
シルバーバーチとはかつて3000年前に地上生活を送り、地球を霊的に浄化するため、人間に霊的真理を届けようと地上に降りてきた高級霊です。
ここのところ、「自由意志」についてご紹介していますが、人の為になるなら、他人に何をやってもよいのかと言うとそうでなく、本人の自由意志を尊重しないと彼(彼女)の霊的進歩の妨げになってしまうことがあります。
(シルバーバーチ)
「このわたしも、人間が苦しむのを見て涙を流したことが何度かあります。でも、ここは絶対に手出しをしてはならない、と自分に言い聞かせました。それが摂理だからです。
その時の辛さは、苦しんでいる本人よりも辛いものです。しかし、本人みずからの力で解決すべき問題を、このわたしが代わって解決してあげることは許されないのです。
もしもわたしが指示を与えたら、それは当人の自由選択の権利を犯すことになるのです。
もしもこの霊媒(バーバネル)(注1)個人にかかわることで、わたしが、為すべきことと為すべきでないことをいちいち指示しはじめたら、一人間としての自由意志を奪うことになるのです。その時から(霊媒としては別として)人間としての進歩が阻害されはじめます。」
注1)霊媒(バーバネル):イギリスで約60年間シルバーバーチの霊媒を務めた人物。霊媒として降霊会に出席する傍ら、心霊関連の新聞『サイキック・ニュース』を発行していた。
【解説】実例をアレンジしたケースを挙げます。親子の関係でいうと、親が子供に経済面で苦労しないよう医者にさせようと思い、早くから塾に行かせ大変な勉強をさせます。
しかしこの場合、子供の適性は別の面にあるのかもしれず、親の選んだコースが子供の個性にマッチしないかもしれません。また他人の自由意志を奪うという点で、親はマイナスの因果律(カルマ)を蒔いてしまっています。
何かの行為を行う基準として、まず動機は人のためになるか、次にそれを行って良心の呵責を感じないか、という道義心(道徳心)で計ります。
ここでは親の動機は100%子供のためと思っていても、道義心がマイナスになってしまいます。自分が他人に決められた人生を送りたいかどうか考えれば、おのずと答えは出てきます。
この時点で親はマイナスのカルマを蒔いてしまったことに気付いていませんが、親の道義心が向上するにつれ、自分が間違っていたことに気付き、反省したり償いをしたいと思うようになります。
それでは他人への関わり具合はどの程度がよいのかというと、『タイタニック 沈没から始まった永遠の旅』の中に、ある描写が出てきます。
これは他界したウィリアム・ステッドが送ってきた霊界通信なのですが、ステッドが地上との交信を行おうと、霊界のある通信施設を訪れた時の様子です。
(ウィリアム・ステッド)
「さて、私が(地上との)通信を試みたのは、ブルーアイランド(幽界)の建物の中でのことでした。そこは一度(他界した)父に案内されてから、よく通っていたところでした。
交信だけを目的とした建物ではありません。他にもいろいろと機能があり、私はしばしば利用し、そこで働いている人たちに何かとお世話になっておりました。
その人たちはみな親切で同情心は厚いのですが、態度はきわめて事務的です。涙を流して訴える人がいて、気の毒には思っていても、親身になって慰めるといった態度に表わすことはありません。
驚くほど組織的で事務的です。何百人あるいは何千人もの人が仕事に携わっております。」
【解説】霊界のスタッフは親切ながらも、他人に対し極めてあっさりした対応を行っています。一見冷たく見えますが、霊界人が他人に対しどのような態度を示しているのかを調べれば、理想的な対応の仕方が分かるのではないかと思います。
『シルバーバーチの霊訓』―霊的新時代の到来、2章 蒔いたタネが実りをもたらすのです
『タイタニック 沈没から始まった永遠の旅』、6章 初めての地上界との交信
キーワード:自由意志、他人の自由意志の尊重