
シルバーバーチとはかつて3000年前に地上生活を送り、地球を霊的に浄化するため、人間に霊的真理を届けようと地上に降りてきた高級霊です。
今日は霊界の視点から見て、知性と道義心(道徳心)ではどちらにより価値があるのか、またそれは何故なのかを解説します。
(質問)
「未開の段階では人間は本能と自由意志のどちらが支配的なのでしょうか。」
(高級霊)
「本能です。と言っても、完全な自由意志による行動を妨げない面もいくつかあります。幼児と同じで、自分の必要性を満たすために自由意志を行使していて、その自由意志は知性の発達を通してのみ発達します。
と言うことは、あなた方のように知性の発達した人類は、自由意志の行使による過ちに対しては未開人よりも責任が重いということになります」
【解説】まず初めに、人間は本能がある所から自由意志を徐々に開発し、いろいろ考えたり工夫したりと、知性を発達させます。
知性の発達とともに自由意志の使用範囲も大きくなってきますから、自由意志を大幅に利用できるということは、本能のままに生きる未開人より、より責任の度合いも大きくなるということです。自由意志と責任は表裏一体です。
(質問)
「道徳的進歩は知的発達に続くものでしょうか。」
(高級霊)
「知的発達の結果として道徳的進歩が生じますが、必ずしもすぐにというわけではありません」
(質問)
「知的発達がどうして道徳的進歩を促すのでしょうか。」
(高級霊)
「知的発達によって善と悪とを理解するようになり、続いて、そのどちらかを選択するようになります。知性が発達すると自由意志が発達し、そこから人類の行動の責任が増してきます」
【解説】知性が発達するにつれ、善と悪の区別ができるようになります。ここから道徳的な発達が始まることになります。
従って道義心(道徳心)は知性よりも、さらに高度な位置づけにあることがわかります。そのため霊界での人間の価値は、まず道義心(道徳心)のレベルが高いかどうかで計られます。
霊界の価値観: 道義心(道徳心) > 知性
一方で地上での知性と道義心(道徳心)の価値は、以下の通りになります。
地上の価値観: 知性 > 道義心(道徳心)
例えば大企業の幹部や政治家は、高学歴によって知性が担保される人物が大方選出されます。しかし第一に高潔な人物かどうかで候補者を計り、それを絶対条件にするということは、この社会では普通ありません。
道徳的基準をどう計るのかという選出方法の困難さもありますが、霊界と地上界では価値観が真逆となっています。霊界で一番価値あるものは、どれだけ人の為になるかという道義心(道徳心)の高さであり、究極の目的は霊性の向上です。
ここの部分を人生で間違えてしまうと、他界して霊界に赴いた際に、思ったより上の霊界の階層へ行けなかった、又は自分より知性が低く馬鹿にしていた者(しかし道徳心は高レベル)が自分よりずっと高い階層に行っており、恥ずかしい思いをする、などということが起こります。
ですからこの世のうわべだけの価値観に惑わされず、真実の価値観とは一体何なのか、よく見極められてください。
ただし知性を発達させ、人の為にそれを使おうという意図があるのでしたらそれはOKです。別に勉学・研究に励むという行為自体が悪いのではなく、要は価値観の優先順位を取り違えないでくださいということが、今回の趣旨です。
■人間の意識の発達段階■
人類すべてが未開人だった時代には、戦争や闘いで勝った者が君臨するという、「本能の世界」に生きていた。現在は知性(精神性)が重視される「知の世界」、そして未来には霊性が重視される「道徳心の世界」へと価値観はシフトする。
『霊の書』、第2部 霊の世界――8章 霊の物質界への関与、〈自由意志〉
キーワード:自由意志、本能・知性・道徳心の関係、道徳心は知性の上位レベル