
佐藤優氏
佐藤優氏の解説による沖縄問題についてご紹介します。彼は母上が沖縄出身で、保守派の産経新聞にも寄稿しています。その佐藤氏が沖縄問題は日本の国家統合の問題であり、沖縄は連邦制をとらなければもう無理であると論じています。
■沖縄大使まで置いている沖縄は外務省では外国扱い
【沖縄と本土の関係は...:佐藤優氏】2012/10/23(02:28)
http://www.youtube.com/watch?v=Uj7on6ZnrgY
外務省に言わせると、15年前米軍基地は75%だったのが、今1%減って74%になったから感謝しろと言う話。しかしオスプレイも辺野古の移設も受け入れろと言っても、沖縄からは受け入れられない。
なぜ今までそういう事が通用していて、通用しなくなって沖縄が激しく反発してるかというと、沖縄県民が負担を受け入れたのは家族の一員だと思っていたから。でももしかして、日本本土の方が家族扱いしてないんじゃないかと。我々は家族ではない、親戚なんだという宣言を今沖縄はしている。親戚だったら、それなりの遠慮があってしかるべきだ。
例えば、外務省は各国に大使を置いている。日本には、沖縄県にだけ沖縄大使という者がいる。竹内春久さんという人で、大使公邸というものもある。しかも、そこには通信施設が付いている。
その通信施設は極秘というよりも、もっとレベルの高い、限定配布とか、間諜符号とかいう、ものすごいレベルの高い暗号、これを書けることができる電信施設があって、暗号解読の専門家まで配置されている。ワシントン、モスクワ、北京の日本大使館と同じ施設が沖縄にだけある。
これは沖縄の人に読まれないようにするためである。要するに、大使やそういう施設を置いて、外務省ですら沖縄を外国の扱いをしている。外務省では沖縄を異質な所だと思っている。
しかし日本全体にとって重要な所だから、言い方を変えると、国内植民地という位置づけである。それだから、植民地とそれ以外の所では、適用する法律が違っても構わないという意識が、政治エリート、特に防衛官僚・外務官僚にはある。
■沖縄と東京の間で歴史問題となった「主権回復の日」式典
【『くにまるジャパン』3月22日〈佐藤優〉日米地位協定】
http://www.youtube.com/watch?v=1ZRK0jSps-M
4月28日はサンフランシスコ講和条約が発効の日で、日本が主権を回復した日であるが、沖縄では沖縄が切り離された日、屈辱の日とされている。沖縄ではなぜ今、4.28なんだという問題がまずある。
沖縄が米軍統治下におかれて27年の間には、女性暴行事件、殺人、強盗、放火、凶悪事件が多発をして、1年間で2,000件ぐらい起こる。今も平均140件ぐらいで米兵犯罪が起こっている。
そういう被害にあわされたり、裁判権もない状況に追い込まれたのは何なのかと考えると、もしかして沖縄は切り捨てられたんじゃないかと言う思いが沖縄にある。日本が主権を回復するために、沖縄を踏み台にしたのではないかというふうにも言われているが、その4.28をなぜ今国は祝おうとしているのかという疑問がある。
4月28日で主権回復したんだという事は、東京の日本の保守派の人たちは、この日をきちんと覚えておかなければならないという強い流れがある。それは非常に重要だが同時に沖縄の側から見ると、沖縄はアメリカの施政圏下に置かれた、1952年の4月27日までは、沖縄もそれ以外の日本も平等に占領下にあった。
ところがその翌日、4月28日から1972年の5月25日まで、沖縄だけがアメリカの施政圏下、別の民族の施政圏下に置かれて異民族の統治下に置かれていた。その中で日本国憲法の対象外であるとともに、安保条約の対象外でもあった。
だから沖縄で何かあっても守ってもらえない。こういう状況だったという事を東京にいるとなかなか気付かないという、お互いの認識ギャップ、歴史認識のギャップがあまりにもあり過ぎる。
歴史問題が中韓だけでなく、沖縄と中央政府の間で生まれている。歴史問題が生まれたと言うのが4.28をめぐる、東京と沖縄の深刻な問題である。一般の国民は全然知らない話だから、こんなことで騒動が起こるのはかなわない、ということである。