これらがどのように映るでしょうか。

 

人並み以上にお金を稼いだり、社会的地位を築き人の頂点に立つには、人を押しのけ、倒して自分が獲得するという競争を経なければならない側面があります。こうなると、道徳的な事項に価値観をおく人間には、この種の弱肉強食的争いを伴う現代社会は、苦痛以外の何物でもなくなります。

 

世間には、一見何の波風のたたない、とても幸せな人生を送っているように見える人もいるかもしれません。

 

しかし精神的試練とはこのように人によって相対的なもので、霊性が向上するほどその精神も比例して繊細さを増してきます。従って一見平穏無事に人生を送って見えるような人でも、実はその繊細な感受性のため、内面に大変な苦悩を抱えていた、という内情もありうるのです。

 

 

『霊の書』第2部 霊の世界、5章 霊としての生活

『霊訓』(下)、30

キーワード:因果律、カルマ、物的試練、精神的試練、試練の質は霊性によって違ってくる、霊性が向上するほど繊細になる