
前編からの続きです。前編では霊性が向上するほど、自由意志の行使できる範囲も大きくなると述べました。
ここではその反面、生き方の選択の幅は狭くなっていくという、反比例の関係を示します。
(シルバーバーチ)
「叡智(霊性)が増えれば増えるほど選択の余地が少なくなるということです。
増えた叡智があなたの果たすべき役割を迷うことなく的確に指示します。」
【解説】霊性が向上するほど自由意志の行使範囲は広くなりますが、反対に生き方の選択の幅は下の図のように狭くなっていきます。

霊性の高さは順に、C > B > Aとなります。
精神的生き方を目指すBは、Aの物的な欲望重視の生き方もすることができます。しかし精神的な生き方への希求が強まるにつれて、Aのような生き方では満足できなくなってきます。結局Bは、Aの生き方もできるがBの生き方にしか魅力を感じなくなってきます。
CはAの物質・本能重視の生き方、Bの精神的生き方もできますが、霊的自覚が深まるにつれ、霊的成長を目指す生き方にしか興味を見いだせなくなってきます。
こうしてシルバーバーチが述べたように、叡智(霊性)が増えるほど、自由意志の行使範囲も増え、その霊性が「あなたの果たすべき役割を迷うことなく的確に指示」します。つまり何をなすべきか的確に悟るので、生き方の幅はその分非常に限定されてくるという訳です。
世間ではA(物的・本能的生き方重視)や、B(精神的な生き方を重視)の人たちは、C(霊的成長を重視)より多いので、社会的マジョリティとなります。しかし彼らは、Cの霊的成長を目指す人生には興味が無いので、Cの生き方は理解されません。
つまり、霊性が高くなるほど世間一般の価値観からずれが生じ、狭き道を歩む生きにくい人生となります。
新約聖書にもイエズスの同じ説教があり、シルバーバーチの発言とも趣旨が合致しています。
「力を尽くして狭き門より入れ、滅びにいたる門は大きく、その路は広く、これより入る者おおし、 生命にいたる門は狭く、その路は細く、これを見出す者すくなし。」
(シルバーバーチ)
「献身的な奉仕の道を歩む人は、必然的に孤独な旅を余儀なくさせられます。
ただ一人、前人未踏の地を歩みながら、のちの者のための道しるべを立てて行くことになります。」
【解説】その代表格として挙げれば、イエス・キリストがそうでした。シルバーバーチも指摘していますが、当時の社会に理解されなかったイエスは、そのため最期に処刑されています。
シルバーバーチも世間一般の常識からかけ離れた「自然の法則」を幾つか公表しています。これは現在の社会より一歩進んだ内容を先取りしているためなのですが、詳細はまたいつか取り上げます。
『シルバーバーチは語る』、7章 神とは何か
『シルバーバーチの霊訓』(9)、11章 三つの出張講演から
『シルバーバーチの霊訓』―霊的新時代の到来、4章 すべての病気にそれなりの治療法があります
東京シルバーバーチ読書会・レジュメ、『シルバーバーチの霊訓』(5)、13章 質問に答える
キーワード:自由意志、自由意志の行使範囲、叡智が増えれば選択の余地が少なくなる、霊性向上により人生が生きにくくなる