【TPP賛成】 TPPは経済問題でなく、安全保障問題(佐藤優氏) | 太平洋戦争史と心霊世界

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 安倍総理がTPP参加表明をしてしまったこともあり、TPPに参加したらこれからどうなるかという、賛成派の佐藤氏の意見も掲載します。ただし私自身はTPP反対です。

 

 佐藤優氏は親米でTPP賛成なのですが、TPPは中国を日米豪で封じ込めるブロック体制だと述べています。佐藤氏は言行一致・国益重視で、お金や権力で動く人間に見えませんので信頼度が高いですが、果たして彼の言うように物事が動くのか疑問です。

 

 

【動画】佐藤優氏 中国牽制の為にも我国はTPPを
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http://www.youtube.com/watch?v=vZ4YvL2Adio





●農業・医療に関して 


農業に関しては農民を守らなければいけない。その点からいえば、例外なき関税撤廃はありえない。日本がきちんと主張すれば、守れる分野は必ず出てくる。

 

一番守らなければいけないのはサトウキビ。サトウキビがもしできなくなると、沖縄の中国に近い離島の農業が壊滅的になって、人が住めなくなり無人島化する。すると中国は影響力を拡大してくる。日本の安全保障から、サトウキビを守らなければいけない。

 

アメリカもサトウキビは、オーストラリアとの関係でも完全な聖域にしている。だからTPPになってもアメリカはサトウキビは聖域にする。そうすると相互主義で聖域にできる。

 

コメでも小麦でもいくらでも交渉できる。コメ・小麦でも強い物を作っているところは心配ない。富裕層に売ればよい。

 

保健医療制度でも、根幹が壊れない制度ができる。事実壊れないと思う。保険外の診療が一部増えるということになって、医療全体が変わってしまうという事は、針小棒大な話だと思う。


稲穂 


TPPは中国に対するブロック経済

 

 TPPに入るデメリットもある。日本は2番目に強い国だが、EUでいえば、フランスはドイツよりも弱く、ドイツから吸い取られてしまう。しかしその代りフランスは製品をポルトガル、アイルランド、イタリアなどに売って儲けている。日本もアメリカから取られる以上に他の国から儲ければよい。

 

TPPで自由貿易地帯をアジア・太平洋に作って中国を遮断する。日本にとって都合がいい時は中国と交流をして、輸出はガンガンして、都合の悪い物は入ってこないようにする。

 

労働力は日本の中できちんと回せるようにする。日本語という非関税障壁がある。アメリカ人やブラジル人など日本語ができないので、雇用の確保はTPPによってできる。

 

日本からはノウハウ・技術が出て行かないように日・米・豪の3国が枢軸国になって作る。それで日・米安保体制、米・豪安保体制、米・ニュージーランド安保体制という軍事同盟を経済でも支える。こういう基本的な方向なので、私はTPPは選択の余地はないと見ている。

 

TPPに入らない時は、日米安保同盟を解体する時。それで、アメリカとは別の道を歩む、或いは中国とやっていくという選択をする時。外交安全保障をやっている人はこれが見えると思う。

 

TPPは経済の問題ではなく、外交安全保障の問題。これは実は中国に対するブロックなのであるが、今は表向き保護とか、ブロックとは言ってはいけない事になっている。なぜなら、2回の大きな戦争をひき起こしているので、どの国も自由貿易と言いながら、あるいは封じ込めはしないと言いながら、実質的には封じ込め、ブロックを作っている。

 

EUもそれをやっている。もし入らなかった場合、アメリカは為替ダンピング(ドル安)をやるので、枠の外にいたら大変である。


 
シェールガス田 


●新体制作りのためのTPP

 

 もう一つはシェールガス。2030年代にアメリカがエネルギー輸出国になった場合、2つの選択がある。

 

  一つはアメリカが全世界に伸び出していく。もう一つはもう石油に頼る必要はないので孤立主義に戻り、中国と取引して併存体制を作る。すると中国を巻き込んだTPPで日本だけ入ってないと言うと、昔のワシントン体制(1922)で日英同盟がなくなったように、対日包囲網を作られてしまう。

 

 日本国家の大枠を守るためのTPPは必要である。一部の人は負担を背負わないといけないが、農業の構造転換は必要だと思う。作付をしないで、お金が国民の税金から出ているという制度をこれ以上維持するのは無理。

 

ロシアも中国をけん制したいので、TPPを歓迎している。TPPでその地域が強くなれば、強い所と組みたい。これがロシアの発想。

 

日米間の同盟関係がTPPで飛躍的に強化されるので、沖縄のオスプレイや海兵隊が県外へ出てもらっても、トータルで収支が合う。


                            


 次回が最後のTPP記事でまとめです。